事務長と宮廷魔術師長の処分
王宮に戻った騎士団長は早急に国王陛下に謁見して、事件の顛末を伝えに行く
『騎士団長か、急に飛び出て行ったが何か有ったのか?』
国王が聞く
『危うく魔法学院が吹き飛ばされる所でした』
騎士団長が苦笑いしながら言う
『は?魔法学院が吹き飛ばされる?何故だ!』
『エレーヌの授業料と寮費の支払いとマルス殿達の入学願書を提出にリリシャ殿達が行ったのですが、魔法学院事務長がリリシャ殿が大金を持っているのを見て、盗賊だと言って捕えようとして、メトリシア様が止めようとした所、メトリシア様まで盗賊の仲間と言って捕えようとしていました。又、リリシャ殿のギルドカードを確認後の仕打ちの為、確信犯で有り、又、メトリシア様も護衛ケニスが捕えようとした者を殴り飛ばし、第4王女と明かした後の行為の為、完全な反逆罪です!!』
騎士団長が言うと国王は苛立ち怒り始めている
『その事務長はどうした!!』
『副団長が取り調べ中ですが、すぐに連れてこれます』
『すぐに呼べ!!』
国王が怒鳴ると、護衛騎士が急いで呼びに行く
『国王陛下、騎士ロイドが面白い物を作らせました。言い逃れは不可能です』
騎士団長が苦笑いしながら渡すと、国王は読んで笑い出す
『事務長は愚か者だな・・・こんな者がいたらどうにもならないな・・・学院長も印を・・・宮廷魔術師長の代理として・・・大掃除だな・・・丁度良い。魔法学院の建て直しになるな!』
国王が笑い出すと王太子夫妻とヘイルと大臣達を呼びつける。
『急用とは何ですか?』
揃い、王太子が聞くと、騎士団長が説明をする。国王が苦笑いしながら命令書を全員で読むと全員苦笑いしている
『笑うしか有りません・・・事務長の反逆罪は成立していますが、魔法学院院長も荷担として処分対象ですし、宮廷魔術師長も処分で良いと思います』
王太子が苦笑いしながら言うと、大臣達は全員頷いて苦笑いしている
『事務長を呼べ』
王太子が言うと副団長が連行してくる
『申し開きする事は有るか?』
大臣が聞く
『本当に盗賊と思った!メトリシア様があんな所にいる筈は無い!!だから罪じゃ無い!!』
『愚か者!!貴様はリリシャ殿のギルドカードを確認後の狼藉だろ!!違うのか!!』
『金色のギルドカード等偽物だ!!』
『貴様!!あのギルドカードには英雄紋と大魔導師の証が有る時点で国王陛下の顔に泥を塗った事が解らないのか!!更にメトリシア様は願書提出に出向いたのを捕えようとしたのだ!!』
騎士団長が怒鳴る
『ひぃー!・・・こんな筈は!宮廷魔術師長様を呼んでくださいお願いします』
『魔法学院院長貴様も同罪だ!解っているな!』
『申し訳ありません。確認をせず印を押した責任はあります。申し訳ありません』
学院長は涙目で言うと頭を下げる
『これはどういうことですか?』
宮廷魔術師長がやって来て、事務長を見ると驚きながら言う
『こやつがメトリシア様を盗賊として拘束処分しようとした申し開きは有るか?』
『宮廷魔術師長様、お願いです助けてください』
事務長が叫ぶと宮廷魔術師長が考えて
『この者の罪は問えませんね。問うと言うなら私が擁護します。解き放ってください』
『こやつは宮廷魔術師長の代理で命令を騎士にしたがそれは本当と言うことか?』
騎士団長が聞くと、更に詳しく説明すると笑みを浮かべている
『まずリリシャと言う者は貴族でなければ無礼になりません。大金を持っていたので捕えたと言うことなら調べた後で釈放すれば良いだけです!更にメトリシア様が本物か確認をしていない状態です。メトリシア様の記憶違いと言うこともありますので釈放を要求します。もし裁くなら、私が最後まで擁護します。又、私の代理で捕えようとしたとして貰って構いません』
宮廷魔術師長が笑みを浮かべて言う
『宮廷魔術師長職を解く!反逆罪で牢屋にぶちこめ!』
『は?何故ですか?!!』
『まずこやつはリリシャ殿のギルドカードを確認後、拘束しようとしている。又、大金を持っているのは授業料と寮費を一括支払いの為だ!次に願書を持ってメトリシア様が来訪している為、メトリシア様がいてもおかしくない!そこにメトリシア様のマルス師匠も同席している!!フローネ師も同席していたがな、それに騎士にこんな命令書を書いて渡している』
命令書を見せて言う
『は?・・・・・なんだと!聞いてないぞ!汚いぞ!!』
『更にゴールドクラスでお前も解る筈だ!』
『あ!リベリアの英雄!!』
『国王陛下がリザード討伐の御礼のために召喚した者達を害するとは即ち国王陛下に対する反逆罪!更にリリシャ殿は救国の英雄!それでもまだ無礼にならないのか!!』
騎士団長が言う
『この者が悪い!!騎士団長も人が悪い。正確な情報を教えるようにしてください!私はこやつ等知りません!』
宮廷魔術師長は必死な顔付きになる
『今更だな・・・もう国王陛下から沙汰が出た後で知らぬと言っても遅い』
『宮廷魔術師長、他に罪状が無いか正直に言え』
王太子が睨みながら言う
『え?無いです・・・』
宮廷魔術師長が青ざめている
『全員、宮廷魔術師長解任に異義は無いか?』
『有りません!』
大臣が全員支持する
『騎士団長はすぐに宮廷魔術師長の部屋と屋敷を取り調べよ!』
国王が命令をすると、騎士団長はすぐに向かう。宮廷魔術師長は泣き崩れる
数日後、宮廷魔術師長と事務長の不正の数々の証拠が見つかり、荷担した者達を処分していく。そして魔法学院は学院長不在で運営をすることになる