平和な買い物
翌日、リリシャはみんなの付与魔法の書き込みを見ながら、指導をしている
『エレーヌさん妹達の世話をしてくれてありがとう』
マルスが微笑みながら言う
『フローネ様に色々教えて貰えてありがたいと思っています』
エレーヌが笑顔でマルスに質問する。
『魔法学院とフローネ先生の教え方はどうなのかな?』
『え?少し違います・・・魔法学院での講義の内容とフローネ様のお話は内容が違うのですが、どうしてでしょうか?』
エレーヌが疑問を尋ねると
『基本が違うからだと思うけど、1人前の魔法使いになってから考えれば良いと思うよ。エミールがきっと説明をしてくれるからね』
マルスが微笑みながら言う
『はい』
(やっぱり教えてくれないの・・・どうしてなんだろう?)
エレーヌは返事をしながら考えている
『エレーヌさんの苦手なことは何かな?』
『接近戦と魔法薬作成も中々成功しませんでした』
『魔法薬?ポーションの作成?』
『はい!魔法使いになったら作ることが多くなりますので、出来た方が良いので・・・』
エレーヌは恥ずかしそうに言う
『キリシア、エレーヌさんに近接戦闘の練習して貰ってもいいかな?』
マルスがキリシアに言う
『え?わかった!!みんなやるよ!』
キリシアが嬉しそうに言うとエレーヌを引っ張って連れていくのを、ルメイルが苦笑いしながら見ている。
『ルメイル、キリシアが暴走しないように見ていてね』
『はい、マルス師匠』
苦笑いしながら言うとキリシアを追いかける
『ミリア、ちょっと買い物にいこう』
マルスがミリアを誘うと
『はい、マルス師匠』
ミリアは嬉しそうに笑顔で言う
『ケニスさんも暇なら一緒に行きませんか?』
『メトリシア様に聞いてきます』
ケニスはメトリシアに聞いてから一緒に出掛けることにする
『クゼン、いる?』
『マルス様、今日はどのようなご用件ですか?』
『ポーション材料が欲しかっただけだけど有る?』
『倉庫に揃っていますので、明日配達します』
『弟子達がポーション作成の練習をするから、多めにお願いね』
マルスが笑顔で言うとクゼンは微笑みながら頷く
市場を歩きながら店を覗き、ブラブラしながらラーケンの工房に着く
『ラーケン!いる?』
『マルスか?何か用か?』
『頼み忘れていたけど、エビリアとクレスタとリシリアとエミールのブーツすぐに作ってね』
『え?・・・魔道具化するよな・・・解りました』
『じゃあよろしくね』
マルスはそう言うと帰っていく
男達に囲まれ
『懐の金を出しな!!死にたくなければさっさとしな!!』
男がナイフを持ちながら笑みを浮かべている
『面倒だから消えて』
マルスは苦笑いして言う
『これでも出さないか!!』
ミリアの首にナイフを押し付けて男が怒鳴る
『え?そんなに死にたいの?』
マルスは苦笑いしながら言うと闘気を纏う。ミリアはナイフを持った手を掴み、投げ飛ばすと、ケニスが蹴り飛ばし、壁に激突する
『は?・・・・』
男が唖然とすると、マルスは高速移動しながら次々と男達を投げ飛ばしてから一人ずつボコボコにし、両腕を砕いていく
『ミリア、血が出ている』
マルスが言うと
『ヒール』
『師匠、ありがとうございます』
ミリアは笑顔で言うとナイフを突き付けた男の腕を掴み思いっきり地面に叩きつける
『化け物!!くるな!!!』
男達が錯乱し逃げようとするが、マルスは次々と投げ飛ばして一ヶ所にまとめると、
『逃げてもいいけど、逃げきれなかったらもっと痛い目に会うよ』
マルスが微笑みながら言うと、男達は震え始める。ミリアは一人ずつ回復魔法を使う
『気が済むまで楽しんでくださいね』
ミリアが言うと、マルスがボコボコにしてから両腕を折っていく
騒ぎを聞き付けた警備隊員が苦笑いしながら見ている。
『隊員さん、止めないのですか?』
住民に言われると
『そろそろ止めますか・・・マルス殿、取り敢えず連行してもよろしいですか?』
『来ていたんだね。後はよろしくね』
マルスが言うとケニスが状況を説明する
『気が済まないのは仕方ないので、続きは訓練所でやってください』
隊員が苦笑いしながら言うと男達を連行していく
『マルスまた襲われたか』
ガシリオが笑いながら出てくる
『ケニスさんが居ても襲われちゃった』
『仕方無い・・・王国で一番強い人を襲うバカは地獄行きだな!』
『ミリアがナイフで傷付けられて出血したから、このまま訓練所でお仕置きしたいな』
『は?・・・・愚か者だな』
ガシリオが青ざめると賊を見に行く。男達は泣きながら隊員に何か言っている
『吐いたのか?』
『怯えているのでどんどん余罪を吐いていますが、どうしました?』
『マルスが続きをするために待っているから、訓練所に連れていこうか?』
ガシリオが聞こえるように言うと男達は絶望に泣き始め隊員にしがみつき必死に何か言っている。
『無理そうですね』
隊員が苦笑いする
『襲った相手が悪すぎる。明日になったら師匠達がやってくるぞ。今日の数倍の恐怖だぞ!!』
ガシリオが言うと、男達は恐怖の余り気を失った。
『マルス殿、済まん。男達は気絶してしまったから、来れないな』
『仕方無いね。後はよろしく』
マルスはそう言って家に帰ろうとすると、隊員が笑顔で付いてくる
『護衛?』
『賊が近付かないようにします』
隊員が笑いながら言う
『ありがとうございます』
ミリアが笑顔で言う
『これ以上愚か者が増えないようにしたいだけです』
隊員が笑いながら言うと、マルスも笑い出す