窯作成
家に帰ると
『マルス様お帰りなさい』
ラーザが門を開けてくれる
『ラーザ、ただいま』
玄関に行くとレティナが出てきて
『お兄ちゃん』
抱きついてくる
『ただいま、レティナ』
『マルス、お帰りなさい、遅かったけど何か有ったの?』
リリシャが笑顔で言うと
『ちょっと襲われただけだよ』
『え?また!賊は警備隊に?』
『警備隊に渡してきたよ』
マルスが笑顔で言うと
『襲われていたのがロイドさんの姪だったみたいで、ロイドさんが怒っています』
クレスタが言うと
『ガシリオさんが止めなかったら、今頃ボコボコにされています』
エビリアが笑顔で言うと
『ロイドの姪?この町にいたの?』
『踊り子兼伴奏の仕事で、昨日来たと言っていたね』
マルスが言うと
『昨日来たばかりで災難だよね』
リリシャは心配そうに言うと
『ロイドが今頃、色々説明していると思うよ』
『そうですね』
リリシャも笑顔になって、みんなで工房に向かうと既に魔石と糸が繋いで置いてある
『準備出来たんだね』
『遅いから全部終わらせて、あとは付与魔法のみにしてあります』
リリシャが笑顔で言うと
『わかったすぐに始めよう。クレスタは革の準備もしてね』
『はい!解りました』
クレスタは笑顔で革を出して準備を始める。マルスは2階に行き、魔石に書き込む準備を始めると
『一度試し書き込みするね』
マルスはそう言って魔方陣を発動してから魔石に魔方陣を書き込んでいく。魔力制御貯蔵構造強化型と中級火属性加熱を書き込んだ魔石を
『リリシャ確認して』
リリシャは魔石を受け取り確認して
『綺麗に書き込めています』
リリシャは笑顔で言うと、マルスは魔方陣を発動して魔石に魔方陣を書き込む
『リリシャ、よろしく』
リリシャは魔石を受け取り、魔方陣を確認してから魔力を通して魔道具化すると淡く光り、完成する。マルスは次々と書き込み、完成していくと、全部の書き込みを終わらせる
『全部終わったけど大丈夫かな?』
『後はクレスタ達に任せて休憩しましょう』
リリシャが微笑みながら言うと
『そうだね、あ!どうせなら探知用の魔石も作ろうか?』
『あ!そうしましょう』
リリシャが笑顔で言って魔石を持ってくると、マルスは受け取り、魔方陣を発動してから魔石に魔方陣を書き込み
『リリシャ、確認して』
リリシャは受け取り、確認してから魔力を流して魔道具化すると、マルスは次々と付与魔法をしていく
『全部終わりましたよ』
リリシャが笑顔で言うと
『後は何か有るかな?』
マルスが言うと
『少し休憩してくださいね』
リリシャは微笑みながら言う
下に降りるとクレスタ達が糸に革を巻いてから縫い合わせている
『何本かもう出来たんだね』
『あ!はい!』
クレスタが笑顔で言うと
『縫い合わせ上手いね』
『ありがとうございます』
クレスタは嬉しそうにしている
全部終わってから窯の中に設置する
『これで終わりかな?』
マルスが微笑みながら言う
『後はどのぐらいの熱量があるか確認するだけです』
リリシャも微笑みながら言う
『一つずつ加熱してみようか?』
『そうしましょう』
マルスは一つずつ魔石を触りながら加熱にしていく
『アニー、熱量足りているかな?』
アニーはパンの生地を窯に入れてみると
『え?こんな早く・・・・ちょっと熱いぐらいです』
アニーは驚きながら言うと
『何個か停止して調節してみて』
マルスが言うと
『はい!』
アニーは笑顔で窯を見ながら火力を調節して
『半分でもパンは焼けます』
アニーは笑顔で言う
『あれ?強すぎたかな?』
マルスがアニーを見て言うと
『正直言いますと、強すぎました』
アニーが言うとみんな笑い出す
『付与魔法弱いのにすれば良かったね』
『そうだね・・・使えるかな?』
『パンよりパイなど色々使えます。火力が調節出来ますし、火力を最大で先に温めて弱くすれば、パンも早く焼けます』
アニーは笑顔で言うと
『良かったー一瞬どうしようと思ったよ』
マルスが苦笑いすると
『火力が無いと出来ない料理が有るのですが挑戦しても良いですか?』
アニーが微笑みながら言う
『色々試してみて、食べる方はキリシアが食べてくれるから』
マルスが言うとみんな笑い出す
『美味しいものならきっと毎日作ってと言いますね』
リリシャが言うと
『ん?窯完成したのかな?』
キリシアがやってくる
『ちょっと失敗したよ』
『え?失敗じゃあ美味しい料理出来ないの?』
キリシアが残念そうに言うと
『火力が強すぎたから調節して使えば大丈夫だよ』
『もう!驚かさないでよ!』
キリシアは笑顔になって言う
『今からアニーが美味しい料理に挑戦するから邪魔だけはしたらダメですよ』
リリシャがキリシアに言うと
『楽しみに待っているね』
キリシアは笑顔になり窯を見ている
アニーが準備をしている間に、テスラに窯の使い方を教えて、準備をしていたパンを焼いて貰うと、上手く出来てテスラは満足そうに明日の為にパンを焼いていく
『このパン美味しい』
キリシアが出来立てのパンをつまみ食いしている
『焼き上がったパンはどこに有るのかな?』
マルスがパンを取りに来ると
『そこの籠の中だよ』
キリシアが言うと
『え?無いよ。キリシア』
『そんなこと無いよ!』
キリシアが籠を見ると
『え?何故無いの?・・・・・まさか』
キリシアは青ざめている
『キリシアもしかして全部一人で食べちゃったの?』
『え?・・・・美味しかったから食べたけど・・・』
キリシアが言うとマルスはキリシアを連れて戻り
『リリシャ、キリシアが』
『マルス、どうしたの?』
『ゴメン・・・ついつい美味しくて・・・気が付いたら全部食べていた』
キリシアが顔を赤くして言うと
『え?全部食べちゃったの?』
リリシャが言うとみんながキリシアを見る
『食べていたら、籠にパンが残ってなかった』
『キリシア、みんなのごはん独り占めは良くないですよ』
リリシャは笑いながら言うとみんな笑い出す
『これは・・・・パン用の窯も作らないとダメかな?』
マルスは苦笑いしながら言うと
『マルス作って!!』
キリシアが言うとみんな頷く