帰り道とリザード
リベリアまで2日の村に着いた
『村長、今夜、夜営を許可して欲しいのですが』
キリシアが村長にお願いすると
『良いが、出来れば早く出発した方が良いです。昨夜、近くまでリザードの群れが来たので、今夜当たりこの村も危ないですから』
村長は暗い表情で危険を伝える
『え?冒険者ギルドや領主様に依頼はしたのですか?』
『既に送ったが数日後になると思う。だから危険だから早く逃げた方が良い』
村長は絶望に暗い表情で言う
『どの辺りで見つけたのですか?どのぐらいの数を』
マルスが聞くとキリシアは笑顔になる
『北側の山だ。数は10匹以上だ。危険だから近寄らない様に』
『解りました』
マルスはそう言うとみんなで相談することにする
『え?リザード!危ないよね。すぐに倒しに行きましょう』
リリシャが微笑みながら言うとみんな頷いている
『リザード狩りに行こう』
キリシアが嬉しそうに言い、みんなで出掛けることにする
『ロイドは冒険者じゃないから留守番ね』
キリシアが言うと
『え?留守番!置いていくつもりか?』
『ロイドは留守番です。命令です』
メトリシアが笑いながら言うと
『え?本当に・・・畏まりました』
ロイドは苦笑いしている
北側の山に向かい、マルスがサーチで魔物を探すと、
『あっちだね。結構多いね』
マルスが言うと、みんなで向かう。人よりも大きなリザードが沢山いる
『さっさと片付けるよ』
キリシアは笑顔で間合いをつめ1匹目の頭を貫き、リザードが動かなくなると、キリシアは次のリザードを倒す。マルスも次々とリザードの首を切り落としてリザードの群れを全滅させる。
『返り血が面倒』
キリシアが苦笑いしていると
『もう一匹いる』
マルスが言うと大きなリザードが現れる
『獲物!!大きい』
キリシアは笑顔でリザードを槍で突くが、リザードは飛び退いて避ける。
『ブリザード!!』
マルスが氷の魔法でリザードの周囲を凍らせて、それを見たリリシャが
『ブリザード!!』
リリシャも魔法を使って辺りが氷に閉ざされリザードが氷漬けになると、キリシアが闘気をまとった槍でリザードの頭を切り落とす
『氷漬けにするなんて思わなかった』
キリシアが笑うと
『素早いから氷で動きを止めようとしたけど、リリシャが本気で氷漬けにするとは思わなかった』
マルスが苦笑いしている
『そうだったの?本気で魔法使ったら出来たから』
リリシャも苦笑いしている
『師匠達に出会わなければ、こんな大物倒せません』
ミリアが笑いながら言い、みんな笑顔で同意する
『村人に運んで解体して貰おう』
キリシアが言うと村人を呼びにルメイルが走る
『村人だけじゃ無いね』
キリシアがやってくる人を見て言うと
『討伐に来た兵士かな?』
リリシャが呟く
『あ!ガシリオだね』
マルスが言うとみんな手を振る
『まさか折角緊急で討伐に来たら既に先を越されているとは思わなかったぞ!』
ガシリオが笑いながら言うと
『獲物の輸送お願いね』
キリシアが笑いながら指を差して言うと
『は?ビックマザーリザード!デカ過ぎる』
ガシリオが青ざめると苦笑いしている
『面倒な輸送と解体よろしくね』
『無理だ!いくらなんでもこの大きさは、村に持って帰るぞ!』
ガシリオは苦笑いして言うと村人に手伝ってもらって村まで持ち帰る
『リザードは美味しいの?』
『鳥肉みたいで旨いぞ』
ガシリオが笑うと
『解体して食べよう』
キリシアが言うと村長に解体と料理を頼む
『しばらく前に、数百人王都へ移送していたが何か有ったのか?』
ガシリオが聞くと
『村を焼いた馬鹿者をお仕置きしたよ』
キリシアが答える
『まさかとは思ったが、喧嘩売られたのか?』
『そう言うこと。詳しくは副団長に聞いてね。今回は役に立ったから』
キリシアが言うとメトリシアが笑い出す
『何をしてきたか聞かない方が良いな!』
『リリシャがキレたから、面白い事を聞けるよ』
キリシアは笑ながら言う
『元宮廷魔術師は廃人にしていたからね』
マルスが言うと
『あれは、村人達の恨みを晴らしただけです!マルスだって面白そうに数百人のお仕置きを手伝っていたでしょ』
リリシャが慌てて言う
『師匠達の逆鱗に触れたらどうなるかは副団長に確認してくれ、怖いから』
ロイドが苦笑いしながらガシリオに言うとガシリオも苦笑いしている
『今回の件で、私は国王陛下に全容を伝えに一度帰ります。副団長だけだと隠し事しそうなので』
メトリシアが笑顔で言う
『デストラって言う人知ってる?』
『デストラか剣の腕は良いが剣術馬鹿だ!どうして知っている?』
ガシリオが懐かしそうに聞くと
『キリシアにボコられて泣いていたから』
マルスが答える
『デストラが・・・まさか今回の逆鱗に触れた中にいたのか?』
ガシリオが驚いて言うが
『別件だけどキリシアに滅多打ちにされて泣いていたから』
マルスが言うと
『ワハハハ!当たり前だな!』
ガシリオが笑い出す
『副団長が騎士団の剣指南役にして登用するよ』
『本当か?騎士団もやっと鍛えるのに良い人材を登用したな』
ガシリオが笑いながら言うとロイドも笑っている
『ガシリオとどっちが強かったの?』
『デストラが強かった!団長と同じぐらいだ!』
『今はどっちが強いかな?』
『同じぐらいだな!』
ガシリオが笑いながら言う
リザードの料理が出来て、村人と一緒に食べ、翌朝リベリアに向かって出発する
『警備隊がなんでここまで討伐に来たの?』
リリシャが聞くと
『リザードだと普通の兵士じゃ無理だからな。警備隊が出てきた。帰り道の冒険者に討伐されて、輸送係になるとは思わなかったが、この大物じゃ仕方ないな』
ガシリオが苦笑いしている
『仕事取っちゃってごめんね』
キリシアが笑いながら言うと
『この大きさでは逃げられて終りだな!倒してくれて助かったぞ』
ガシリオが笑い、周りの隊員も笑っている
門が見えてきて、馬車の列の横を通りながら進み、門の近くまで来ると
『止まれ!列に並べ!』
門番が言うと
『警備隊だ!東の討伐から帰ってきた!門番の隊長を呼べ』
ガシリオが言うと後ろの馬車を見るように言うと
『え?デカイ・・・・』
門番は立ち尽くすと、キリシアを見て苦笑いして走っていく
『マルス殿達でしたか・・・大きいですね』
門番の隊長は苦笑いしていると
『ここにいたら面倒だから、早くギルドに報告してきてください』
門番の隊長は苦笑いしながら通してくれるが馬車の列の人達は青ざめている
冒険者ギルドに到着して中に入り、ヘザーネのカウンターに並ぶと、みんな道を空けてくれる
『ヘザーネ、ただいま』
『キリシアさん、リリシャさん、マルス君、お帰りなさい』
『帰り道で獲物捕まえたから確認して』
キリシアが笑顔で言うと、ヘザーネを連れて外に出て獲物を見せて
『リザード!!この大きなのはもしかしてビックマザーリザード!!!』
ヘザーネは驚き声を上げる
『帰り道の村で困っていたから狩ってきたよ』
キリシアが笑いながら言う
『警備隊の仕事を取られたが、こいつが相手じゃ助かったがな!』
ガシリオが笑うと
『ギルドマスターを呼んできます』
ヘザーネは笑顔で奥に行き、バイルとゼタルがやってくる
『まさか依頼を出す前に倒して来てくれるとは、それも大物まで狩ってくるとは思いませんでした』
バイルはリザードを見て言うと
『帰り道にいる方が悪いね』
キリシアが笑いながら言う
『敵なしだな・・・・こんな大物、倒したのを見た事無いぞ!』
ゼタルが言う
『証を追加する必要が有りますが、帰り道に現れてくれて助かりました』
バイルも笑顔で言う
『解体お願いね』
『肉屋に伝えておきますが、青ざめますね』
バイルが笑うとヘザーネが苦笑いしている
『じゃあ行ってくるね』
肉屋に向かい店主を呼ぶと
『え?何を持ってきた・・』
青ざめながら言うと
『後ろのデカブツ、よろしくね』
キリシアが言うと
『え?デカイ・・・リザード?ビックマザーリザード!』
肉屋は青ざめて見ている
『よろしくね』
キリシアが言うと
『待て待て!これは無理だ』
肉屋は慌て出すが
『頑張ってね』
キリシアは微笑むと
『大物は良いが、普通のはどうにかならないか?』
肉屋は助けを求めるようにガシリオを見ると
『普通のリザードは警備隊で解体しよう』
ガシリオが笑いながら言うと帰っていく