遺跡と知識
翌日、キリシア達はフローネに見送られて魔獣が大量にいる地域に向かう。
『本当だね。バッタ沢山いるけど不味そう』
キリシアが苦笑いする
『食べても美味しくなさそうだね』
リリシャが苦笑いしながら言うと、みんな頷いている
『面倒だからマルス、任せた』
キリシアがやる気なさそうに言うと、マルスはトルネードを使いバッタを集める
『焼き払って』
マルスが言うとミリアとリリシャがファイヤーストームで焼き払う
『つまらないね』
マルスが言うとみんな笑い出す
『一瞬であの数を・・・』
騎士が苦笑いしている
『この近くに遺跡あるよね』
マルスが聞くと、騎士は地図を見て案内を始める。バッタを殲滅しながら進み
『あ!入口からバッタ出てきているね』
マルスが微笑みながら言うとキリシアが笑い出す
『遺跡の中を探索しましょう』
リリシャが微笑みながら言う
『ヴァンパイア倒してこよ』
キリシアが笑顔で言うと、騎士が青ざめている。入口のバッタを殲滅してから遺跡に入っていく
『バッタしかいないねどうしてこんな事を?』
『バッタが増えると植物を食べますから食料不足になります』
メトリシアが苦笑いして言う
『キリシアのご飯を全部食べちゃう事だね。パンが無くなるかな?』
マルスが言う
『殲滅する!!』
キリシアがやる気を出すと、みんな笑い出す。小部屋にある卵を全部焼き払いながら進むと、部屋に強制的に卵を生ませているヴァンパイアと大きなバッタが5匹いる
『殲滅するよ』
キリシアが言うと、キリシアはヴァンパイアに向かって行く。ヴァンパイアは気が付かないでキリシアの一撃に真っ二つに両断されると
『ば・か・な・人間ごときが・・・・』
ヴァンパイアが呟くとキリシアは次々と突いて穴を空けていくと灰になって崩れていく
『弱い!!』
キリシアが叫ぶと、全員で魔法を放ち始め、次々と大きなバッタを吹き飛ばしていく
『終わりかな?』
マルスが呟くと中を調べ出す
『詰まらない!!魔族出てこい!!』
キリシアが叫ぶとみんな苦笑いしている
『騎士さん、灰と血珠どうします?国王陛下に献上ですか?』
マルスが言うと、騎士は苦笑いして頷き、灰と血珠を拾って袋に積めていく
『床の紋様見たいから、リリシャ、バッタを奥の崩れた通路に集めて燃やすよ』
マルスが言うと、リリシャもレビテーションでバッタを運び出す。ミリアとメトリシアは天井の模様を写し始める。エビリアとクレスタは壁の模様を写し始める
『あの・・・何をしているのですか?』
騎士が苦笑いしている
『遺跡の調査だね、何かヒントが無いか探しているんだよ』
キリシアが微笑みながら言う
『そうですか・・・わかりました』
騎士は苦笑いして外に向かい、外で待っていてもらう
『マルス師匠、ここの文字古代文字ですが!書いてある内容が面白いです』
メトリシアが笑顔で言う
『偉大なる魔導王の天空の城は海底に沈んだ。いつの日か封印が解かれ、再び天空に浮かぶ時、新たな魔導王が生まれた時だ』
メトリシアが笑顔で読む
『天空の城が海底に沈んだんだね。再び天空に浮かぶ事もあると書いてあるんだね』
マルスが微笑みながら言う
『はい!海底を調査したら天空の城、見つかりますね』
メトリシアが笑顔で言う
『いつか探してみるのも面白そうだね』
『はい!マルス師匠!!』
メトリシアは満面の笑顔で答える
『マルス、向こうに扉が有るけど開かない』
キリシアが笑顔で戻ってくる
『みんなで行ってみましょう』
リリシャが笑顔で言うと、みんなで歩いていく
『紋様魔法です。マルス師匠』
ミリアが笑顔で言う
『貴重だから書き写そう』
マルスが言うと、みんなで書き写し始める。マルスは周囲を調べていると、マルスが魔石付近を調べて、文字を直してから魔石に魔力を通して確認している
『マルス、どうにかなるのかな?』
リリシャが言う
『うーん・・・中々難しいね、構造強化と魔力防御がかかっているから吹き飛ばしにくいからね』
マルスが答えると、床と壁を調べていく。魔石に触れて
『起動オープン。解錠』
マルスが言うと、扉から音が鳴り、徐々に開いていく
『凄い!!マルス!』
リリシャが言う
『ここに書いてあったから出来たけど、無かったら無理だよね』
マルスが苦笑いしながら言うと、みんなで中を確認する。円形の部屋の中心に大きな水晶が有る。壁には崩れ落ちた本が沢山有る。所々魔道具の本が有る
『マルス、この本、全部古代語だから調べるのは難しいね』
リリシャが中を確認して言う
『そうだよね・・・だけど凄い本だと思うよ。調べる価値があるね。魔方陣等も書いてあるからね』
マルスが微笑みながら言うとリリシャが頷いている
『この水晶、魔力が有るのかな?』
キリシアが言うと、ミリアが魔力視で確認している。みんな触ってみる
『何のための水晶ですかね』
メトリシアがマルスに言い、マルスが触れると、水晶は光を出し、マルスは意識を失う
『ホホホホホやっと起動されたか!我が生まれ変わりよ』
白髪のお爺さんが笑顔で言う
『ここは?』
『意識の奥底だ・・・夢だと思って良い。人生は楽しいか?』
『え?楽しいけど、どうして?』
『それなら良い・・・今から我が知識の一部を引き渡す。文字が読めなくては不便だろうからの・・・知識、叡知、記憶、創生魔法、時空魔法、転生魔法、天空の城、神秘の8つ有る。それを全て触れれば、我が全ての力が解き放たれる。本当の歴史を自ら調べるのじゃよ。頼んだよ』
『え?何?』
『我が力を狙う愚か者達は全てを奪おうとしたが、隠さねば世界は崩壊する。失敗はしたが悔いはない』
『え?何を?』
『知識の扉は開かれた。受けとるが良い』
マルスの周囲に光が集まり膨大な知識が流れ込んでくると目の前が真っ白になっていく
『マルス!!マルス!!マルス』
みんなが心配そうに見ている
『うっ!!何だったんだろう』
マルスが目を覚まして言う
『大丈夫なの?マルス』
『大丈夫だよ。リリシャ』
マルスが微笑みながら言う
『何が起きたの?』
リリシャが聞くとマルスは考えながら真実を隠すことにする
『わからないけど・・・多分、古代魔道具だね』
マルスが呟くと水晶の光は弱くなっている
『危険かな?』
リリシャが不安そうに言う
『危険かもしれないから、この部屋は封印して出るよ』
マルスが笑顔で言う
『マルスが言うならそうした方が良いね』
キリシアが言うと、みんな同意する。マルスは調べながら紋様魔法を再生させ、部屋を出ると、扉を閉じてから封印の紋章魔法と紋様魔法を再生させていく
『マルス、何をしているの?』
『封印するための紋様魔法を再現しているよ』
マルスが笑顔で言う
『え!再生させている!!』
『紋様魔法の崩れた部分を再生しているだけだから簡単だよ』
マルスが言うと、紋様が光始め、透明な壁が出来上がる
『凄い!』
リリシャが言うと、マルスはモデリングを使い壁を作成する
『じゃあ帰ろうか?』
マルスが微笑みながら言うと遺跡を出ていく
『マルス、あの水晶は重要な物なの?』
『あの水晶は・・・護りの水晶でこの世界を護っている核の1つだよ』
マルスが微笑みながら言う
『護りの水晶?』
『あの水晶が無くなると世界が大変になると思うけど』
マルスが苦笑いすると、古代書を開いてミリアに読んでもらう
『間違い有りません!こんな重要な物が簡単に触れられたら大変です』
『だから秘密にしようね。多分、悪用されたら大変だから』
マルスが言うと、みんな笑顔で頷く
遺跡を出ると、騎士達と一緒にエリゼトスの町に戻ることにする