リベリアの危機とリザード後処理
キリシアは休憩してから門に向かい様子を見ると、
『門が破られている』
門を見てキリシアが呟くと
『門の外に魔物の気配があるよ』
マルスが言うと門の上に登り、外を見るとリザードが群れでいる
『リリシャ、最大出力で焼き払う?』
リリシャが言うと魔力を集め出す
『ファイヤーストーム!!!!!』
リリシャとマルスは最大出力で魔法を発動すると、2つの大きな炎の柱がリザードを焼き払い、そしてマルスとリリシャの魔法は次第に動き始め、多くのリザードを次々と炎に飲み込んでいく
『すすっ凄い・・・・』
警備隊隊員が呟く
『リリシャ、ゴブリンの時より威力が上がったね』
キリシアが嬉しそうに言うと
『まだまだ未熟だから修行していますから』
リリシャが笑顔で言うと
『やはり凄い・・・これで未熟だと言う自体別次元・・』
警備隊隊員が苦笑いしながら呟く
『生きている人を探さないとね』
キリシアが言うとマルスはサーチで探していると
『あそこ詰所だよね。微かに生命反応があるよ』
マルスが言うと、警備隊隊員2人を残して見に行く。地下にいく扉が閉まっている
『誰かいますか』
扉を叩きながら言うと
『誰だ・・・・』
返事が帰ってくる
『警備隊だが、生き残っているなら手伝ってほしい!リザードは撃退出来たから』
警備隊隊員が言うとしばらくして扉が開き
『本当なのか?』
兵士が出てきて言うと
『自分の目で確認してくれ』
警備隊隊員が言うと兵士は外の様子を見にいくと
『こんな事が・・・門が・・・』
悔しそうな表情で見て回り、夕闇に包まれた外を見た瞬間青ざめる
『リザードが焼き払われている・・・・』
『門の周辺の警備は任せて良いのかな?』
キリシア言うと
『任せろ・・・リザード以外なら何とかする』
兵士が言うと仲間を呼びにいく、そして怪我をしている人はマルスとリリシャが治療してから迷宮に戻ることにする
『門はどうだった?』
『完全に破られていたけど・・・地下に隠れていた兵士が監視してくれているよ』
キリシアがガシリオに言うと
『このまま朝まで待機が良いな・・・残ったリザードを掃討出来ていないからな』
ガシリオが言う
『仕方ないけど、少し疲れたよ』
マルスが苦笑いしながら言うと
『少し休んでください。領主様から呼ばれていますので出掛けて来ますが、エビリアとクレスタが怪我人を殆ど治療してくれたので、冒険者と警備隊が周囲の警戒はしてくれます』
フローネが微笑みながら言うと、エビリアとクレスタが疲れて寝ている
『遠慮無く休ませて貰います』
キリシアが笑顔で言うと
『お兄ちゃん』
レティナが抱き付いてくるとマルスは頭を撫でている
翌朝、警備隊と兵士達は早くから町中を走り回り、リザードを捜索して、住民の帰宅の準備をしている。
『ちょっと相談がある』
ガシリオとフローネがやってきて言うと
『どうしたの?』
キリシアが微笑みながら言うと
『領主様が会いたいと言っておられた』
『面倒事は嫌だよ』
『領主様は隊長とバイル殿からきつく言われていて解っているが、もう少ししたらくるぞ』
ガシリオが苦笑いして言うと
『え?』
『内容はただの御礼だが・・・』
『英雄に祭るならお断り』
キリシアが言うと
『だよな・・・・』
ガシリオが苦笑いすると
『英雄は警備隊隊長だよね。警備隊を鍛え上げて、今回もいち早く行動して被害を最小限に押さえ、普通ならやらない迷宮に住民避難を誘導したしね。リザードも沢山倒して住民を守ったのも事実だからね』
マルスが言うと
『それが一番だな・・・実際騎士団長よりも実力あったからな』
ガシリオが言うとみんな納得する
『キリシア殿、リリシャ殿、マルス殿、それと弟子のみなさんですね。リベリア公爵ウイントレスです』
領主が挨拶すると、みんな挨拶する
『先ほどガシリオとフローネ様から話は聞きました。隊長の英断に対して住民に広く伝える事にします。今回町を救ってくださった事に対して御礼と何か褒美を、と思っていますがバイル殿が帰還後、相談させて貰います』
領主は笑顔で言うと民衆に演説をして帰っていく
『結構いい人だね』
キリシアが言うと
『貴族では無いような人だね』
リリシャが言うと
『ウイントレスはしばらく冒険者として迷宮に潜った事もあるので、庶民の考えが解るのだと思いますよ』
フローネが微笑みながら言うと
『ただ偉そうにしないのは、そう言う事なんだね』
キリシアが笑うと
『この街で冒険者ギルドと警備隊の仲が良いのはウイントレスが領主だからです』
フローネが微笑みながら言う
キリシア達は家に向かい、家の中の片付けと日常に戻る。
領主の緊急事態の使いは王都に向かい、そして国王に報告の為、謁見を待つが、中々取り次いで貰えずにいると、メトリシアがリベリアからの使者を見付けて事情を聞くと
『お祖父様!何故緊急を知らせる使いを2日も待たせているのですか?!!』
メトリシアが謁見の間に入り言うと
『メトリシア王女、今は大事な外交の会議中です。後にしてください』
大臣が言うと
『リベリアが魔獣の大群に襲われ救援の知らせを無視するのですね、調査も何もしないで!!』
メトリシアが言うと
『は?なんだと!魔獣だと!!』
騎士団長が声をあげると
『詳しくは公爵からの使いに聞いてください!』
メトリシアが言うと
『何故早く知らせない!国内の緊急事態は最優先の筈だぞ!!』
騎士団長が言うと
『すぐに通すように、緊急事態と言ってくる時点で最優先である』
国王陛下が言うと使いが入って挨拶をした後
『リベリアは数百のリザードの襲撃により、ここに緊急事態を宣言します。詳細は公爵様からの書簡で確認してください』
使いが言い、書簡を差し出すと、国王陛下は読み始めて顔色を変える
『騎士団長、ビックマザーリザードを複数相手に討伐は可能か?』
国王が言うと
『数によりますが・・・2匹なら騎士団全部で討伐に向かい、半数を失う覚悟が必要です』
『10匹ならどうなる?』
『王都にいる全軍で戦っても、全滅して国は滅びます』
騎士団長が言うと
『キングリザードならどうなる?』
『え?ききキングリザード!現れたらいなくなるのを待つしかありません・・・かつて出現したのはクレメス王国ですが、キングリザードに滅ぼされました』
騎士団長が言うと宮廷魔術師長も同意する
『リベリアだから撃退出来たのか・・・・』
国王はうつむき、頭を押さえる
『まさか・・・・キングリザードが出現したのですか?』
騎士団長が青ざめながら言うと
『皆に聞こえるように読んでやれ』
国王は内政担当の大臣に書簡を渡して読ませると
『何かの間違いと言うことでは無いのか!!』
『そうだ!そんな事有り得ん!』
『間違いで兵士を送れるか!!』
重臣達は口々に言うが
『本当かも知れんな・・・迷宮から帰ってきた冒険者達・・・英雄達の事ですな・・・ヴァンパイアを倒す実力があれば可能だから』
騎士団長が言うと
『騎士団長様宛の書簡も預かっています』
使いが言い、書簡を差し出すと、騎士団長は読み始めて涙を流す
『騎士団長どうした?』
国王が言うと書簡を読んで貰う
『ガシリオ?リベリア警備隊隊長の戦死?これは?』
国王が言うと
『ガシリオは元騎士団大隊長のガシリオでございます。警備隊隊長は次期騎士団長に推薦するつもりだった実力者で剣の腕は私を越えた実力者です』
騎士団長が言うと
『ガシリオか・・・あの男か・・・事態は事実と言うことだな』
国王が言うと
『誰か!至急二個大隊をリベリアに向かう準備をさせよ!!』
騎士団長が言うと
『待て!いくらなんでも二個大隊をいきなり送って何か王都で有ったらどうする!!』
大臣が言うと
『解らんのか!!馬鹿者!!南東から攻めてきたと有っただろう!その先にはどこが有る!!』
騎士団長が言うと
『え?・・・・あ!』
全員気が付き、外交担当の大臣を見ると
『まさか・・・』
外交の大臣は青ざめている
『10日前に情報があれば対応も考えられたが、完全に後手だ!今からリベリアの南東の全てを調べて状況を確認する必要が有る!それすら解らんのか!!』
騎士団長が言い、国王が同意すると、重臣達も同意する