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19話 初めてのギルド依頼後編

『村長、どうかしました?』

『ちょっとな』

『明日も奥の群生地の方に行くと言っていた』

『あの群生地付近になぜ?』

『ボアの出そうな地形を探しているみたいだ』

『あの群生地荒らされるわけにはいかんでしょ』

『しかしどうにもならんだろう』

『わかった・・・』


森に入ると後ろから村人が一人付いてくる

『リリシャ、マルス、走れる?』

リリシャとマルスが頷くのを確認して走り出す。村人はそれを見て追いかけるが追い付けない

目的地に着いたらボアの足跡を探し回りながら薬草を採取し始める。なるべく広い範囲を捜索するが、ボアの足跡は見つからない。村人がこっちを伺っていたので、村人の方に行く

『こんにちは、この辺りによく来るのですか?』

『頻繁にはこないが・・・』

『ボアに遭遇したことはありますか?』

『いやこの辺りでは・・・』

『そうですか、暴れているはずなのに遭遇したことのある人が少ないのかな?』

『う・・・』

『取り敢えず村に帰ってもう一度遭遇した人を探そうか?』

『それしかないよね』

『遭遇した人知らないですか?』

『え・・・誰だったかな』

『村長に聞きましょ』

『薬草採取まだしていかれますか?』

『あっ!はい』

『私達は一度村に帰りますので気を付けてくださいね』

村人を置き去りにし、走って村に向かう途中、村人達が薬草採取しているのを確認しながら走る


『村長、ただいま。保管所に薬草を預けたいのですが』

『わっ・わかった』

保管所に薬草を預け村長に預り証を確認してサインを貰う

『ところで村長、ビックボアが暴れているのは本当ですよね?』

『え!ほ本当です』

『ビックボアに遭遇した村人達に確認したいのですが』

『え!・・・・』

村長は言葉を詰まらせながら、目を背ける

『何かまずいことでもあるのですか?』

『わっわかりました。帰ってきたら知らせます』

村長は足早に去っていく


『やっぱりいないのかな?』

『念のため、直ぐに帰れるようにしておきましょう』

キリシアがそう言ってリリシャも頷く

『取り敢えず訓練しておく?』

『時間空いたら訓練しよ』

キリシアがニッコリして頷く

村に残っている村人に話を聞き回りながら時間を潰し、空いた時間に魔力集中と闘気を練りながら、夕方になるのを待って、帰ってくる村人達にビックボアの情報を確認するが、見たことのある人はいなかった


『まさか全員に確認するとは・・・』

『もうビックボアはいないと言うしか・・・』

『しかしそうするとギルドが・・・』

『町まで帰れないようにするしか・・・明日の朝にはあいつらも帰ってくるから大丈夫だ』

『仕方ないな・・・』


『ビックボアが出ると言うのは・・・実は・・・嘘で・・すいません』

『依頼書に事実を書いてサインをください』

『わかりました』

村長は事実を書きサインをする

『明日の朝預けた薬草を積んだら帰ります』


翌朝保管庫から預けた薬草を取り出し馬車に積んで村長に挨拶して帰途につく


『嘘の依頼だったとはね』

『ギルドに報告したら村は次に依頼出しにくくなるのかな?』

『ギルドも依頼内容の確認が必要になると思うしね』

森の出口辺りで道が塞がれていて、そこに男達がいる。2人は村人で、それ以外に五人いた

『道が塞がっているようですがどうかしました?』

『このまま帰すわけにいかないので死んでもらいます』

馬車を囲みはじめている

『盗賊まがいの事をして良いのですか?』

『かかれ!!!』

キリシアが飛びかかってきた男を蹴り飛ばす

『へ!なぜ?小娘共が・・・・』

大柄の男が怯えた声で後ずさる

『化物小娘・・・・!』

他の男達も怯え始める

『またお前かー』

キリシアがそう言う

『何をやっている?早く捕まえろ』

男達は襲いかかるがキリシアは一発で気絶させる。リリシャはかわし、自分は隙を見て村人目掛けて2人を投げ飛ばす。

『ひっ!』

大柄の男はキリシアに殴られ股間を蹴りあげられ悶絶する。村人は剣を抜きマルスに襲いかかるが、かわされ、勢いよく蹴り飛ばされると『バキッ』骨の折れる音がする。もう一人は狼狽しており、リリシャがファイヤーボールを後ろの道を塞いでいる木目掛けて炸裂させると前に倒れ込み怯える

『どうして襲ったの』

『ひっ、すいません・・・』

『ちゃんと説明しなさい』

『ギルドに報告されるとまずいから・・・』

武器を取り上げロープで縛り上げ荷台に乗せる

『こいつらどうするの?』

『門番につきだす』

男達がうなだれている


門が近付き門番がこっちを見て

『無事に帰ってきたな』

笑顔で言う

『無事は無事だけど襲われた』

門番は顔色がかわる

『襲ってきた奴等、荷台にいるので引き取ってもらえる?』

門番は荷台を見て他の警備隊員を呼び出す

『事情を聞かせてくれ』

『村に依頼で行ったけど、依頼内容が嘘で帰り道に道を塞いで襲ってきたので撃退した』

キリシアが言うと依頼書を見せる

『冒険者ギルドに確認するまで待機してもらうが、良いか?』

門番は男達を睨み

『本当か?』

『頼まれて襲いました。相手が化物小娘共だと知らなかった・・・』

大柄の男はそう言ってキリシアを見てキリシアと目が合い

『ひっ!』

『こんな若い冒険者に7人で襲って、撃退されたなんて信じられない』

門番は警備隊員たちと顔を見合わせる。一人の警備隊員が冒険者ギルドに確認に向かう


『マスターはいるか?』

『出掛けていますが何かありましたか?』

『少女2人と少年の冒険者が戻って来たのだが、街道で襲われたが、逆に撃退して賊を捉えてきたのだが、しかし、男を7人も捕らえていたのでおかしいと思い、ギルドで確認したかったのだが、誰か解る者はいないか?襲った方は怯えながら襲った事を認めているが・・・』

それを聞いた職員と冒険者が一斉にカウンターのヘザーネを見る。ヘザーネは別の冒険者の対応していて気づかない

『ん?どうした?』

警備隊員は皆の様子を見て困惑する。一人の冒険者が

『村からの帰りだろ!』

『そう言っていたが』

『襲った奴がバカだな!このギルドであの3人に勝てる奴はいない』

冒険者が一斉に頷く

『そんなに強いのか?』

『ゼタルさんとまともにやりあえる人が警備隊にいるか?』

『はぁ?いないな』

ゼタルが出てきて

『俺の名が聞こえたがどうした?』

警備隊員がゼタルにもう一度言うと

『ヘザーネ、面白そうだから見に行くぞ』

ゼタルが笑いながら出ていく


ゼタルとヘザーネを乗せて警備隊員が戻ってきた

警備隊長が2人に聞いた状況を伝えるとヘザーネが『そんなことが・・・』と呟く

『襲った相手が悪い』

ゼタルは笑う

『7対3ですよ!若い3人ですよ!』

ゼタルの言葉に警備隊長は納得いかない

『ギルドカード確認してないのか?見ればわかるだろう』

警備隊長がギルドカードの確認の為、提出を求める

『銅のギルドカードだと!このマークは!!』

呆然としながらゼタルを見る。状況に警備隊員も言葉を失う

『数日前に12層階層主を3人で倒して帰ってきたばかりだ!それも中魔石200個以上集めてな!!その3人相手に7人じゃ少なすぎるだろ!』

警備隊長は3人を見てゼタルに

『信じられないがギルドカードが発行されている以上、信じるしかない』

男達は連行されていく。そして、通行を許可される

『キリシアさん、リリシャさん、マルス君、依頼の嘘に気付けずに申し訳ありません』

ヘザーネはそう言って頭を下げる

『薬草採取楽しかったからいいよ。ヘザーネ』

キリシアは笑顔でヘザーネに答える

2人も馬車に乗って移動する

『ちょっと寄り道しても良いかな?』

『良いですよ』


フローネの家に着き

『フローネ先生いますか?』

『お帰りなさい』

『薬草必要な分見てほしいです』

リリシャはそう言って馬車まで案内する

『フローネ殿久しぶりです』

ゼタルがそう言って頭を下げる

『ゼタル珍しい』

ヘザーネも慌てて頭を下げる

フローネに見てもらって必要な薬草を家に運び込む

フローネに見送られながらギルドに向かう

『まさかフローネと仲良くなっているとは・・・』

ゼタルはそう言ってこっちを見る

『フローネ先生に付与魔法を教えてもらっています』

リリシャが微笑みながら言うと

『ギレリムかぁー』

頭に手をやってため息を吐く

ギルドで薬草を預けて帰る


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