アーメルドの準備 後編
エミールがドレスを持ってくると、メリカ達もやって来る
『中々良いドレスです・・・上品な刺繍・・・なるほど・・・あいつが最高級品と言うだけの事はあるな』
オルクスが微笑みながらドレスを見ている
『え! 最高級品!!』
メリカとメリカが思わず叫ぶ
『オーダーメイドで作られた物ですが、恐らく何処かの貴族が取り止めた物でしょう・・・王都なら良くあることです。 生地も中々良い物を使ってますから』
オルクスが笑顔で説明していると、メリカとクレカが泣きそうになっている
『マルス様・・・着るのが怖いです』
メリカが涙目で言う
『オルクスが作るものと、どっちが上かな?』
マルスが笑顔で言う
『このぐらいなら、喜んで作らせて貰います。ルキア様とリーネ様のドレスも3着づつ作らせて貰いました』
オルクスが笑顔で説明している
『全員のドレス追加かな? メリカとクレカがこのドレス着たくないなら・・・』
マルスが笑顔で言うと、オルクスが笑みを浮かべている
(マルス様の笑み・・・これ以上のドレスとどっちが良いと聞くつもりですな)
『取り敢えず、ウルシナ生地等ですぐに仕立てましょう・・・ドラゴンの生地も使い・・・水龍の繊維も有りましたな・・・ふふふ』
オルクスが笑みを浮かべていると、クレカとメリカが青ざめて顔を見合わせている
(ドラゴン? 水龍? ウルシナ生地!! 絶対にとんでもない物を作ろうとしています!! もしかして・・・リリシャ様のドレスですか!!)
『絶対着たくないです!! 物凄いドレスにされます』
クレカが叫ぶと、みんな笑っている
『金貨100枚から200枚ぐらいですな』
『あ! オテリオスの宝石も沢山有るから、使ってね』
『オテリオスの宝石!! 凄い物を簡単に持っていますな!!』
オルクスが笑顔でマルスを見ている
『マルス様!! ドレスは! このドレスで良いです!! もう作らないでください!! 怖い物しか思い浮かびません!!』
メリカが慌てて叫び、みんなメリカとクレカを見て微笑んでいる
『残念ですな・・・折角王族でも着れないドレスを作れそうだったものを』
オルクスが笑顔でクレカとメリカを見ている
『え!! おおおおおお王族でも!! そんなとんでもない物を作らないでください』
クレカが慌てて叫ぶ
『この素材を使えるのは、リベリアの英雄様だけだからな』
オルクスが笑っていると、クレスタが笑顔で戻ってくる
『マルス師匠、リリシャ師匠が呼んでいます』
クレスタが笑顔でマルスの手を引っ張って連れていく
『あ! 待って下さい』
エミール達が追いかけていく
『楽しみだな』
オルクスが微笑みながらマルス達の背中を見ている。メリアがエリカと戻ってくる
『作らないですよね?』
メリカとクレカがオルクスを見てから、メリアを見ている
『メリア様、お待ちしてました』
オルクスが微笑みながらメリアに挨拶をしている
『もう、マルス師匠は』
エリカが剥れながらマルス達の背中を見ている
『マルス様ですから・・・オルクスさん、生地は結構有りますので、後程見てください。 ドレスなどですが、ライオちゃんとキスカ様とオリバン様の分を至急お願いします』
メリアがオルクスを見て言う
『キスカ様とオリバン様の分ですか? 畏まりました。御紹介をお願いします』
オルクスが笑顔で言うと、メリアが周囲を見ている
『メリア様、先程倒れていましたので、部屋にいます』
エリカが笑顔で言う
『オルクスさん、案内します』
メリアが笑顔で言う
『倒れたなら、心配ですな・・・後で良いですが』
オルクスが考えながら言う
『いつも倒れていますから・・・マルス様の御両親様ですが・・・貴族に会うと緊張して倒れます。 メーレシア様と目が合っただけだったのに・・・結婚式大丈夫でしょうか?』
メリアが困ったように呟く
『レセナ様と会って倒れましたから』
エリカが苦笑いしている
『なれてくれたと思ったのに・・・』
『パーティー中はガードするようにします』
エリカが笑顔でメリアを見ている
『エリカちゃんとフローネ先生がガードしてくれても、王族が集まるから心配です』
メリアが困ったように呟く
『心配は尽きないですよね』
エリカが苦笑いしている
『もっと仲良く話したいのに・・・』
メリアが呟くと、エリカが笑っている
(メリア様も王族ですから、仲良くなれないです。メーレシア様も仲良くしたいと近付くから倒れられているのに)
『メリア様、マルス様よりメリカ様とクレカ様のドレスを頼まれましたが、どうしましょうか?』
オルクスが笑顔で言うと、メリアとエリカがドレスを見てからクレカとメリカを見ている
『このドレスで良いです!! 怖いドレスを作らないでください』
クレカとメリカが慌てて叫ぶ
『残念ですな』
オルクスが笑いながら言う
『手直しだけはお願いします。 キャスカ様とオリバン様とライオちゃんの分が最優先でお願いします。マルス様の式ですから、用意してない方が恥になります』
メリアが微笑みながら言う
『お任せ下さい』
オルクスが笑顔で言うと、メリアの案内でキャス号に入っていく
マルスがリリシャの元に向かう
『マルス、サイズ大丈夫だったから、付与魔法しましょう』
リリシャが微笑みながらマルスを見ている
『マルス師匠、がっかりしましたか? リリシャ師匠のドレス姿を見られると思って』
クレスタがマルスを見ていると、エミール達が笑っている
『え! そんなことは無いよ・・・リリシャ、魔力の通りを確認しようか?』
マルスが少し慌てて言う
『リリシャ様、もうドレス着替えてしまったのですか?』
レセナとビレストが入ってきてリリシャを見ている
『マルスに見せるのは、式までお預けにします』
リリシャが微笑みながら言う
『こちらのネックレス等を届けに来ましたわ、是非式で使ってくださいな』
ビレストが微笑みながら言うと、レセナが小箱を開けてリリシャに見せている
『綺麗』
リリシャが嬉しそうに箱の中を見ている