リリシャとトリエスト子爵家前編
翌朝、メトリシアは、町の外に出掛けるためにロイドを呼び出す
『全員いるね』
キリシアが確認する
『ロイドしっかり着いてきてね、護衛なんだから』
マルスが微笑みながら言うと
『え?どこまで行くのか教えてくれないのか?』
ロイドが苦笑いしながら尋ね
『着けば解るよ』
マルスが答える
『出発!』
キリシアが笑いながら言うと町の外に向かい、門番に出掛けると伝え、町から出て東に向かう。そして5日後、トリエスト子爵家の町まで到着する
『リリシャ、町には入った方が良いのかな?』
マルスがリリシャを見ながら言うと
『顔を知られているから、出来れば誰にも見られないで入りたい』
リリシャが言うと
『町の壁を飛び越えて入ろうか?』
キリシアが微笑みながら言うと
『3人なら余裕だね』
マルスが微笑みながら言う
『夜に侵入しましょう』
リリシャが微笑む
馬車は先に入り、夜になってからキリシアとマルスとリリシャは町の壁を飛び越えて町に潜入する事にする。そして宿屋で合流する約束をして、馬車は先に町に向かう
『無事に馬車は入れたね』
キリシアは遠目に馬車が町に入っていくのを見てから言う
『日が落ちたら移動しよ』
『犯罪まがいの事をさせてごめんね』
リリシャが謝ると
『理由が理由だから仕方ないよ。弟子に迷惑をかけたくないからね』
キリシアが微笑みながら言い、マルスも頷いている。夜闇に紛れて町の壁に到着するとマルスはサーチを使い人がいないのを確認してから、キリシアが町の壁を飛び越えて次にリリシャを上に投げあげて壁の上に登り、マルスは闘気と筋力強化を使い壁を飛び越えて侵入すると宿屋に向かう
『リリシャ、これからどうする?』
キリシアが聞くと
『少し聞き込みしてから決めようと思います』
リリシャは考えながら答える
『少し町中を歩いて噂を聞いてみようか?』
マルスが微笑みながら言い、出掛けることにする。市場や酒場で噂を聞いていると、騎士や宮廷魔道師が来てからおかしくなった事と領主が病気で次男が代理をしている事がわかった。ルメイル達も町で噂を聞いてきてくれていた
『リリシャ、この次男は叔父に当たるのかな?』
マルスが聞くと
『そうです。祖父は叔父を認めていなかったので、代理を任せるとは思えません。それに宮廷魔道師も気になります』
リリシャが言うと
『アニーからの情報も合わせるとリリシャの兄弟は監禁されているのかな?』
キリシアが言う
『事情は兄から聞いた方が良いかも知れないですけど・・・どうするかです』
リリシャが少し暗い顔をしている
『家も兵士に見張られていたから、直接入るのは危険だよね』
マルスが言うと
『誰か他の知り合いに聞いてみるしかないね』
キリシアも考え込む
『面倒だから、明日、領主の館に入っていく人から知り合いを探して聞いてみるしかないかな?』
マルスが言うとリリシャとキリシアが同意する
翌朝、領主の館を見張っていると、多くの人が出入りしている中に、リリシャは知り合いがいるのを見つける
『いたの?知り合い』
『小さい頃世話をしてくれた人がいました・・・』
リリシャが呟くと
『夜に会って聞いてみる?』
キリシアが言うとリリシャは頷く。そして夜になってから男の家を訪ねるために、家の前で待つことにする
『じい、お久しぶりです』
リリシャが男を見て挨拶すると
『え!リリシャお嬢様!』
男は驚きながら言う
『少し聞きたいことがあるのだけど』
『ここでは、中にどうぞ』
男は笑顔で家に招き入れてくれ、リビングで話を聞くことにする。マルスはサーチで人の動きを見ていると1人が急いで出て行くのを確認する
『じい、どうなっているの?』
リリシャが訪ねると
『どうと言うと?』
『叔父が領主代理をしていると聞いたんだけど、それに家を兵士達が見張っているなんて・・・何が起きたの?』
『子爵は病で寝込み、父君も病で療養中なので、叔父が代理を勤めています』
男が笑顔で言うと
『お兄様は家にいるのですか?』
『そうです、奥様も家におられます』
『どうしてこんな事になったのですか?』
リリシャが困惑しながら言うと
『すぐに解ると思いますが、王家と侯爵家からの指示です』
男は薄ら笑いを浮かべて言うと表に足音が聞こえてくる。そして兵士達が入ってくる
『え?じい、これはどう言うこと?』
リリシャは困惑しながら言うと
『バカなお嬢様だ!ここに来なければこんな事にならなかった物を!ワハハハ』
男は笑いながら言うと
『どうして!』
『冷遇されていたし、全てはお嬢様が魔法学院卒業後どこにも仕官できなかったのが悪いのだよ!バカお嬢様!』
男はそう言ってリリシャとキリシアとマルスを捕まえて連行させる。そしてリリシャの家に連れていかれ軟禁される
『リリシャ!』
男がそう言うと
『ジエル兄さん、クレセ兄さん!』
リリシャが返事をする
『どうしてリリシャがここに・・・・追放されたのに』
ジエルが言うと
『じいを訪ねたら捕まりました』
リリシャが答える
『あいつ!!裏切り者め!』
クレセが恨めしそうに言う
『何が有ったのか教えてください』
リリシャが言うと
『数ヶ月前、宮廷魔術師と騎士達が来てから、侯爵家と叔父が手を組んで祖父と父を監禁し、俺たちも家に捕まってどうにもならない・・・騎士と宮廷魔術師が相手ではどうにもならない』
ジエルが悔しそうに言うと
『今、領主の館にいるのは全員裏切り者なの?』
リリシャが言うと
『そうだ・・・味方は少ないからどうにもならない』
クレセが言う
『リリシャ、決まりだね。領主の館にいる人全員叩き潰そう』
キリシアが微笑みながら言うと
『は?なんだ君は何を言っているか解っているのか?』
ジエルが驚きながら言うと
『兄さん達は味方を集めてください』
リリシャは微笑み部屋を出ていく。そしてキリシアとマルスとリリシャは屋敷の周りにいる兵士を次々と叩き潰してから屋敷に投げ込んでいく
『なんだ・・・リリシャ・・・2人は強い』
クレセが驚き呟くと
『縛り上げて監禁しておいてください。ちょっと仲間と領主の館に行ってお仕置きしてきます』
リリシャは笑顔で言うと、キリシアとマルスは笑いだす
『は?何を・・・』
ジエルが困惑している
『行ってきます』
リリシャは笑顔で言うと屋敷を出ていく。宿屋に戻りみんなと合流してから領主の館に向かう
『あ!じいが出てきたね』
キリシアが見つけて言うとリリシャは微笑みながら近付いていく
『じい、裏切り者だったのですね』
リリシャが微笑みながら言うと
『え?なんでここに・・・・お前達捕まえろ!』
男が言うと門から兵士が3人出てきて、キリシアとマルスが門に向かい3人を殴り飛ばして門の中に入り、近くにいる兵士を叩き潰し始める
『何をやっている!!』
男は青ざめながら叫ぶ
『ポイズン』
リリシャが微笑みながら魔法を使う
『ぎゃぁーーー』
男は転がりながら苦しんでいる
『パンシー』
男は苦悶の表情を浮かべながら涙目になっている
『ポイズンリカバー』
『パンシーリカバー』
『なんだ・・・・リリシャ!!何をした』
男は涙目でリリシャに言うが、リリシャは門に男を投げ飛ばしてから歩いていき、ルメイルたちも続いていく。兵士達を門の内側まで次々と投げ飛ばす
『リリシャ、閉めて良いのかな?』
キリシアが微笑みながら言うと
『良いよ、だけどじいはちょっとお仕置きしておくから待っていてね』
リリシャは微笑みながら言うと男に回復魔法を使った後に
『何をする!』
男は少し怯えている
『お仕置きですよ』
リリシャは微笑みながら言うと
『パンシー』
『ポイズン』
男は苦悶の表情を浮かべている
『ポイズンリカバー』
『パンシーリカバー』
『なんだ・・・・魔法なのか・・・』
男が怯えながら言うと
『パンシー』
『マルス、ちょっとお仕置きしてね、死ななければ良いから』
リリシャは微笑んでいると、マルスは地面に何回か叩きつけてから両手両足を砕いて、リリシャの前に転がす
『パンシーリカバー』
『助けてください』
男はリリシャに言うと、ミリアが回復魔法を使い、回復させる
『マルス、もう一回お願いね』
リリシャが微笑みながら言うと、マルスはもう一度ボコボコにするとミリアは回復魔法を使い回復させる
『おおお嬢様・・・・何でもしますのでもうやらないでください』
泣きながら言うと
『まだまだ終わりませんよ』
リリシャは微笑みながら言うと、マルスに両手両足を折るように伝えマルスが両足両足を折る。周りにいる兵士達は怯えているがルメイルとロイドがロープで縛り上げていく