リリシャとバスガルト男爵家の割譲
バスガルト男爵家の資産を、副団長と騎士達は確認し始める
『副団長金貨は約8000枚です。倉庫の金目の物は全部で金貨10000枚前後にはなると思います』
騎士が報告すると
『やはり足らないか・・・男爵どうする?』
副団長は男爵に言うと
『どうする事も出来ない!無いものは無い!』
男爵が言うと
『金貨10000枚分の領地をリリシャに明け渡すしかないな』
副団長が言うと
『なんだと!ふざけるなよ!』
『ふざけているのは男爵、貴様だ!』
『30000枚の決闘などあり得んだろ!』
『そうしたのは男爵だろ!陛下に報告して、男爵と男爵の一族から、強制徴収と男爵家取り潰しにしてもいいのだぞ!』
副団長が怒りながら言うと
『うっ!・・・・頼む、陛下には言わないでくれ』
男爵は頭を下げて言う
『領地の分割は問題なく了承するのだな!』
『わかった・・・・』
『地図を持ってこい!』
副団長が騎士に命令し、騎士が領地の詳細な地図を持ってくると、男爵と話ながら割譲する領地を決めていく
『かなりの範囲だな・・・だが山が多く価値が低い所だから仕方ないか』
『男爵家の領地が・・・・』
男爵は涙目になりながら呟くと
『リリシャがこれで許してくれるかどうかだな』
副団長が苦笑いしている
『リリシャ殿、強制徴収の結果だが、金貨8000枚と金目の物を合わせて金貨10000枚分と領地がこのぐらいの割譲だ!どうだ?』
『領地はいらない!』
『それしか男爵家を存続して徴収する事が出来ない!』
『誰かに売って金貨にして』
『誰かにか・・・・買い手は』
『祖父に言ってクレセ兄さんに売れば良い』
『次男だから良いのか・・・・』
『金目の物を減らして男爵家の秘書と魔道書全部入れてね』
リリシャが微笑みながら言うと
『書物など金貨1000枚にしかならんが、いいぞ』
副団長が言うと男爵が頷いている
『じゃあ後の事は任せたからね』
リリシャは微笑みながら言う
デストラはキリシアに訓練をつけて貰いながら
『やはり強い・・・』
デストラは呟きながらキリシアに挑んでいくが、キリシアは軽くかわして一撃でデストラを弾き飛ばす。それを眺めながら副団長は
『デストラが子供扱いか・・・団長が勝てないのは当たり前だな』
副団長が呟くと
『デストラと知り合いなの?』
マルスが聞く
『元は騎士団員で団長になれなくて退団したが、まさか男爵家で兵士をやっていたとは』
『そうなんだね、騎士団に戻さないの?』
『は?確かに欲しい人材だが、頭が悪い』
副団長が苦笑いしている
『え?頭が悪い?バカなの?』
『剣術バカだ』
『騎士団の剣術指南にすれば団員を鍛えてくれるよね』
『なるほど、適材適所かそれは良いかもしれないな』
副団長は笑い出すとデストラと話し込む。デストラは剣の鍛練だけを仕事にして書類仕事など無しにしてくれるならやると言っていたが、副団長は護衛と魔物討伐ぐらいやれと了解を得る
リリシャ達は一度子爵家に向かい
『クレセ兄さんこの領地を金貨10000枚で買ってください』
リリシャがクレセに言うと
『は?領地を?金貨10000枚!!!』
クレセは青ざめて苦笑いしている
『資金は即金なのか?』
子爵が笑顔で聞いてくると
『分割で良いです、別に面倒な事が無ければ良いだけだから』
リリシャが微笑みながら言う
『確かに金貨10000枚の価値はあるとは思うが、金貨は貰えなかったのか?』
子爵が疑問を挙げると
『もう一回決闘を申し込んできたから、叩きのめしただけで、金貨30000枚になりました』
リリシャが微笑みながら答える
『え?30000枚・・・男爵家は渋々領地を割譲したのだな』
子爵が苦笑いしているとみんな笑い出す
『領地はいらないから、兄さんよろしくね』
リリシャが言う
『爵位は無いが子爵家の飛地の領主と言うことだな!わかった』
クレセは笑顔になって言うと
『頑張ってね』
リリシャは微笑みながら言う
『副団長はどうした?』
『男爵家で食料を仕入れて侯爵領に運んでいます。そのうちこっちに寄ると思いますので、詳しい話は聞いてね』
リリシャが微笑みながら言うと
『副団長を完全に小間使いにしているな』
子爵は苦笑いしている
そして、リベリアに帰ることにして子爵家を出発する
『師匠、一度王都に帰り、国王陛下に今回の件を報告してきます。不治の病気が治ったことも報告します』
メトリシアが言うと
『帰ったら、杖をミリアに付与魔法で作って貰おう』
マルスが微笑みながら言うと
『え?わわわ私がするのですか?』
ミリアが驚いて聞き返す
『実力は有るから、付与魔法の前準備も教えるし、初めての付与魔法の杖は妹弟子の杖だよ』
マルスが言うとリリシャは笑顔で頷いている
『全力でメトリシアの杖を作ります』
ミリアが笑顔で言うとメトリシアも嬉しそうにしている