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キリシアの故郷

翌日、準備をして門の所に行くと、クロウとレイリストと騎士達が待っている

『騎士さんも一緒するの？』

キリシアが笑顔でいう

『団長からリベリア領主様宛の手紙を預かっていますので、ご一緒します』

『監視役だね』

キリシアが笑いながら言うと、みんな笑う

『キリシア殿を怒らせる馬鹿が出ないように気を付けます』

騎士が笑いながら言う

『騎士の護衛有りだと安心しますね』

レイリストが笑顔で言うと、クロウが微笑んでいる

『家の片付けをしたら、再修行にリベリアへ行きます』

リーベルが笑顔で言う

『リーベル、なるべく早く来るのですよ。修行の時間が減りますから』

フローネが微笑みながら言うと、リーベルが苦笑いしている

『キリシア殿、バイルにこの手紙を渡してください』

ギルドマスターが手紙を差し出すと、リリシャが笑顔で受け取る

『ギルドマスターも元気で頑張ってください。中魔石はすぐに潜って送ります』

リリシャが笑顔で言うと、ギルドマスターは笑顔で頷いている

『フロートの魔道具は大事にアーメルドと半分ずつ預かります』

海軍隊長が笑顔で言う

『ミドルに言って話しに行かせます』

キリシアが笑いながら言う

『英雄殿、この度はありがとうございました。又の来訪をお待ちしております』

アルクオドールが言う

『又遊びに来ますね』

キリシアが笑顔で言うと、みんな馬車に乗り込み、出発する。兵士と重臣に見送られて門を出て、リベリアへ向かう

２日後

『リリシャ、寄り道して良いかな？』

キリシアが申し訳なさそうに言う

『え！良いけど、どこに寄るの？』

『実家に寄ろうと思っただけだけど』

『え！キリシアの村に！寄りましょう』

リリシャが笑顔で言うと、みんな笑顔で頷いて向かうことにする

周囲を山に囲まれた村の入口が見えて来る

『ここがキリシアの生まれ故郷？』

リリシャが笑顔で言う

『そうだよ。小さい村だから旅人も来ない村だよ』

キリシアがドキドキしながら言うと村に入る

『旅の方、何か用ですか？』

村人が不思議そうに聞く

『久しぶり』

キリシアが笑顔で馬車を降りると、村人は驚きながら話し込んでから一軒の家に向かうと家に入っていく

『キリシアなの？立派になって！』

母親が驚きながら抱き付く

『お母さん、ただいま』

キリシアが涙目になって言うと、外に出てきてみんなを紹介していく

『こんなに立派なお友達が沢山出来て・・・・』

母親は泣き出すと、キリシアは母親と話し込み始める

広場で夜営の準備をしている

『リリシャ、マルス、ちょっと一緒に来て欲しいんだけど』

キリシアが言うと、リリシャとマルスは一軒の家に行く。出会いのゴブリン討伐の話をして帰ってくる

『キリシア、ずーっと気にしていたんだね』

リリシャが言う

『幼馴染みだし・・・私１人生き残ったからね』

キリシアが思い出しながら呟く

『キリシアらしいね』

マルスが微笑みながら言う

『ありがとう。マルス』

キリシアは赤くなりながら言うとみんなの所に歩いていく

『キリシア！勝負だ！！勝ったらリベリアまで連れていってもらうからな！！』

１人の男の子がキリシアに勝負を挑む

『ライオス、クララ・・・』

キリシアが呟く

『キリシア、約束だからな！！』

ライオスが言うとキリシアが槍をもってライオスの打ち込みを笑顔で受けている

『くそ！全く当てられない！！』

ライオスは涙目になりながら打ち込み続けると、キリシアは軽く木剣を叩き落とす

『全然通用しない・・・・』

ライオスは泣き出してしまう

『ライオス・・・泣かないで』

クララがライオスに言う

『クララごめん。全く通用しなかった・・・クララの夢も叶えられない』

ライオスは泣きながら呟く

『ライオス、これが現実・・・この村で１番でもリベリアでは最下層だよ。私・・・私達が自信をもってリベリアに行ったけど、全く通用しないで２人は死んだから・・・私の失敗は自信過剰で突き進んだ事だよ』

キリシアが涙目になって言う

『キリシア・・・だけど自分達は成人したらリベリアに行く！自分もクララも、もう家族がいないから・・・』

ライオスが泣きながら言うとクララも泣き始めている

『ライオス・・クララ・・・』

キリシアは２人が泣き止むまで抱き締めている

『キリシア！』

父親が畑仕事を終わらせて弟と一緒にやってくる

『お父さん、ごめんなさい・・・全然連絡しないで』

『元気ならそれだけでいい。それにこんなに沢山の友達と訪ねてくれたのだから』

『うん、お父さん』

『まだ冒険者しているのか？』

『そうだよ。リベリアに家が有るから』

『そうか、何か有ったら帰ってくるんだぞ。何も無いが、いつでも帰ってきて良いからな』

『ありがとう！だけど家族のような仲間がいるから大丈夫』

キリシアが微笑みながら言い、みんなを見る

『みなさん、キリシアをよろしくお願いします』

父親が言うと、母親も頭を下げている

『キリシアは立派な一流の冒険者ですから安心してくださいね。名声を求めない性格から名前は売れていませんが、知っている人は英雄と称えています』

フローネが微笑みながら両親に言うと、両親は驚いている

『キリシアなど、生きて冒険者をしているだけ不思議な程の実力しかないと思いますが・・・・』

母親が苦笑いしながら言う

『もしかして・・・何もキリシアは言わなかったのですか？』

フローネが苦笑いしてキリシアを見る

『え！恥ずかしいから何も・・・・』

キリシアが赤くなっている

『キリシアだからだね』

マルスが言うとみんな大笑いする

『そうでしたね・・・それがキリシアでしたね』

フローネが苦笑いする

『キリシア、どういうことだ？』

父親が苦笑いしながら言う

『えーと・・・リベリア最強の冒険者パーティーになりました』

キリシアが恥ずかしそうに言う

『リベリア最強の冒険者？・・・は！』

父親はフローネを見る

『確かにそうですね』

フローネが微笑む

『後はリリシャに聞いて』

キリシアはそう言って赤くなっている

『本当なのでしょうか？』

母親が言う

『間違いなく最強です。リザード襲来を撃破したので、今回は国王陛下に会って帰ってきた所です』

リリシャが微笑みながら言う

『・・・・・は？ここここ国王陛下に会ってきた！！！』

父親が驚くと母親と弟はも驚いている

『槍聖の称号を与えられた正真正銘の王国一の槍使いです』

リリシャが続けて言う

『槍聖の称号！！王国一の槍使い！！！』

父親と母親は絶句している

『ほほほほ本当なのか！！』

父親はキリシアに言う

『はい、本当です・・・恥ずかしいから言わないで・・・』

キリシアが赤くなりながら言う

『キリシアは変わらないな・・・恥ずかしがって大切な事を言わないとこは』

父親が言う

『キリシアのこんな姿、始めてみましたね』

フローネが微笑みながら言うと父親と母親にいつものキリシアについて話し込んでいる

『なるほど・・・想像出来ないが、元気なのはわかった』

父親と母親と弟は安心して帰っていく

『リリシャ、ありがとう・・・両親には恥ずかしくて何も言えないんだよね』

キリシアがリリシャに言う

『珍しいキリシアが見れて面白かったね』

リリシャが微笑むと、キリシアは赤くなっている

『キリシア師匠の珍しい姿を見れて嬉しかったです』

メトリシアが微笑みながら言う

ご飯を食べ終わると、暗い中ライオスとクララがやってくる

『キリシア、お願いします。リベリアに連れていってください』

ライオスが頭を下げるとクララも頭を下げる

『理由を言って』

キリシアが言う

『お父さんもお母さんも亡くなったので、成人したら出ていく事になっていたから』

ライオスが言う

『私も、ライオスしかもう家族はいないから、兄も結婚して帰ってきて畑も家も無くなったので、いる場所は無いです・・・それに冒険者になる他に有りません』

『ライオス・・・クララ・・・』

キリシアは考え始める

『未成年では冒険者にはなれないから普通は無理だよ・・・弟子でもなれば別かな』

キリシアが呟く

『キリシア、弟子にしてください』

ライオスとクララが言う

『秘密は守れる？』

『どんな秘密でも守ります』

ライオスが涙目になって言う

『私もどんな秘密でも守ります』

クララも言う

『成人しても秘密は守り続けられるかな？』

『はい！』

『２人の夢は？』

『え！一流の冒険者になることです』

２人とも言う

『有名になりたい？』

『え！面倒事は嫌です。有名になりたくない』

『領地や爵位は欲しい』

『面倒だからいらない』

２人とも言う

『キリシアに似ているね』

リリシャが微笑みながら呟く

『クララは何が出来るの？』

『魔法を勉強しています。まだ初歩の魔法を使える程度だけど頑張ります』

クララが魔導書を出して言う

『クララ、魔法を・・・魔導書、あの時の・・・リリシャ、良いかな？』

キリシアが苦笑いしながら言う

『キリシア次第だね。だけど誰が弟子にするかです』

リリシャが微笑みながら言う

『そうですね・・・リシリア、あなたしかいませんね』

フローネが微笑みながら言う

『え！私はまだまだ未熟者です』

『リシリア、弟子に教えるのも勉強です。リリシャを見なさい。あんなに凄い弟子を育てたのですよ』

フローネがリリシャを見て言う

『そうですが・・・自信が有りません』

リシリアがフローネに言う

『既に実力は私を越えています。知識と常識は私が手伝います』

フローネが笑顔で言う

『わかりました・・・頑張ります』

リシリアが考えながら言う

『クララ、ライオス、弟子にします』

キリシアが笑顔で言う

『ありがとうございます』

ライオスとクララは目を潤ませて言う

『キリシア、あの２人はもしかして、あの２人の弟と妹？』

マルスが聞く

『そう・・・だから１人前にしたいの』

キリシアが真剣に言う

『じっくり育てよう』

リリシャが微笑みながら言う

『え？魔物の気配！キリシア戦闘準備！あっち！』

マルスが言うと、キリシアはすぐに槍をもって走り出す

『ルメイル、キリシアの援護して！』

マルスもそう言うと走り出す。キリシアは獲物を探していると、マルスが輝きの石を投げる。光に照らされたボアがキリシアに向かって突撃してくる

『見付けた！！』

キリシアはボアの頭を次々と突きながら最後は飛び跳ねて上から突き刺すと、６匹のボアが倒れている

『他に魔物は？』

『気配無いね』

マルスが言うとキリシアはまだ周囲を警戒している

『え！キリシア左！！』

マルスが叫ぶと、キリシアは咄嗟に飛びながら槍を構える。大きな蛇が噛みつきに来ているのを槍で受け止めている

『ファイヤーアロー！』

マルスの魔法が大蛇の首を貫き、頭が地面に落ちる

『キリシア、大丈夫？』

『油断大敵だね』

キリシアが苦笑いしている

『念のため魔法かけるよ』

マルスが言うとポイズンリカバーをかけていく

『こんなやつ近くにいたら不味いですね』

ルメイルが苦笑いしている

『ルメイル、警戒任せた！』

キリシアが笑いながら言うと、村人を集めて解体してもらうことにする