領主と騎士団の都合
領主はリーベル達が書庫に行った後、落ち着きを取り戻してギルドマスターと相談をしている
『やはり重臣を早く処刑してから謝り続けるしか無い』
領主が決心する
『最悪のタイミングでキリシア様達が来訪していましたね。リベリアの英雄を牢屋に連行など、国王陛下に伝わったら終わりです。更にメトリシア様まで連行するなど・・・』
『箝口令出したが本当に知られたら終わりだな・・・』
『早く余罪を調べて終わらせるしか無いと思いますが・・・』
『今回は邪魔は許されない』
領主が頭を抱える
『大変です!王国騎士団が面会を求めています』
兵士が報告する
『は?早い!!何故だ!!』
領主がが青ざめている
『会うしか有りません』
ギルドマスターが言うと騎士達を案内する
『何かご用でしょうか?』
『来たついでの挨拶だが何か有ったのか?』
騎士が言う
『いえ、特には有りませんが・・・』
『騎士団団長からリベリアの英雄殿が滞在しているから粗相の無いようにとの事です!又、リベリアの英雄殿達は国王陛下からの召喚後の帰り道の為、もし粗相があった場合、国王陛下に対する反逆と取られますので注意してください、更にリーベル様はこの度、国王陛下ならびに王太子様から召喚されていますので、粗相の無いようにしてください!魔法学院学院長もしくは国王陛下招待講師もしくは宮廷魔術師長になる予定です』
騎士が伝えるとその場にいた重臣と兵士が青ざめている
『アーメルドのギルドマスターですが本当でしょうか?キリシア殿達が召喚の帰りと言うのは』
『本当です!リザード討伐の御礼の為に来訪を依頼し、やっと来てくれましたが、愚か者は何処にでもいますので気を付けてください。ここだけの話ですが今回は宮廷魔術師長と魔法学院事務長が更迭されましたので、騎士団団長が注意する為に私達を派遣しました』
騎士が言うと、領主は青ざめている。キリシア達が戻ってくる
『この魔導書、借りて帰るね』
キリシアが笑顔で言うと騎士が驚いている
『メトリシア様!何故こちらに!!』
騎士が苦笑いしている
『騎士の方々は何用で?』
メトリシアが微笑みながら言う
『団長よりの通達で来ました。貴族が馬鹿な事をして英雄殿を怒らせ、町が消し飛ばされない様にとのことです』
騎士が笑いながら言う
『そうですか?一歩遅かったですね。ここだけの話ですが、牢屋は初めて入りました』
メトリシアが微笑みながら言う
『は?ままままさか!!』
『あ!まだ言ったらいけなかったですね。魔導書を読み終えるまでに処理してくれたら何も言わない約束でしたので、内緒ですよ』
メトリシアがニッコリする
『アハハハ・・・聞かなかった事にしますが監視はします』
騎士が苦笑いする
(正確に処理されるまで絶対に許すつもりはないな、ここにいる者が青ざめているのはこう言う事か・・・最悪のタイミングなのか)
『それよりも良い魔導書を見つけて師匠が喜んでいますので、騎士団長には内緒にしてくださいね。完成したらお祖父様が大喜びしますから』
メトリシアが笑顔で言う
『あ!宿屋に帰ってみんなで御飯にいくから帰るね』
キリシアが笑顔で言うとみんな帰っていく
『まさか・・・どういう事ですか?』
騎士が苦笑いしながら言う
『じじ実は重臣がリーベル様に従軍を依頼して断られたので牢屋に・・・・申し訳ありません!』
領主が正直に説明する
『それで・・・一緒にいた英雄殿を・・・あの雰囲気ならまだ何とかなるか!すぐに重臣の取り調べを!!笑い話で済ませてくれる内に調べ尽くしてください。私達も手伝います』
騎士が考えて言う
『え?宜しいのですか?』
『本当に怒っていたら城1つ落としますので、まだ間に合います』
『え?まだ大丈夫なのですか?』
『まだギリギリ大丈夫です!私は何回か英雄殿が怒った所を見ましたが、まだ大丈夫です!!』
騎士が言うと、周りの騎士が苦笑いしている
『全力で調べます!』
領主が言うと重臣達が慌てて出ていく
『本当に怒っていたらどうなりますか?』
『副団長と団長を小間使いにして、相手は地獄に叩き落とします』
『は?・・・・』
『だからまだ大丈夫です。なるべく穏便に済ませましょう』
騎士が苦笑いしている
キリシア達は宿屋に戻る
『お兄ちゃん、お帰りなさい』
レティナが抱き付くと、マルスは頭を撫でている
『マルス師匠その魔導書は?』
『じっくり読みたいから借りてきたよ』
マルスは笑顔で言うと、みんなで食事をして宿屋でゆっくりする。レティナとイリアが寝た後、マルスは魔導書を全部読み終えると、ドローイングを使い魔方陣を確認してから書き写していく
翌朝、リーベルの家に集まると、リーベルは道具屋に追加のポーションの材料を頼みに出かける。マルスは薪を魔力制御しながら無理矢理モデリングを使い、丸い玉にしてから形を変えると、2つの魔石を埋め込む。魔力の通りを確認すると魔方陣を発動して魔石に魔方陣を書き込む。魔力を通して魔導具化する
『完成した!』
マルスが言うと後ろで見ていたレティナとイリアが覗き込む
『庭に出て使ってみようか?』
マルスがレティナに言うと庭に出て、空に向かって魔石を触り【微風】と言うと風が発生する
『レティナ、どうかな?』
レティナが風を触る
『気持ちいい風だね、お兄ちゃん』
『次は【強風】』
マルスが言うと風は強くなる
『レティナ、どうかな?』
『凄い強い風!』
レティナが笑いながら風に触れていると風を止めてから家に入る
『完成したよ』
マルスが言うとフローネに渡す
『は?もう完成したのですか!』
『家の中だから微風だけにして下さい』
マルスが言うと、フローネが使って苦笑いしている
『リーベル、解りましたか?これです。目を離す訳にいかない理由は』
フローネが言うとリーベルも苦笑いしている
『そう言えば、さっき見ていたら付与魔法の準備中の剣が有りましたけど使わないのですか?』
『え!あれは構造強化するつもりですけど』
リーベルが言うとマルスが剣を確認し始める
『ちょっと準備しちゃいますね』
マルスが言うと魔力制御をして剣に魔力が通るように準備を始める
『え?・・・まさかやるつもりですか?』
『もう遅いですね』
フローネが苦笑いする