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異世界転生失敗から始まる魔法使いの生活  作者: 桂崇
4章 リリシャと東の動乱
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デストラとリザード

騎士団の南東の調査部隊はベルガシアの町に着いて驚愕していた

町中は血の跡は有るが、死体が無かった。そして領主の館の扉は木っ端微塵に破られていた

『中隊長、これは・・・』

『完全に全滅だな・・・しかし住民の死体は・・・おそらく食べられたと考えるべきだな・・・』

『報告の者を出します』

隊員が出ていこうとすると

『大変だ!!リリっリザードが現れました!!』

『なんだと!!』

『すぐに逃げてください!!ビックリザードも数体います!!』

隊員が叫ぶと

『散開して撤退!!何としてもリベリアに伝えろ!!良いな!!』

中隊長が叫ぶと、隊員が伝令に走り出すが、町中は既にリザードが入り込み、隊員達は戦い始めていた

『デストラ、何でまだここにいる!早く離脱しろ!!』

中隊長が叫ぶと

『これしきの敵に狼狽えるな!全部狩ってやる!』

『デストラ!お前なら突破出来るはずだ!!何としてもこの状況をリベリアに伝えろ!!包囲されたら終わりだ!!』

『俺に逃げろと言うのか!!!!』

『馬鹿野郎!!お前が伝えられなければ、何千何万の民衆が危機に直面するのだぞ!!民衆の為に生き延びろ!!』

中隊長が叫び、隊員達が門の外に突撃していくと大きなリザードが現れる

『ギャーーー!』

隊員が噛みつかれて絶命すると周りの騎士達は散開して逃げていくがリザードが次々と襲いかかっている

『くそーーー!!』

デストラは涙目になりながら馬に乗り、全力疾走させて包囲を突破していくと、騎士達も続いていくがリザードが襲いかかる


昼が過ぎた時

『副団長!!大変です!デストラが戻りましたが負傷しています』

『何か有ったのか?』

副団長がデストラに会いに行くとデストラが泣きながら説明をする

『わかった・・・よく知らせてくれた・・・』

副団長は堪えながら言うと急いで隊員に

『すぐに伝令を走らせろ!リザードが近くにいる可能性がある!発見したらすぐに知らせるように!!討伐より報告が優先だ!』

副団長が言うと隊員が伝令に走る

『デストラはいつどこで発見した!』

『2日前の朝、南東の警戒していた騎士が発見してここまで連れてきたと言っていました!』

『は?なななんだと!!何故だ!!』

『気を失っていたので治療して目を覚ますのを待っていたそうです』

『そうすると・・・いつリベリアに到達してもおかしくないだろ!!すぐに大隊長に防衛体勢構築と調査隊の編成を指示しろ!!』

『それが・・・大隊長は既に部隊を率いて南東に向かいました・・・』

『はぁ?何故だ!報告は?何故だ!!すぐに戻るように伝令だ!!』

副団長が言うと近くの騎士が走っていく

『仲間を救うためと言っていました・・・』

『馬鹿な!私情で動くなど今の事態を解ってないのか!!!』

『しかし、まだ仲間が戦っている可能性も・・・見殺しには出来ません』

隊員は涙を流しながら言う

『デストラでギリギリ生きて帰ったと言う事は、もう・・・これ以上犠牲を出す訳にいかない!!デストラは団長と互角の実力者だ!!解ってないのか!!愚か者!!!』

『しかし・・・・』

『デストラ以外誰か隊員の死体は見つかったのか?どうだ!!』

『え?それは・・・・』

『副団長!事態が解らない者は後回しです。すぐに領主と警備隊に連絡をした方が良いと思います!』

騎士が言うと

『そそそっそうだな!お前はガシリオに連絡を頼む!領主にすぐに会ってくる!』

副団長は急いで領主の館に向かう


『副団長、何か有ったのか?』

ウイントレスが聞くと

『南東のベルガシアに向かった中隊がリザードに襲われた・・・おそらく全滅だ』

副団長が悔しそうに言うと

『まだリザードが残っていたのか!』

『それもビックリザードも数体いたようだ・・・』

副団長が言うと兵士が入ってくる

『大変です!門から緊急事態を知らせる鐘が鳴っています』

『なんだ!!緊急事態だと!!』

『今、確認をしています』

『まままさか!』

副団長の顔色が変わるとウイントレスも青ざめる


一方警備隊詰所に騎士が訪れ、ガシリオに事態を伝えるとすぐにガシリオは隊員を集めて各門に向かうように命令をしてから、数人に町の外を確認に向かわせると、ガシリオはキリシア達に会いに行く

『ガシリオ様が来ました』

ラーザが言うとガシリオが入ってくる

『ガシリオ、どうしたの?』

キリシアが聞くと

『ちょっと事態が悪くなりそうだ!デストラが負傷して帰ってきたが、どうやらベルガシアに向かった中隊が数日前にリザードに襲われた。もしかすると近くにリザードがやって来ている可能性がある』

『え?デストラは大丈夫なの?』

『解らないが、問題は馬鹿な大隊長が仲間を助ける為と部隊を率いて南東に出発したと言っていた・・・』

ガシリオが苦笑いする

『馬鹿なの?数日前なら生きていたら使いが来るでしょ?』

キリシアが言うとみんな同意している

『そうだろ・・・念の為隊員は各門に配置したがもしもの時は力を借りたい』

ガシリオが真剣な目で言う

『良いけど貸しだよ』

キリシアがみんなを見てから言うと、みんな着替える為に出ていく

『ガシリオ、あの子達に余り頼りすぎないでくださいね。まだ子供なのだから・・・多くの人の死を見せたくはありません』

フローネが真剣な目で言うと

『そうだな・・・悔しいが騎士団があれでは、今は頼るしか無い・・・警備隊だけでは足らない』

ガシリオが悔しそうに噛み締めている

『無理をさせないと約束してくださいね』

フローネが言うとガシリオは頷いている

「カンカンカン」

『まさか・・・・』

ガシリオは青ざめて外に飛び出し、音のする門に向かっていく


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