魔法披露と騎士団団長
食事も終わり魔法練習場に移動する。魔法練習場は4つ的が並んでいるだけの広い空間になっている
『この構造だと建物が崩れちゃうかな?』
マルスが苦笑いしながら呟く
『そうですね・・・壁なんて弱そうですね』
リリシャも呟く
『お祖父様この空間だと建物が吹き飛ばされてしまいますので、師匠や先輩達の魔法は不可能です』
メトリシアが国王に言う
『え?そうなのか?』
国王が少し驚く
『城壁ぐらいなら吹き飛ばせますから、こんな空間だと壁も天井も崩れ落ちます』
『どんな場所が良いのか?』
『面倒ですので・・・外で魔法で大穴が空いてもよい場所が良いと思います』
『そうか・・・外の軍訓練場で良いか?』
国王が言うと、メトリシアが笑顔で頷く。城の裏手の訓練場に向かうと建物の2階から見下ろしている
『ここで大丈夫か?』
国王がメトリシアに聞くとメトリシアは頷いている
『メトリシア、どのぐらいの威力で良いかな?』
マルスが微笑みながら聞く
『本気のファイヤーボールで良いと思います。それ以上の威力だと、周りの建物が吹き飛びそうだから・・・』
(この広いのに建物が吹き飛ぶ?あり得ないだろう・・・)
メトリシアの言葉に国王と王太子夫妻が苦笑いしている
『メトリシア、わかったわ!私からで良いかな?』
リリシャが微笑みながら言うと杖に魔力を集中する
『ファイヤーボール!』
リリシャが放った炎の玉は広場の中心付近で高熱の灼熱を帯びて大爆発すると熱風が伝わってくる
『・・・・』
国王と王太子夫妻とヘイルは呆然と見つめていると爆風が消えていくと地面には人の丈2人ぐらいの丸い穴が空いている
『お祖父様これです!私がリベリアで見たのは!!』
アリシアが国王に言うと国王は我に返り苦笑いしている
『アハハハ・・・・・』
『お祖父様?大丈夫ですか?』
爆音に近衛兵が出てきて騒ぎ出している
『国王陛下大丈夫ですか!!何が!!』
近衛兵が国王に気が付きやって来る
『ちょっと魔法の実力を確認していただけだ・・・騒がずにいるように指示をするように』
国王が引き攣りながら言う
『え?ちょっと魔法の実力を?・・・申し訳ありません』
近衛兵が走って行くと騒いでいる兵士達に指示を出している
『余りに凄い魔法だ!これが本当の魔法なのだな!!』
国王が笑顔で言うと王太子夫妻も苦笑いしている
『はい、お祖父様まだまだ序の口です。もっと威力有る魔法を使われたら爆風で建物が崩れてしまいます』
メトリシアが笑顔で言う
『え!まだ上が有るのか!!』
国王が少し青ざめる
『ファイヤーキャノンなら倍ぐらいの威力があります。お祖父様』
『宮廷魔術師いるのか?・・・・誰も真似は出来ないだろう・・・』
『国王陛下!何が有ったのですか!!』
騎士団長が数人の騎士を連れてやって来る
『騎士団長か』
国王が苦笑いしている
『え!!キリシア殿、リリシャ殿、マルス殿!!!!』
騎士団長はキリシア達を見て苦笑いしていると、大穴を見て理解して笑い出す
『騎士団長、久しぶり』
キリシアが笑顔で言う
『キリシア殿、これは魔法を撃ったのか?流石だな!!』
騎士団長が笑う
『騎士達が言うことが少し信用出来たぞ・・・この目で確認した』
王太子夫妻が微笑みながら言う
『本気だったら見渡す限り焼き尽くすからまだまだですな』
騎士団長が笑いながら言う
『そう言うことか・・・見てみたいがここでは無理と解った』
国王が苦笑いしながら言う
『次は氷漬けにする?』
マルスが微笑みながら言う
『氷なら建物が吹き飛ばないな!』
騎士団長が笑いながら言うと国王を見ている
『ウム!それが良いな』
国王が言うと騎士団長が周囲から待避するように指示を出す
『ブリザード!』
マルスが魔法を放つと周囲を氷漬けにしていく
『この程度で良いかな?』
マルスが呟くと騎士達は呆然としている
『氷漬けか・・・こんな広範囲やれるものか?』
国王がアリシアに聞く
『え?不可能です!20人ぐらい必要です』
アリシアがあわてて答える
『大賢者殿、素晴らしい魔法を見せて貰いました』
国王が言う
『やっぱり宮廷魔術師いらないですね。実力が違いすぎます』
王太子が言う
『そうだな・・・これ以上の魔法を見せて貰わないとな』
国王が苦笑いしながら言う
『不可能です!!お祖父様!威力よりも気が付いて無いのですか!!詠唱を無しで軽く撃っているのを!!!お祖父様!!』
アリシアが慌てて言う
『は?・・・あ!確かに早すぎる』
国王が気が付いて苦笑いしている
『これが無詠唱か・・・言われなければ気が付かなかった』
王太子が言うと王太子妃が苦笑いしている
『それだけでは無いです!!マルス師匠は杖を持っていませんからね!』
メトリシアが笑顔で言う
『は!!アハハハ』
全員驚いて苦笑いしている
(杖すらいらないのか・・・常識が無さすぎる)
『嘘だと言っていた馬鹿どもにこれを見せるのが楽しみだ!』
騎士団長が上機嫌で笑い出す
『団長?調子乗りすぎ!叩き潰す?』
キリシアが微笑みながら言う
『え!・・・・やらん!』
『騎士団長、逃げるんだね』
『え!!勝てないからやりたく無い!』
騎士団長が苦笑いしながら言うと国王が苦笑いしている
『仕方無いか・・・副団長に今度会ったら訓練つけてあげると伝えておいてね』
キリシアが微笑みながら言う
『解った!伝えておく!』
団長はホッとしながら言う
『だから、今からケニス対団長の一騎討ちね』
キリシアが笑いながら言う
『はぁ?・・・・忙しいからやらないぞ!』
団長が苦笑いすると帰ろうとする
『お祖父様見たいですよね。ケニスの実力も上がりましたから』
メトリシアが笑いながら言う
『ウム・・・団長手合わせしてあげなさい』
国王が言うと団長が苦笑いしている
『え?ご勘弁を!キリシア殿が言ってくる時点で相当強いのは解ります』
団長が慌て出す
『王国騎士団団長様は負けるのが嫌で敵前逃亡するんだね』
キリシアが微笑みながら言うと国王と王太子夫妻が見ている
『わかりました・・・』
団長は苦笑いしていると騎士団の訓練場に移動すると、団長とケニスが訓練用の剣を持って準備運動をする。
『団長、ケニス双方準備は出来たな!はじめ!!』
国王が言うと団長とケニスは闘気を纏う
ケニスが剣を振ると団長は受け止め反撃をするが、ケニスは軽くかわして反撃をする。そして徐々にスピードを上げて高速の剣を2人ともさばきながら互角に戦い続ける。そして団長の剣戟をかわしたケニスの一撃が団長を捕えて一撃を与える
『それまで!』
国王が苦笑いして言う
『ケニス!やった!!』
メトリシアが喜んでケニスに抱きつくとそれを見ている騎士達が唖然としている
『まさかケニスまでこんなに強くなっているとは・・・』
王太子が呟くと王太子妃が苦笑いしている
『あー負けちゃったね団長』
キリシアが笑いながら言う
『・・・・くそ!』
団長が悔しがりながらケニスを見る
『団長良かったですね。メトリシアの護衛が強くて安心出来ましたね』
マルスが言う
『ワハハハ!護衛が団長以上なら安心だな!!』
国王が笑い出す
『強いとは知っていましたが、まさか団長に勝ってしまうとは』
ヘイルも笑い出すとみんな笑い出す
『だから一騎討ちはしたくないんだ!英雄殿達は強すぎる!!どこまで鍛えてるんだ!!』
団長が言う
『ん?魔族と一騎討ちで勝てるぐらいまでかな?』
キリシアが微笑む
『頼むから、これ以上警備隊を鍛えるなよ!騎士団が勝てなくなる!!頼むから鍛えるなよ!!!』
騎士団長が言うとロイドが苦笑いしている
『警備隊?リベリアの警備隊か?』
国王が聞く
『そうですお祖父様、副団長と私の護衛の精鋭騎士が軽く負けてしまいました。それも隊員にです!!』
ヘイルが苦笑いしながら伝える
『そうか・・・護衛が負けたのか・・・騎士で勝てる実力者はいないのか?』
国王が苦笑いしていると団長はロイドを睨んでいる
『ロイドがいたね。騎士団を辞めて無かったからね』
『そうだ!!王都に帰る気も無い!メトリシア様の護衛だが、帰ったら副団長をやれ!!』
団長が言うとキリシア達が笑い出す
『ロイド?誰だ?』
国王が呟く
『私の護衛に残った騎士ですが、団長に一騎討ちで勝っていましたが、更に強くなっています』
メトリシアが微笑みながら言う
『は?団長に一騎討ちで勝った?本当なのか?』
『はい、ケニスよりも強いです。良く夕方ケニスと訓練をしていますから凄いですよ』
『そんな逸材が無名で・・・』
国王が驚きながら呟くと王太子も考えはじめる
『ガシリオもリベリア前隊長もキリシア殿が鍛えすぎるから騎士団を鍛えるのが大変なんだ!これ以上の達人を増やさないでくれ!』
『頑張って騎士団を鍛えてね。騎士団団長様!私は警備隊と訓練が楽しいだけだから別に鍛えて無いけどね。この間、マルスが隊員を本気で鍛えたから余計楽しいけど』
キリシアが微笑みながら言うとみんな笑い出す。騎士達が思い出して苦笑いしていると、メトリシアは国王と王太子夫妻に経緯を説明する。全員苦笑いしている
『なるほどな・・・だから団長が帰ってきてから訓練で騎士達を鍛え続けているのか』
国王が納得すると団長が苦笑いしている