12話 フローネ登場
『おはよう』
食堂でごはんを食べているリリシャがいた
『マルスおはよう』
席に着いたらライラがごはんを持ってきてくれる
『キリシアさんはまだかしらね、キリシアさんが来たら伝えてくれるかな?』
『何かありましたか?』
『親方が朝来てほしいって言っていたのよ』
『ごはん食べたら親方の所に顔を出すようにしますね』
リリシャが返答して
『何かしらね』
『もしかしてもう準備出来たとか?』
『こんな早くは無理だと思うけど・・・』
リリシャは声のトーンが少し下がっていく
『おはよう』
『親方が朝来てほしいって』
『わかった、昨日の親方の所行った後にギルドで糸を預けて迷宮に行きましょう、糸も持ち歩くのに邪魔だしね』
キリシアは笑顔で予定を決めていく
鍛冶屋の中に入るとおかみさんが顔を見せて奥に親方を呼びに行ってくれた
『小娘きたか』
『おはようございます、親方』
三人で挨拶した後にキリシアが
『小娘はやめてよね』
『名前知らんからな?』
と笑う親方
『あ!自己紹介していなかったね。私はキリシアでリリシャとマルスです。よろしくお願いします』
『ギレリムだ。妻のカセティだ』
ギレリムはそう言って笑う
『リリシャは付与魔法、誰かに習ったのか?』
『魔法学院で基礎は習いましたが自信は無いです』
『魔法学院かなるほど。知り合いに引退したが付与魔法が得意なおばあさんがいるんだが行く気はあるか?』
『え!本当ですか!』
リリシャは笑顔になる
『カセティ後は頼んだ、あと魔石多すぎるからなぁー100個だけで残りはギルドに売るかばあさんに渡すと良い』
ギレリムは苦笑いしながら魔石と袋を置く
『わかったわ、ん!この袋は何?』
『魔石の代金だ』
『武器作ってもらうから、魔石は武器の代金代わりにしてもらってもいいかな?』
キリシアは魔石の袋のみを持ってそう言う
『魔石100個だと武器10本分ぐらいだぞ?良いのか?』
『迷惑もかけるしね』
キリシアはそう言って微笑む
『わかった最高の武器をつくってやる』
『キリシアは槍、リリシャは杖で良いのか?後は、マルスは剣か?』
『私は杖で大丈夫です』
『剣で大丈夫だけど、杖も必要になると思うけど・・・』
『あ!マルスは杖も絶対必要だよ。何気に杖無しで魔法使っていたけど無いのもおかしいよね?』
『は?杖無しで魔法使うなんて、高等魔法使ってるのか?』
『杖無いと魔法出来ないのですか?』
『お前達は常識が無いのか・・・ここまでとんでもないとは・・・ばあさん大丈夫かな?』
ギレリムとカセティは苦笑いしながら目をあわせている
『リリシャさんにちょっと習っただけだったので、魔法学院に入れる歳になったら魔法学院に行きたいとは思っていますけど・・・』
『は!!!何だと?幼く見えていたが、何歳なんだ!!』
『12歳ですけど』
『はぁ!・・・』
ギレリムとカセティは言葉を失って思考停止している
『ギレリムさん大丈夫ですか?』
『大抵の事ならもう驚かないと思っていたが・・・この歳で魔法剣士になるとは・・・』
『フローネいる?』
カセティが呼ぶと返答があって扉が開き白髪のお婆さんが出てくる
『カセティ何か用事かしら?』
『フローネ、ギレリムからお願いがあってきたのよ』
『後ろの3人は?良いわ入って』
家に招き入れてくれた
『はじめまして、キリシアです』
『はじめまして、リリシャです。よろしくお願いします』
『はじめまして、マルスです。よろしくお願いします』
『フローネよ。よろしくお願いしますね』
『座っていてくださいね』
そう言ってお茶を用意しに台所に向かっていった
『ギレリムのお願いは何かしら?魔道具を作ってほしいってことかしら?』
『いいえ、リリシャとマルスに付与魔法を教えてほしいのよ』
フローネはリリシャと自分を見て
『カセティ・・・解っているでしょ。もう私は1人でいたいのよ』
『今回だけお願い。ギレリムもゼタルもこの子達を気に入っているの』
『ゼタルも?』
『お願いします。付与魔法不得意ですけど、頑張りますので教えてください』
リリシャは立ち上がり頭を下げて
『んー頭上げて、座って・・』
『どうして付与魔法を教えてほしいのですか?』
『キリシアとマルスに武器を作って上げたくて・・・』
『カセティ、この子達に能力が無ければ直ぐに辞めるけど良いかしら?』
『解っているわ!この子達は本当に凄いから大丈夫よ』
カセティは笑顔でフローネの目を見る
『あなたが凄いと言うなんて、珍しいね』
『キリシア、魔石を出せるかしら』
キリシアが魔石の袋を出して机に置く
『この子達が取ってきた魔石よ』
『中魔石!』
魔石を取り出しフローネは目を見開き
『本当にあなた達が集めたのですか?』
『はい!ギレリムに武器を作ってもらうために昨日取ってきました』
『1日で?』
『そうです。昨日はちょっと危なかったけど・・・』
キリシアは笑顔でフローネを見ながら言うと
『危ない事を・・・』
フローネは考えながら
『リリシャさん、魔法を見せてもらっても良いかしら?マルス君もね』
『はい!』
『岩場に行った方が良いのかな?』
『その方が良いですね。今日は天気も良いですからね』
フローネはそう言うと準備を始める
『じゃあ私は、ギルドに糸を預けに行ってくるね』
キリシアはそう言ってニコニコしている