マルスの散歩 中編
『マルス様の結婚式ですが、アーメルドから船上パーティーになるのですか? 噂は色々飛び交ってます』
店主が笑顔で聞く
『復興中の町だよ、内緒だけど』
『復興中の町ですか? それなら納得です。 アーメルドから船旅もさせるのですね』
『来るの?』
『2日後、グラベルと糸屋の爺さんと革屋と出発します』
店主が笑顔で言う
『あれ? 乗りきれるかな? エミール、客船増やした方が良いかな?』
マルスがエミールを見ている
『アーメルドで遊びましょう』
エミールが微笑みながら言う
クレカとメリカが戻ってくると、ロメイルとケメルが笑顔で見ている
『良いね』
マルスが笑顔で言う
『似合ってます』
エミールが微笑みながら見ている
『宝石付きのドレスは必要無いです』
クレカが泣きそうになっている
『気に入らないか・・・仕方無いな・・・オルクスに水蜘蛛かドラゴンの繊維のドレスを仕立てて貰うかな?』
マルスが笑顔で考えている
『良かったですね、王族でも着れないドレスを作ってくれますよ』
エミールが微笑みながら言う
『え! えーーーーーー 助けて下さい』
メリカが泣きそうになっている
『気に入らないか・・・魔導具化するしか無いか・・・あれとあれとあれを付加して・・・』
マルスが笑みを浮かべながら考えている
『リリシャ師匠のドレス並みのドレスになりますね』
エミールが笑っている
『そのドレスが一番安いですね』
エレーヌが微笑みながら言う
『マルス様の付与魔法・・・絶対に無理です!! このドレスの方が良いです』
メリカが慌てて叫ぶ
『絶対に無理です!! エミール様助けて下さい』
クレカが泣きながら言う
『店主頼んだ』
マルスが笑顔で言う
『はい、畏まりました。他は御座いませんか?』
店主が笑顔でマルス達を見ている
『オルクスが準備しているからな』
マルスが考えている
『オルクス羨ましいですから・・・何でも作ります。 ドレスでも侍女の服でも何でも御用意致します』
『マルス師匠、何も無いですね』
エミールが微笑みながら言う
『このドレス全力で手直しさせて貰います』
店主が少し残念そうな顔をしてから笑顔で言う
『何か有ったら、呼ぶからね』
マルスが笑顔で言うと、店主がクレカとメリカのドレスの手直しする場所を考えながら、メリカとクレカと相談している
町中を散歩して回っている
『マルス師匠、結婚式の肉は手配したのですか?』
エミールが肉屋を見て呟く
『聞いてないけど、アニーだから・・・』
マルスが考えている
『マルス様、レティナちゃんが狩に行きたいと言ってました。 町に着いたら探しに行くつもりだそうです』
クレカが思い出した様に言う
『心配だな・・・未踏の地の魔物は・・・』
マルスが心配そうに呟く
『冒険者ギルドで聞いてから帰りますか?』
エミールが笑顔で言うと、冒険者ギルドに向かって歩いていく
冒険者ギルドに入り、掲示板を見ている
『大物居ないですね』
エレーヌが掲示板を見ながら呟く
『この辺りの大物居ないのか・・・』
マルスが残念そうに呟くと、冒険者達が笑みを浮かべてマルス達に近付く
『この女連れの若造』
冒険者が笑みを浮かべながら近付いてくる
『愚か者が居ました』
エミールが微笑みながら言うと、クレカとメリカが冒険者を見ている
『ん? え・・・・申し訳ありません!!』
冒険者がクレカとメリカを見て慌てた様に叫び、走って冒険者ギルドを飛び出していくと、冒険者達が爆笑している
『え! 逃げました・・・何故?』
クレカが驚きながら呟き、入口を見ている
『マルス君、エミールさん、エレーヌさん、ロメイル君、ケメル君、クレカちゃん、メリカちゃん今日は何か御用ですか?』
ヘザーネが微笑みながらマルス達の方にやってくる
『良い肉が無いか見に来たよ』
マルスが笑顔で言う
『肉ですか? 聞いてきますね』
ヘザーネが微笑みながら言うと、奥に向かい暫くすると帰ってくる
『マルス君、大物は居ないそうです。前回レティナちゃん達が沢山捕まえたそうですね』
『居ないか・・・肉探さないとな』
マルスが考えている
『クライソンの町なら、この頃大物を発見したと聞いています。 後はバッファローなら北東部の方が多いそうです』
ヘザーネが微笑みながら言う
『アーメルドに向かう前に捕まえるかな?』
マルスが考えている
『ちょっと捕まえに行きましょう』
エミールが微笑みながら言う
『ヘザーネ、寄り道して良いかな?』
『はい、向こうのギルドと交渉は任せて下さい』
ヘザーネが微笑みながら言う
『そう言えば、ヘザーネドレスは?』
『1着持ってきています』
ヘザーネが微笑みながら言うと、エミールが笑い始める
『買いに戻ろうか? キリシアがドレス着てくれるようにしないとね』
マルスが笑顔で言う
『ヘザーネさん買いに行くそうです』
エミールが笑いながら言う
『仕立屋が喜びそうです』
エレーヌが笑っていると、クレカとメリカが顔を見合わせている
(買いに戻るのですか? ヘザーネさんどうするのですか? 絶対に同じかそれ以上ドレスです)
『マルス君、ドレスは受け取れません』
ヘザーネが慌て気味に言う
『買うから着てくれれば良いです。屋敷に保管すれば良いからね』
マルスが笑顔で言う
『ヘザーネさん行きましょう』
エミールが笑顔で腕を掴み、エレーヌが反対側の腕を掴んでいる
『え! 仕事中ですので・・・』
『ヘザーネさんのギルドはリベリアですよね? バイル』
マルスが奥から見ているバイルを見ている
『ヘザーネ、断っても無理でしょう』
バイルが苦笑いして言うと、ヘザーネが諦めたようにマルス達と冒険者ギルドを出ていく
仕立屋に入ると、店員が慌てて奥に向かう
『マルス様御用ですか?』
店主がマルスを見てからヘザーネを見ている
『ヘザーネさんのドレスを頼んだ』
マルスが笑顔で言うと、店主が嬉しそうに奥に向かう
『マルス君、この店どんな店か解ってますか? 王都でも指折りの仕立屋ですが・・・』
ヘザーネが嫌な予感しながら苦笑いしている
『そうなの? 仕事欲しいって言っていたからね』
マルスが笑顔で言う
『エミールさん、この店使うのですか?』
ヘザーネが驚きながらエミールを見ている
『そんなに有名な店ですか? マルス師匠が王都で使う服屋です』
エミールが微笑みながら言う
『侍女の服はオーダーメイドで作って貰っている店です』
エレーヌが微笑みながら言う
『やっぱり・・・何を言っても無駄なのですか?』
ヘザーネが諦めたように呟く
(どんな豪華な服が出てくるのですか? 助けを求めても絶対に誰も助けてくれません・・・作る事が決定しています・・・)
店主が戻ってくると、数着のドレスを並べてヘザーネに説明して、エミールが選んですぐにヘザーネが着て店主が手直しする内容を決めている




