グリズリーじゃないのか
家に帰るとラーザが門を開けてくれる
『キリシア師匠、お帰りなさい』
ラーザが言う
『ラーザ、ただいま』
キリシアが微笑みながら言うと玄関に向かう
『あ!お兄ちゃん』
レティナが笑顔でマルスに抱き付くと、マルスが頭を撫でている
『お帰りなさい』
フローネが出てくると、エレーヌも笑顔で出てくる
『フローネ先生、ただいま』
リリシャが笑顔で言う
『エレーヌさんはまだ常識を失ってなくて安心しました』
フローネが微笑みながら言う
『え?師匠、どう言うことですか?』
リシリアが聞くと
『手遅れになる前に常識を教え込みます。昼間は商会で魔力補充もしてくれてミドルが喜んでいました』
フローネが笑顔で言うと
『魔力補充で小遣い稼げるなんて思いませんでした』
エレーヌが笑顔で言う
『やってみてどうでしたか?』
『初心者の魔法使いでも出来るので、無理に迷宮に潜らなくて良いので助かります』
エレーヌが素直に答える
『魔道具の量を少し増やす準備をした方が良いかな?』
マルスが言うと
『ミドルが喜びますが、増えすぎると魔法使いが足りませんよ』
フローネが微笑みながら言う
『まだそうですよね』
『次はどんな魔道具を作るの?』
キリシアが聞くと
『暑くなって来たから、氷室の魔道具を弱くして作るよ』
マルスが微笑みながら言う
『すぐに作ってよ!』
キリシアが笑顔で言う
『マルス、手加減してくださいね。ミドルがまた泣きます』
『もう作らないでと言われますね』
リリシャが微笑みながら言うとみんな笑っている
『明日、グリズリー狩りに行ってきます』
キリシアが笑顔で言うと
『食事会のメインですか?』
『はい!そうです!!』
『余り狩りすぎないでくださいね』
フローネが笑いながら言うと
『襲ってこなければ狩らないよ』
キリシアが言う
『マルス師匠、何か有ったのですか?』
エミールが聞いてくると
『あ!エミールを送った後、帰り道にグリズリー2匹狩って帰ったり、グリズリーとビックボアとボアを狩ってきただけだよ』
『流石師匠です』
エミールが笑うと
『大きさが大きくて肉屋が泣いていましたよ』
フローネが微笑みながら言う
『また泣かせたいね』
キリシアが笑いながら言う
翌日、馬車で向かうことにする
『この馬車凄いです・・・』
エレーヌが馬車を見て驚いている
『エミール、乗ってみれば凄さが解るよ』
キリシアが笑うと
『マルスの本気で作成した馬車だから楽しみにしてね』
リリシャが微笑むと、エミールが観察し始める。馬車に乗って出発し、町の門にくると
『キリシア様、お出掛けですか?』
門番が笑顔で言うと
『ちょっと西側に狩りに行ってきます』
キリシアが笑顔で言うと
『楽しんで来てください』
門番が笑顔で言うと、門を出て西に向かう
『え!!この馬車ガタガタしない!!何故ですか?』
エミールが驚きながらマルスを見ている
『魔道具だよ。下からの衝撃を衝撃吸収で防いでいるよ』
マルスが説明をすると
『え!!!!えーーーーーー!』
エミールとエレーヌが驚き声をあげる
『1年半でかなり研究出来たよ』
マルスが微笑むと
『師匠・・・私がいない間にドンドン凄い物を・・・・』
エミールが涙目になると
『帰りにいくつか持って帰って良いよ。特に卓上型ランプはね』
マルスが言うとリリシャが微笑んでいる
『ありがとうございます!マルス師匠!』
エミールは喜んでマルスに抱き付く
日が暮れる頃、村に到着すると
『村長はいますか?』
キリシアが村長の家の扉越しに言うと
『え!キリシア様!!お久しぶりです』
村長が笑顔で言うと
『またグリズリーが出たと聞いて狩りに来たのですがどの付近ですか?』
キリシアが聞く
『少し西に行った所です』
『明日、探してみますね。狩ったらまたリベリアまで送って貰っても良いですか?』
キリシアが笑顔で言う
『勿論です!こちらこそよろしくお願いします』
村長が言うとキリシアは馬車に戻ってくる
『夜営したら明日、狩りに行くよ』
キリシアが笑顔で言うと、みんな頷いてキャンプの用意を始めると、アニーはスープとパンを焼いている
『師匠!釜も鍋も魔道具なのですか!』
エミールが気がついて言うと
『そうだよ。便利だよね』
『凄いです・・・やっぱりマルス師匠です』
エミールが言うと
『エミールもその内作ってね』
リリシャが微笑みながら言うと
『はい!!師匠!』
エミールが笑顔で言うと、エレーヌがエミールを見つめている
『え?マルス師匠!この反応は魔物ですよね』
ミリアがマルスを見て言うとマルスが確認をする
『確かにそうだね。近いから倒した方が良いかな?』
マルスが微笑むと
『どこ!』
キリシアが笑っている
『そっちから近付いて来ているね結構大物かな?』
マルスが説明をするとキリシアは笑顔で森を見ているとロイドとルメイルが警戒を始める
『がぉーーーー!!』
魔物が現れて吠える
『獲物!』
笑顔でキリシア言うと一気に間合いを詰めて槍で突くとレッドベアの頭を貫くと動かなくなる
『雑魚だけど旨い肉かな?』
キリシアが微笑みながら言うと
『グリズリーではなく、レッドベアだ!』
ロイドが言うと
『そうなんだ。美味しいの?』
『味はレッドベアも美味しいですよ』
『良かった!メインが出来る』
キリシアが嬉しそうに言うと村人達が見に来て
『ひゃーーー!』
村人が大声をあげて腰を抜かす
『倒したから明日、リベリアまで運んでね』
キリシアが笑顔で言うと
『へ?・・・・村長に話してきます』
村人が言うと村長が来て、レッドベアを見て青ざめている
『近付いて来たから倒したよ』
キリシアが軽く言うと
『こんな大物が村近くまで・・・もしかしたら襲われていたかも知れませんか?』
『ん?そうだね』
キリシアが言うと村長が苦笑いしている
『キリシア!もう一匹今度はそっちだね』
マルスが言うとキリシアは笑顔で森を見る
『がぉーーーー!!』
森からタイガーが現れると、村人は恐怖に青ざめる。キリシア目掛けて突進してくるが、キリシアは笑顔で槍で頭を貫く
『獲物!!旨いかな?』
キリシアがロイドに聞くと
『え?ビックタイガーは知らない!!狩る人がいない!』
ロイドが苦笑いすると
『えーー!雑魚だったか!』
キリシアが残念そうに言うとエレーヌを見ると
『エレーヌ、大丈夫?』
『え!あんな大物を一撃なんて・・・・』
エレーヌが我に返り言うと
『キリシア師匠は王国一の槍使いですよ』
エミールがエレーヌに言うと
『え!!そんなに凄いのですか?』
エレーヌが驚くと
『エレーヌさん、冒険者ギルドで槍の聖女の噂を聞けば解りますよ。色々冒険譚聞けますから』
メトリシアが微笑みながら言うと
『槍の聖女?』
『メトリシア!!それ以上は言わないで!!』
キリシアが赤くなりながら言う
『はい、キリシア様』
メトリシアが微笑みながらキリシアを見る
『あ!村長、明日よろしくね』
キリシアが村長に言ってみんなの所に戻ってきてご飯を食べ始める
翌朝、村を出てリベリアに戻ると
『キリシア様、お帰りなさい。獲物はとれましたか?』
門番が笑顔で言うと
『後ろの馬車を見てね』
キリシアが言うと門番が後ろの馬車を覗き
『ひゃーーー!』
門番が驚き声をあげると門番の隊長がやってくる
『どうした!!』
『え?申し訳ありません。獲物が凄くて驚きました』
門番が苦笑いして言うと、隊長も覗き
『ひゃー!!デカイ!!これは驚くな・・・早く冒険者ギルドに持っていってください』
門番の隊長が笑いながら言うと通してくれる
『エミール、なんで簡単に通してくれるのかな?』
『仲が良いからだと思うけど、前よりみんな笑顔です』
エミールが言うと
『時々会っていますからね』
リリシャが微笑みながら言う
『門番も訓練ですか?』
『魔法のランプ泥棒捕まえてくれますからね』
リリシャが笑いながら言うとみんな笑う
冒険者ギルドに到着するとキリシアが中に入り
『ヘザーネ、ただいま』
『キリシアさん、お帰りなさい獲物ですか?』
『確認してね』
キリシアが笑顔で言うとヘザーネが外の馬車を見て
『え?!・・・・レッドベア?タイガー!!』
ヘザーネが驚いていると冒険者達が笑顔で獲物を見ている
『ヘザーネが驚いているなんて珍しいですね』
バイルが出てきて言うと
『え?ビックタイガー!!!レッドベア!!!』
バイルが大声をあげると
『近付いて来たから倒したよ』
キリシアが笑うと
『相手が悪かったな・・・』
バイルが苦笑いしていると
『タイガーは美味しいかな?』
『え?聞いたこと有りませんが、肉屋に聞いてください』
バイルが苦笑いするとヘザーネが一緒に肉屋に向かう
『解体お願いします』
ヘザーネが笑顔で肉屋の主人に言うと
『解った・・・え?キリシア!!』
肉屋が青ざめると馬車を覗く
『れれれレッドベア!!・・・・タイガー!!!』
肉屋が驚いて苦笑いしている
『タイガー美味しいかな?』
『え?・・・・聞いたこと有りませんが、革は最高級の飾りです』
肉屋が笑顔で言うと
『飾りか・・・食べ物が良いな』
キリシアが言うとみんな笑い出す
『早く解体してね』
キリシアが言うと馬車から肉屋の解体場に下ろして帰ろうとする
『は?・・・あ!俺がやるのか?この大きさは無理だ!!』
肉屋が青ざめて叫ぶと
『昨日の内に準備するように言っていましたよね』
ヘザーネが言うと
『そうだが・・・グリズリーじゃない・・・』
肉屋の主人が苦笑いしていると
『キングリザードでなくて良かったですね』
ヘザーネが微笑むと
『もうリザードは勘弁してくれ!』
肉屋が苦笑いしている