14話 フローネの授業
迷宮に向かいながら
『キリシアさん、昨日はフローネ先生の所で色々教えて貰っていたので1人にさせちゃってすみませんでした。』
『久しぶりに町をゆっくり見て回れたから気にしないでいいよ。先生はどうだった?』
『先生に呆れ返られちゃった』
『呆れられた?』
リリシャも微笑みながら
『マルスの才能は常識外れだから』
キリシアは笑顔でマルスを見て頷く
迷宮の9層まで最短距離で向かい探索をはじめる
『あ!クリケトいたよ』
キリシアは突撃して串刺しにする
『キリシアさんの槍光っていなかった?』
『闘気を槍に伝わらせてみた』
『闘気を武器になるほど』
クリケトを6匹見つけた
リリシャはファイヤーストームを発動して一掃する
『リリシャも絶好調だね』
リリシャは頷く
9層を探索し回りクリケトを次々殲滅する
『次は10層行こうか?』
キリシアがそう言ってリリシャも頷く
そして10層のクリケトも次々殲滅する
『何だか全く危なげなく戦えるね』
キリシアがそう言うとリリシャも同意する
『キリシアさんも闘気使いこなしているよね』
キリシアは頷く
『自分も闘気を剣に伝えてみようかな?』
『マルスなら出来ると思うよ』
キリシアは笑う
クリケトを見つけた。剣に闘気を伝えてクリケトに振り抜く。真っ二つに切り裂きクリケトは黒い煙になって結晶に変わる
『ん?斬れ味が増した?』
『闘気のお陰だよ』
キリシアがそう言って微笑む
その後は魔法を温存して剣とキリシアの槍でクリケトを殲滅して回る
ギルドに向かう
『ヘザーネ、買い取りお願いします』
『今日は小魔石ですね』
ヘザーネは数えはじめると
『そちらの袋はいいのですか?』
『こっちは練習用で持っていきます』
ヘザーネは頷き
『全部小魔石で7層以降のです。数は112個ですので、金貨2枚銀貨2枚銅貨40枚になります』
カウンターに硬貨を並べる
『ヘザーネまたね』
『キリシアさん迷宮ばかりでなくてたまには依頼受けませんか?』
『そういえば依頼受けたこと無いような』
『マルスが入ってから迷宮しかいってなかったね』
キリシアとリリシャは笑う
『マルスさんはまだ最低ランクのままなんですよ。だから、緊急クエストを出せないので、何か有ったときに困るんですよね』
ヘザーネは真剣な目でこちらを見る
『もう少ししたら依頼受けようね』
リリシャがそう言ってキリシアが頷く
『お願いします』
ヘザーネは微笑んで見送ってくれた
『フローネ先生いますか?』
『いらっしゃい』
フローネは微笑みながら迎えいれてくれた
リリシャは魔石付与の練習を、自分は回復魔法の基礎を教えて貰っている。キリシアも一緒に聞いている
『麻痺防御とか麻痺回復を魔石に書き込む事は出来ないのですか?』
『出来ますが、魔道具にするしか無いですね魔石のみだと効果があまりありませんよ』
『毒とかも同じですか?』
『そうですね』
『完全な状態異常防御は出来るのですか?』
『それは無理ですね。魔方陣を研究して作れば出来るかもしれないのですが、今は魔方陣がありませんね』
『普通に魔法を覚える方が早いですよね』
『回復魔法は覚えていた方が良いですよ』
フローネは微笑みながらそう言うと説明をしてくれる。魔道書に書いてある詠唱と効果の意味を理解し、右手に魔力を集め、ヒールのイメージをして『ヒール』淡く温かい光が掌からでる
『これで良いのかな?』
『一発で・・それも無詠唱で・・』
フローネは呆れる
『マルス凄い?』
キリシアも反応する
キリシアの手にかざしてみると『温かい』と一言言う
何回か発動してみる
『ちゃんと効果あるかな?』
『怪我しているところが無いとわからないかな?』
『治療ちゃんと出来るか確認した方が良いですね』
『リリシャこないだ擦りむいていたよね』
キリシアが言うとリリシャも頷く
リリシャにヒールを使うと傷が消えていく
『成功だね』
笑顔になる
次々と回復魔法を教えてもらう
『本当に規格外ですね。1日で初級から中級の回復魔法を使えるようになるなんて』
『先生の教え方が良いだけです』
笑顔で言うとフローネは呆れた表情になる
キリシアもそれを見て頷く
『魔法学院に行く前に全ての魔法を覚えちゃうかもね』
キリシアが笑いながら言う
『魔法学院にいくつもりなの?』
『入学出来る歳になったらいきたいと思います』
『ん?マルス君は今何歳?』
『言ってなかった?12歳です』
『え!・・・幼さがあるとは思っていましたが・・・12歳でこの魔力・・・魔法の数々3年後・・・』
フローネは思案しながら苦笑する
『今日なんてヘザーネにギルドの依頼受けてランク上げてほしいって言われてたしね。緊急クエスト発注出来ないってね』
『ゼタルは子供に緊急クエストをさせるつもりなの?』
『ゼタルさんと知り合いなのですか?』
『ゼタルには魔道具を色々作り、使ってもらいました。それに、この町で最強の冒険者でしたから』
『だからギルド登録時に実力確認したんだね』
『ゼタルから実力あると認められれば、誰も文句言えませんからね』
フローネも微笑みながら自分をみる
『ゼタル相手に、よく認めてくれましたね』
『ゼタルを木剣で壁まで弾き飛ばしてたよ』
キリシアがそう言うとフローネは目を丸くして呆然とする
『ゼタルには魔法は見せてないのですか?』
『そういえば見せてないよね』
『確かに迷宮内と岩場でしか使ってないからね』
『杖も持っていないから攻撃魔法使えるの知らないよ』
キリシアは楽しそうに笑う
キリシアも楽しかったみたいで、数日間は魔法勉強に集中した