メトリシアとケニスの初めての迷宮
『ケニスさん、闘気の方はどうですか?』
マルスがケニスに聞くと
『数ヶ月頑張って来ましたが、これ以上は中々上達しません』
『綺麗に練れていますね。これなら迷宮鍛練出来るね』
『え?迷宮ですか?』
ケニスは考え込んでいる
『メトリシアもそろそろ実践を見ておいた方が良さそうだからね』
マルスが微笑みながら言う
『そうですね・・・今の内に自分の能力を知っておく必要があります』
ケニスは考えながら答える
『ケニスさんが居てくれて助かります』
マルスは微笑みながら言うとケニスはニッコリする
翌日、みんなで迷宮に向かう
『ケニスさん、今日はこの剣を使ってください』
マルスが剣を渡す
『魔剣ですか?』
『ルメイルが愛用していた剣です。失くさないように気を付けてくださいね』
『しかし預かってよろしいのですか?』
『何も言わずに使った方が良いですよ・・・迷宮内の師匠の言葉は絶対です』
ミリアが微笑みながら言うと、みんな頷いている
『解りました。使わせて貰います』
ケニスは大事そうに装備する
『マルス、今日は何層から行くの?』
キリシアが笑顔で言う
『7層からにしよ!固いモンスターの方が解りやすいから』
キリシアは笑顔で歩き出すと7層まで最短距離で向かう
ショウブグに遭遇すると
『・・・・・・・ファイヤーアロー!』
メトリシアが魔法を放つが全くダメージが無い。メトリシアは焦りながら次々と魔法を撃ち込むが、ショウブグは接近してくる。ロイドが気合いを入れて剣を振り下ろすと、ショウブグは両断されて黒い煙になって消えていく
『全く通用しない・・・』
メトリシアが涙目になる
『この剣凄すぎる・・・・』
ロイドは剣を眺めながら呟く
『ショウブグは動きは遅いけど、魔法に強く、防御力が高いよ。だから魔剣でないと倒しにくいんだよ』
『それでこの魔剣ですか・・・』
ケニスは苦笑いしながら言う
『理解できたかな?場合によっては魔剣でないと厳しい相手もいるからね』
マルスが言うと、みんな頷いている。ショウブグが転がってくると、ケニスが闘気を剣に伝わらせて振り抜き、ショウブグは黒い煙を出しながら消えていく。7層で次々とショウブグを倒しながら進み、7層を一周する
『ケニスさん、闘気乱れ始めたね』
『まだ大丈夫です!』
『ダメです!メトリシアさんみたいに不治の病になりたくないですよね』
エビリアが苦笑いして言うとメトリシアが苦笑いしている
『悪化したら大変だから何もせずに帰ることも重要だよ』
マルスが言うと
『解りました・・・』
『メトリシアとロイドとケニスとエビリアとクレスタで結界を張って待っていてね』
マルスが微笑みながら言うと、メトリシア達は結界を張って休憩する
キリシアは先頭に出て、最短ルートで19層に向かうと、見つけたゴーレムを一刀両断して倒し始める
『やっぱり師匠は凄い・・・』
ルメイルは苦笑いしながら見ていると魔石と鉱石を拾いながら進んでいく
『次は20層行くよ』
キリシアが言うと20層に降りていく
『ルメイル、ミリア、アニー、まだ大丈夫?』
マルスが聞くと
『全く乱れていません』
アニーが微笑みながら言うと、マルスは3人の魔力と闘気を確認し、20層に降りていく
『遅い!何していたの!』
キリシアが笑いながら言う
『闘気と魔力を確認していたよ』
『あ!忘れていた』
キリシアが苦笑いするとリリシャが笑い出す
『取り敢えず殲滅しよ』
『どんどん行くよ!!』
キリシアは小部屋に入り、次々とゴーレムを一刀両断して倒しながら進むと、大部屋もキリシアが一人で殲滅させる
『終わったけど次はどうしようか?』
『16層に上がって殲滅しよ』
『次はボムの鉱石だね』
キリシアは嬉しそうに言いながら歩き出すと16層に到着する。ボムを見付け次第、ボムの核を破壊して倒し始める
『今日はキリシアだけで倒しているね』
『いつもの事だけど、あれだけ笑顔で倒しまくると止められないね』
リリシャが笑いながら言う
『残念!デカイのいない』
キリシアが呟く
『自分にも分けてくれるかな?』
『え?・・・もしかして私一人で倒していた?』
『有無を言わさず一人で殲滅していたよ』
マルスが微笑みながら言うとみんな苦笑いしている
『え?ゴメン一緒に狩ろう』
キリシアはそう言って大部屋に入っていくと片っ端から切り刻んでいく。マルスもボムを一匹ずつ核を破壊していく
『おかえりなさい』
メトリシアが笑顔で言う
『荷物持ちます』
エビリアとクレスタが笑顔で言うと、みんなで分けて持ち、迷宮出口に向かって歩き出す
迷宮を出ると人集りが出来ている
『何か有ったのかな?』
キリシアが見に行くと
『冒険者が軽装の人を怒っているみたいだね』
『経験が無いのに下の階層を目指して助けられたみたいだね』
マルスがキリシアに言うと周りの冒険者が気が付き道を空けてくれるとみんな見ている
『どうしたの?』
キリシアが歩いていき聞くと
『なんだ・・・・いえ何でもありません』
冒険者は苦笑いして帰っていくと軽装の冒険者は涙を浮かべている
『何が有ったのかな?』
『カークローチに追い回されて逃げていたら、冒険者に怒られただけです』
『え?怒られて当たり前でしょ!』
『何でだか解りません』
『逃げている間に他の冒険者に出会わなかった?』
『何組か出会いました』
『声は掛けたかな?』
『え?していません』
『追っていたモンスターはその冒険者達を襲い出さなかった?』
『え?・・・・していたと思います』
『押し付けしたのね。それは怒られて当たり前です!!!何で常識も無いの?初めて潜ったの?』
『え?・・・・・』
『ギルドカードは持っているんだよね!』
『・・・・・・・・・・・』
『ギルド職員を誰か呼んできて!!』
キリシアが言うと冒険者が気が付き走り冒険者ギルドに向かうとヘザーネを連れてくる
『キリシアさん、どうかしましたか?』
『この子達からギルドカード確認して!』
キリシアがヘザーネに言うとヘザーネは軽装の冒険者にギルドカード提示を求める
『え?持っていないのですか?』
『持っていません』
『冒険者でないのに迷宮に入ったんだね』
『それは・・・・そうです』
『これは問題です・・・すぐに入口係員に確認しますがどの様に入ったのですか?』
ヘザーネが聞くと
『え?・・・・』
軽装の冒険者は黙り込む
『冒険者ギルドでじっくり聞いたら良いんじゃないかな?人が多いから』
キリシアが言うとヘザーネは冒険者ギルドに連れていき、詳しく事情を聞くことにする