11話 リリシャの憂鬱
『リリシャさん、付与魔法のやり方は?』
『魔石に魔力で魔方陣を書き込むの。付加できる魔方陣は効果によって違うから、比較的簡単な物から複雑な魔方陣まで色々あるの』
いくつかの魔方陣を本を捲りながら教えてくれた。
『付加は一つしか出来ないの?』
『いくつかの効果をもつ魔道具もあるから・・・だけど魔方陣がわからないの』
『奥が深い研究が必要って事だね』
リリシャは頷く
『魔石に魔方陣をかきこむ練習をした方が良いよね』
リリシャも頷く
『魔石に書き込みして単体で効果発揮するの?』
『魔石に効果を着けることは出来るよ。一回使ったら魔石は燃え尽きちゃうけど』
『魔石燃え尽きちゃうの?』
『燃え尽きちゃうけど、練習にはなるからね』
リリシャ微笑みを浮かべている
『中魔石でないと書き込めないの?』
『小魔石でも練習は出来るよ。書き込む魔方陣は限定されちゃうけどね』
『7層ぐらいの魔石で練習する?』
あまり小さいのは練習しにくいかもしれないしと思い聞いてみた
『うん!』
リリシャは微笑みながら頷く
『明日は7から10層で魔石を集めよう』
横で聞いていたキリシアが笑顔でいうと、リリシャは頷く
『魔法付加かぁー』
リリシャは寝台に横になりながら呟く・・・・
『ペキッ』
『あっ!』
魔石にヒビが入り、光が漏れ始め砕けていく
『また失敗しちゃった・・・』
『リリシャ!また失敗したのね!本当に不器用だよね!』
こっちを見て笑う少女
『邪魔だから退きなさいよ』
黒い煙を上げている魔石のカスを片付け、席を譲ると
魔方陣を発動して、魔石に書き込み始める少女
書き込みを終えた魔石を持って
『こんな簡単な事も出来ないなんて信じられない、班の足引っ張らないでほしいわね』
笑いながら周りの生徒に言う少女
『テシーラを見習いなさいよ・・・』
周りの生徒達もそう言いながら嘲笑う
『ん!』
少し明るくなっている部屋の中、目を覚ます
『嫌な夢を・・・・』
テーブルに魔道書を開き読み直し始めるリリシャ
『失敗しないように・・・手順を覚えなくちゃ・・・出来なかったらキリシアとマルスに見捨てられちゃうかも・・・・』
『どうすれば成功するんだろう・・・』
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