客船の完成と耐久確認
数日後、船が完成すると、リリシャは甲板で下を見ている
『リリシャ師匠・・・いつも通りです』
エミールがマルスの横に来て言う
『いつも通り、みんなで海に流そう』
マルスが笑顔で言うと、みんな集まってくる
『マルス、クレシア様達が乗りたいそうです』
フローネが微笑みながら言う
『海に流し込んでからで良いですか？』
『マルス様、リリシャ様と甲板から見たいとも思います』
クレシアが笑顔で見上げている
『言うことを聞かないから、頼む』
ヘルトが諦めたようにマルスを見ている
『怪我されても困るからな』
マルスが考え込んでいる
『リリシャ様が居ますから』
『リリシャがいるから、もしもの時は飛んで回避出来るけど・・・浮揚の魔導具は来て下さいね』
マルスが考えながら言う
『クレシア様、甲板まで案内します』
エミールが微笑みながら言うと、クレシアとマキリクをレビテーションで浮かせて、フライで飛んでいき、ミリア達がヘルトとレセナとクレオルとビレスト達を浮かせて飛んでいく
『え！ 王族全員？』
マルスが驚いている
『お義母様、行きましょう』
ヒリアが微笑みながら言うと、レズオスが頷いている
『クレシア様だけだと思っていたけど』
マルスが苦笑いしてフローネを見ている
『ふふふ、楽しそうですから・・・マルス達以外で経験出来ないからですね』
フローネが微笑みながら言う
『怪我だけしないように気を付けて欲しいけど』
『伝えておきますね』
フローネが微笑みながら船の方に歩いて行くと、マルスが見送っている
エミール達が戻ってくる
『マルス師匠、早く終わらせましょう』
エミールが微笑みながら言う
『水を集めて流そう』
マルスが言うと、みんなが魔力を集めて海からアクアコントロールで水を船の回りに集め始めると、船が浮き上がり、勢い良く海に流し、リリシャ達が楽しそうに笑っている
船が双胴船に横付けすると、リリシャ達が双胴船に降りて、マルス達が飛んでくるのを待っている
『マルス、次は何をしますか？』
リリシャが微笑みながらマルス達を見ている
『船の強度を確認しようか？ 沖まで持っていこう』
マルスが笑顔で言うとみんなウンディーネ号に乗り込んでいく
ウンディーネ号が進み、船をアクアコントロールで運んでいき、一目の付かない沖まで到着する
『マルスどうしますか？ 魔法で吹き飛ばしますか？』
リリシャが微笑みながら言う
『取り敢えず船を横倒しにしたり、ひっくり返して、沈まないか調べよう』
マルスが笑顔で言うと、リリシャがアクアコントロールで船を浮き上がらせてから横倒しにして、船はすぐに元の姿勢に戻る
『これでどうかな？』
マルスが笑顔で船の周囲の水を操り、船の周囲の水が沈み込み、解放すると、勢い良く船に水が入り込み、船が浮き上がってくる
マルス達が次々と船を沈めていると、クレシア達が興味深く見ている
『沈まないのですね』
ビレストが船を見ながら呟く
『普通の船ならバラバラになるぐらいの衝撃だと思うが・・・沈めたいのか？』
ヘルトが苦笑いしている
『マルス達ですから、壊すまでやりそうですね・・・魔法で吹き飛ばすとおもいます』
フローネが微笑みながら言う
『マルス様ですから、やります』
レセナが笑顔で言う
『あの船なら安心して航海出来そうです』
クレオルが笑顔で言う
『あの揺れの中乗りたくないな』
ヘルトが苦笑いしていると、みんな思い浮かべ頭を押さえている
『人が乗っていたら、大変な事になるな・・・』
レオレトレスが苦笑いしている
『海戦でリベリアの英雄様は敵無しですから・・・女神ヴァルキリーの天罰が下りますね』
クレシアが笑いながら言う
『噂の天罰ですね・・・船に乗るのが怖くなりますね』
ビレストが苦笑いすると、炎の玉が船に向けて放たれ、大爆発と熱風が吹き荒れると、炎と蒸気の中から船が見えてくる
『魔法対策済みですね』
フローネが微笑みながら言う
『やっぱりマルス様です』
レセナが微笑みながら言う
『あの船どのぐらいの価値でしょう』
ビレストが呟く
『マルス様ですから、金貨一枚と言いそうですね』
クレシアが笑いながら言う
『マルスですから任せたの一言でしょうね』
フローネが微笑みながら言う
『価値なんて何も言わないと思います』
レセナが笑顔で言う
『買いたい人は多いでしょうが・・・無理ですね』
ビレストが思い浮かべながら頭を押さえ始める
『城をお祝いと言って帰っていく英雄殿だからな・・・どうやって管理して良いか・・・はぁ』
レオレトレスが頭を押さえながら呟く
『災難だったな』
ヘルトが軽く言う
『厨房嬉しいです』
レセナが満面の笑顔で言う
『あの建物を厨房と言うのは、英雄殿達だけですが本当に良い屋敷ですわ』
ビレストが嬉しそうに言う
『結婚式場という町を作る英雄殿だからな』
ヘルトが苦笑いしている
『視察が楽しみですね』
ビレストが軽い言葉で言う
『覚悟しておいて下さいね・・・マルス達が作ったのですから』
フローネが微笑みながら言う
『はい、厨房が楽しみです』
レセナが満面の笑顔で言う
『楽しみですね、レセナ様一緒に楽しみましょうね』
クレシアが微笑みながら言う
『クレシア、厨房から出て少しは挨拶もして欲しい』
ヘルトが苦笑いすると、クレオルがレセナを見ている
『料理を沢山作りますよ』
クレシアが笑顔で言うと、ビレストが笑っている
『クレオル様も手伝いますか？』
レセナが笑顔で言う
『レセナ様、皮剥きぐらいなら手伝います』
クレオルが笑顔で言う
『まさか・・・』
ヘルトが慌ててクレオルを見ている
『クレオルはいつの間にか、レセナ様と料理を作ってますわ！ 平和は良いですね』
ビレストが笑顔で言うと、レオレトレスが頭を押さえている
（１国の王太子が料理作りをしているのか？ 国民が知ったらどうなるか・・・影響は怖いな・・・王妃様が認めているのもおかしいだろうが・・・もしかして英雄殿に感化され過ぎたのか？）
