リベリア帰還とヘルト王子
数日後、リベリアの門が見えてくる
『帰ってきたね!』
キリシアが笑顔で言うと門番が笑顔で迎え入れてくれる
『取り敢えず領主の館で報告を頼む』
副団長が言うと領主の館に向かう
『よくぞ無事で戻られました』
ウイントレスが笑顔で言うと横でフローネが微笑んでいる
『ただいま!フローネ先生』
リリシャが嬉しそうに言うと
『リリシャ、まずは領主様に挨拶しなさい』
フローネが笑いながら言うと
『仕方ない、私は気にしないぞ』
ウイントレスが笑い出す
『メトリシア、無事で良かった!』
ヘルトが笑顔で言うと
『あ!兄さん!国王への報告は頼みますね』
メトリシアが笑いながら言うと
『良いが、どんな状況だったのか?』
ヘルトが聞くと
『隣国の遺跡で、ヴァンパイアが強制的にクイーンリザードに大量の卵を産ませてリザードを増やしていたため、この事態になったと解りました』
メトリシアが説明すると
『は?またヴァンパイアだと!強制的に産ませてリザードを量産か・・・・自然に増えたわけでは無いのか』
ヘルトが考え込むと
『ヴァンパイア4体と、クイーンリザードなど多数のリザードを倒して来ました』
『4体!!そんな事あり得ん!』
ヘルトが言うとウイントレスが苦笑いしている
『メトリシア様が言うので間違いないですね』
フローネが微笑みながら言う
『その後、グレバレスタが現れ、戦いになりました』
メトリシアが笑顔で言うと
『は?ググっグレバレスタだと!!!』
ウイントレスが声をあげて青ざめる
『グレバレスタ?確か魔法王国を滅ぼした魔族だよな・・・青い肌をした魔族』
ヘルトが言うと
『はい!そうです!マルス師匠が最後は倒しました!!』
『そうか・・・・・・は?倒した!!!』
ウイントレスが大声をあげて唖然とする
『何を言ったか解っているよな?倒したなんてあり得ないだろ』
『本当です。魔族グレバレスタをマルス師匠が倒しました!最後はマルス師匠が残念でした魔法使いだよ!って言って魔法で半身を吹き飛ばして、一刀両断してから首を切り落として、セイントファイヤーで焼き払っていました』
メトリシアが笑顔で説明すると
『まさか・・・・本当なのか?』
ヘルトが青ざめている
『一国を簡単に滅ぼせる魔族を倒すとは・・・』
ウイントレスが呟くと
『仕方ないですね。マルスだからですませましょう』
フローネが笑いながら言う
『先生、この魔剣、どんな魔剣だか解りますか?』
マルスが魔剣をフローネに見せると
『この魔剣・・・バルドルの剣?』
フローネが真剣に見ている
『バルドルの剣?』
『ここに書いてありますが・・・バルドル?どこかで聞いたことが有りますが思い出せませんね』
フローネが微笑んでいる
『グレバレスタが使っていた剣ですから相当の剣ですよね』
マルスが笑顔で言うと
『本当にとんでもない剣でしょうね』
フローネが笑い出す
『バルドルの剣は帰ったら調べてみます』
ヘルトが笑顔で言う
『報告は全部任せました!!師匠は行かないと思いますので』
メトリシアが笑顔で言うと
『あ!メトリシア!私のセリフ取らないでよ!』
キリシアが言うとみんな笑い出す
『あははは・・・・本当に丸投げで帰るのか・・・』
『どうせ私が報告しても、嘘だと言われて聞いてくれないからお願いします』
副団長が苦笑いする
『不可能だな・・・・まだ信じられないから』
ヘルトが苦笑いしている
『メトリシア、手紙にしてほしい。なるべく詳しく書いてほしい』
ヘルトが苦笑いしながら言うと、メトリシアが頷く
『だけど有名になりたくないから名前は残さないでね。面倒事はいらないよ。褒美も、称える事も止めてね』
キリシアが笑いながら言うと
『やっぱり言われてしまったか・・・』
ウイントレスが苦笑いすると、ヘルトの顔がひきつっている
『じゃあ家に帰るね』
キリシアが言うと
『食事だけでも食べていって欲しい。宴会はしないから』
ウイントレスが言う
『食事だけはしていきなさいね。ウイントレスの顔をたてなさいね』
フローネが笑いながら言うと
『はい、解りました』
キリシアが言うとみんな笑っている
『フローネ様がいなかったら帰られていたか』
ウイントレスが言うと、ヘルトが苦笑いしている
ご飯を食べながら南東の状況を詳しく話してから、家に帰ることにすると、ウイントレスは見送り
『未だに信じられないが、まさか・・・グレバレスタを倒すとは・・・それも倒した事も秘密にするなんて』
『祖父に言ったらなんて言われるか?』
『もう慣れていると思うが・・・そう言われると信じるしかないと思うが・・・王国を救った英雄を称えられないなんて有り得ない事だ・・・』
ウイントレスが苦笑いしてヘルト王子に言うと
『騎士団いるのかな?』
ヘルトが呟くと
『英雄殿が動いたら騎士団は報告係と荷物持ちしかさせて貰えない・・・・』
副団長が落ち込んでいる
『これでは副団長の威厳がなくなっているな』
『あ・・・・騎士達にも言われている』
『威張らないだけでも良いと思うぞ!英雄殿の信頼も有ると思うぞ』
ウイントレスが言うと
『え?侯爵家が逆鱗に触れて1日で城を落とされて、数百人を仕置きするのを見ているしか出来ないが・・・・』
副団長が呟くと
『ん?侯爵家?何の事だ?』
ウイントレスが苦笑いしている
『あ!聞かなかった事にしてくれ頼む!!』
副団長が慌てると、ヘルトが苦笑いしている
『国境の侯爵家が独立を企み、隣接する子爵家に数百の軍隊を送り込み、村を焼いて皆殺しにしたのを知った英雄殿が怒り、数百人を叩き潰して、それを命令した侯爵家に攻め込んで数時間で、侯爵を始め侯爵兵士を全員捕らえた件だ』
ヘルトが言うと
『怒らせたらそうなりますね』
ウイントレスが言うと、ヘルトが笑い出す
『褒美に侯爵領を与えたいと国王が言おうとしているが、受け取らないと思われている』
『ん?無理だな!男爵家から領地を分割しても子爵家に譲ってしまったからな!与えても誰かにアゲルって言うだけだ』
副団長が笑うと
『事実だったか・・・・何を受け取るのか解るか?』
『魔導書ぐらいしか受け取らない!武器は全部マルスとリリシャが付与魔法したら出来てしまう、地位も名誉も名声も金も受け取らない!ギルドからの報酬を町の復興に使ってと言われてしまったぐらいだからな・・・北のゴブリンの時など、帰ってきてから自分の金で、暫く冒険者に村の復興を手伝ってくれと依頼を出してしまったぐらいだし!難民を支援して餓死者を1人も出さないなど本当に凄すぎる』
ウイントレスが言うと
『・・・・・知らない事ばかりだ・・・本物の英雄だ』
ヘルトが言う
『救国の英雄達と言う英雄譚を準備しているが、書くことが多過ぎるが、何時かみんなに称えて貰うつもりだ』
ウイントレスが言うと
『後で写しを貰っても良いか?祖父に読んで貰う』
ヘルトが笑顔で言うとウイントレスが頷いている