リザード討伐の褒美
一度部屋に戻り会談は続く。
『本当に素晴らしいものを見学出来た。宮廷魔術師の実力の無さも確認できた』
国王が微笑みながら言う
『あの団長があそこまで悔しがるのは初めて見たが、危機感を持って訓練をしている理由も解った』
王太子が言うと国王も頷いている
『フローネ師、魔法学院の院長になって貰えないだろうか?』
王太子が微笑みながら言う
『え?お断りいたします。この子達から離れたら何を作り始めるか解りません。それに既に隠居しています』
フローネが苦笑いして言う
『残念だ・・・誰か基礎が解っている者に心当たりは無いか?』
『中々いませんね・・・長い間基礎が無くなっていたので・・兄弟弟子も既に亡くなったものが多いですから』
フローネが考えている
『そうか・・・非常に残念だ』
王太子が残念そうにする
『リーベル様は?』
リリシャがフローネに聞く
『確かにリーベルなら魔力制御の大事さは解っていますが、あなた達のせいで自信を喪失していますよ。だけど努力家ですから頑張っていると思いますが、付与魔法しか出来ないですから難しいですね』
『リーベル様?誰なのですか?』
王太子が興味深く聞くと
『フローネ先生の弟子の方でしたよね。確かアーメルドに住んでいらしたと思います』
メトリシアが言う
『フローネ師の弟子の方でしたか!他に弟子はいないのですか?』
『え?私の弟子は2人は他国にいますが、国内にはここにいるリシリアとリーベルとミドルだけです。』
フローネが微笑みながら言う
『リシリアさんは魔法学院院長になりませんか?もしくは宮廷魔術師長でも良いのですが』
王太子が真剣に言う
『え!えーーー!むむ無理です。まだまだ半人前ですので!』
リシリアが慌て出す
『無理ですか・・・半人前とは・・・』
『私を越える実力が有っても半人前と言うのですから』
フローネが微笑みながら言う
『え?師匠、私はまだまだリリシャ師匠とマルス師匠に教えて貰うことが沢山有ります。知識もまだまだ半人前です!!』
涙目になって言う
『もう少し自信を持ちなさい。既にこの国で10人に入る実力者なのですから』
フローネが微笑みながら言う
『10人に入る実力で半人前とは・・・』
王太子が呟くと国王が笑い出す
『その10人の内何人がここにいるのだ?』
国王が笑いながら言う
『マルスとリリシャとミリアとアニーとエビリアとクレスタとリシリアの7人?あ!エミールが屋敷にいるから8人?メトリシア入れたら9人だね』
キリシアが笑い出す
『私はまだまだです。キリシア師匠』
メトリシアが微笑みながら言う
『やっぱりそう言うことですか・・・』
王太子が苦笑いする
『全てはマルスの責任です。全員を鍛えすぎています』
フローネが微笑みながら言う
『こうなると誰かに魔法学院の魔法指南役をして貰わないとアリシアだけでは難しいですね』
王太子が苦笑いする
『やっぱりリーベル様しかいないね。来年までマルスが鍛えれば良いだけだよね』
キリシアが言う
『マルスなら本当にやりかねないですね。本当にメトリシアぐらいにしてしまいます』
フローネが微笑みながら言う
『リーベル様を召還するようにいたします』
王太子が微笑みながら言う
『あ!決定みたいだね、リーベル様の驚く顔が思い浮かぶね』
キリシアが笑いながら言う
『そうですね。恐らく頭を抱えて青ざめるでしょうね』
フローネが微笑みながら言う
『アーメルドに寄り道するつもりだから丁度良いよね』
マルスが言うと
『この後、アーメルドに向かわれるのですか?』
王太子が驚く
『温泉で休んでから、アーメルドに寄る予定です。リザード討伐から休んで無かったので』
メトリシアが笑顔で言う
『メトリシアずるい!あなたばかり楽しそうで!!』
アリシアが言うとヘイルも同意している
『今が1番幸せです』
メトリシアが笑顔で言う
『メト、元気になって良かった』
国王が呟くと王太子妃が涙を浮かべている
『メトリシア、リーベル様に魔法学院の院長に就任依頼を伝える様に、もし断るようなら講師でも良い!必ず魔法学院に召還するように』
王太子が言うと国王が笑顔で頷いている
『はい!お父様』
メトリシアが笑顔で言う
『あの馬車の件ですが、譲って貰えないか?』
王太子が微笑みながら言う
『ミドルに任せます』
マルスが笑顔で言うと全員笑い出す
『メトリシアの言う通りか・・・・』
『だからミドルに言うように言ったのに』
メトリシアが呟く
『確かに一言とは・・・』
王太子が苦笑いする
『アリシアから聞いたのだが、ライトと風呂とパン用の窯と肉用の窯だったかな?全部ほしいそうだが、これもミドルに言えば良いのか?』
『そうですが、材料が足りないので、少し時間がかかるかな?風呂とライトは建築のプロと設置のやり方を相談しないと作れないですが』
『あなた、風呂だけは先に欲しいですわ、毎日入れる様になりますから』
王太子妃が言うとアリシアが羨ましそうに見ている
『ん?アリシアどうしたのか?』
『え!風呂は私も欲しいですわ!』
アリシアが笑顔で言う
『今ある風呂ではダメなのか?』
『え?簡単に沸かせるのが欲しい。有った方が良いです』
アリシアが真剣に言う
『ウム・・・派遣して確認をさせるしか無いな』
王太子が呟く
『リザード討伐の褒美の件だが、マルス殿、リリシャ殿、キリシア殿に特別名誉伯爵位を与える。これはそれぞれの伯爵位の紋章だが、又特別名誉職なので俸給は無いが王都に来る必要も無い!自由にして貰って良い!他国に出掛けても良い』
国王が笑顔で言う
『え?面倒になりそうだからいらない』
キリシアがハッキリ言う
『やはり説明しても断るか・・・王家の面目の為に受け取って欲しい』
王太子が苦笑いしながら言う
『キリシア師匠、面倒な貴族から威張られないから役に立ちますよ。下手に喧嘩売られたら王家が後ろ盾になりますのであの男爵の時みたいに見下してこれないです』
メトリシアが言う
『ん?旅をしても良いの?』
キリシアが聞く
『勿論国内の全ての場所を訪問して構わない!更に国外も好きに旅をして貰って構わない!冒険者を続けて構わない!』
国王が笑いながら言う
『面倒事にならなければ良いか!』
キリシアが笑顔になる
『更にミリア殿、アニー殿、エビリア殿、クレスタ殿、リシリア殿、メトリシアに王国名誉魔法使いの称号を与える。ルメイル殿に王国名誉剣士の称号を与える。しかし、全て公表はしないが紋章を与える』
国王が笑顔で言う
『え!えーーーーーー!!!』
ミリアとエビリアとクレスタとリシリアが大声を上げて目を見開き固まっている
『大丈夫?』
『しししっ師匠!どうしたら良いのですか?』
『リリシャ師匠、私等に!!無理です!!!!』
『マルス師匠・・・・・どうしよう!断った方が良いですか!!』
リシリアとエビリアとクレスタとミリアが涙を浮かべながらパニックになっている。それを見た国王が笑い出すと王太子夫妻も笑い出す
『次だが王家が所持している魔導書や魔道具に関係する書物は全て読むことを許可する。研究に役立てて欲しい』
国王が笑顔でいう
『ありがとうございます』
マルスとリリシャが嬉しそうに言う
『最後だが王都に来る途中の襲撃の件だが内密にして欲しい』
『ん?あ!わかりました、国家機密と言う事で!!面倒事に巻き込まないでください』
キリシアが笑顔で言うとみんな頷いている
『面倒事に巻き込まれなければどうでも良いのか?』
『はい!楽しい生活が脅かされなければ!!』
キリシアがハッキリ言う
『メトの言う通りか・・・』
国王は呟くと王太子が笑っている