窯の作成準備とレイリアとナディア
警備隊詰め所を出ると
『お待ちしていました』
『あ!ミドル帰って来ていたんだ』
キリシアが言うと
『帰ってきたら、早速領主様から探知魔道具を追加で欲しいと連絡が有りました』
ミドルが苦笑いしている
『そうなんだ。じゃあ作ってギレリムに外装頼まないとね』
マルスが言うと
『しかし・・・・又報告が必要なんて・・・』
ミドルは苦笑いしている
『頑張ってね』
リリシャが笑いながら言う
『仕方ないでしょ。この子達に関わったら仕方ないでしょ』
フローネが笑いながら言う
『師匠、しかしこれでは年に何回行けば良いか解りません』
ミドルが苦笑いしながら言うと
『余計な仕事、受けてこなければ良いのにね』
キリシアが笑いながら言うと
『今回は断り続けましたが・・・ちょっと断れない事が起きましたので、明日相談させてください』
ミドルは申し訳なさそうに言う
『え?何か嫌な予感がしますね』
フローネが苦笑いしている
『断る事にしますね』
リリシャが言うとみんなで頷く
『え?お願いですから話だけでも聞いてください。お願いします』
ミドルは頭を下げる
『本当にとんでもない事を頼まれたみたいだね』
マルスが言うとみんなミドルを見ている
『すいません・・・・・』
『仕方ないから、明日食事会の準備をしてから聞いてあげる』
キリシアが言うと
『え?食事会?』
『風呂も完成したし、肉も用意できたから』
キリシアが言うとみんな頷く
『風呂完成したのですか?初めて聞きました』
フローネが言うと
『食事会の後で入ってください』
リリシャが微笑みながら言うと
『そうさせて頂きます』
フローネは笑顔で言うと、一台の馬車が止まり
『師匠!!』
馬車からリーベルが降りてくる
『え?リーベル!!何故いるのですか?』
フローネが笑顔になってリーベルに言うと
『ちょっと手が空いたので会いに来ました。リリシャとマルスの常識の無さを確認もしたかったので』
リーベルも笑いながら言う
『そうですか、わざわざ会いに来てくれて嬉しいですよ』
フローネは笑顔で言う
『リーベル様も元気そうで良かったです』
リリシャが言うと
『リリシャ、余り凄いランプは作らないでください』
リーベルが苦笑いしながら言う
『無理ですもう作ってしまいましたから』
マルスが笑いながら言うと
『怖いですね。何が出てくるか・・・・』
『明日か明後日、食事会しますので、是非参加してください』
リリシャが笑顔で言うと
『お誘いありがとうございます。是非参加します』
リーベルが笑顔で言う
『一度帰ってから予定を決めますので連絡します』
リリシャが笑顔で言うと帰ることにする
家に着くと
『キリシア様お帰りなさい』
ラーザが門を開けてくれる
『ラーザ、ただいま』
玄関に向かうと
『お帰りなさいませ』
ステラとイリアが出迎えてくれる
『留守の間、何かありましたか?』
『窯が完成しました。後ギレリムさんが出来た物を工房に置いていきました』
ステラが言うとマルスとリリシャが工房を見て笑顔になる
『今回は早かったね。ギレリム頑張ったんだね』
『要求通り出来ているから、すぐに魔道具を作れる!』
マルスが言うと
『早速準備をしましょう』
リリシャが笑いながら言うと、ミリアとアニーが魔石の準備を始め、マルスとリリシャは、分解してから窯に入るか確認に持っていく
『これなら、間違いなく入るね』
『後は魔石と糸の長さを決めて付与魔法すれば良いね』
マルスはリリシャを見て微笑みながら言う
『糸の長さが決まったら準備しましょう』
『あ!クレスタに頼もうかな?』
『え?何をですか?』
リリシャは驚きながら言うと
『魔力を通さない火に強い革で、糸を巻いて縫って貰おうと思っただけだよ』
『それは良いですね。早速頼んでみましょう』
リリシャは微笑みながら言う
『クレスタ、頼みたい事があるんだけど』
『え?師匠の頼み事?!!』
クレスタは驚き立ち上がる
『糸を守るために革を巻いて、糸を熱から守りたいんだよね』
『え?はい!やらせてください』
『革を買いに行こう!』
マルスが言うとクレスタは嬉しそうに笑顔になる
『クレスタの趣味が役に立つなんて・・・』
エビリアが呟き、クレスタの後ろをついて一緒に買い物に出掛ける
市場の革屋に向かい
『柔らかくて、熱に強い革はありますか?』
『それならあの辺りだ』
店主が指差すとマルスは魔力視と魔力制御で魔力が通らないか確認していく
『これの長いのを10枚でいくらですか?』
『10枚か金貨10枚でどうだ?』
『高いかな?ラーケンでも呼んでこようかな?』
マルスが言うと
『ラーケンの知り合いか?まさか・・・アーメルドから革を買える人か?』
『レベレス革店?』
『わかった金貨5枚で良い。だから革を市場で売らないでくれ』
店主は苦笑いしている
『あ!なるほどクロウに沢山革を持ってきて市場で売れば良いのか!』
マルスはニッコリ笑う
『だからやめてくれ・・・他に欲しいもの無いか?』
『縫うから糸と針も頂戴』
『糸はこれと針は何本必要だ?』
『5本位かな?試作品作るだけだから』
『わかった全部で金貨6枚だが良いか?』
店主が言うとマルスは金貨を手渡す
『なるべく当店で革を買ってくれ』
『魔力の通らない革は買うようにします』
マルスは笑顔で言うとクレスタは革をリュックに入れて帰ることにする
『あのー師匠、革屋さんを脅すの上手いですね。あれでは革屋は値引きします』
エビリアが笑いながら言う
『ちょっと値引きし過ぎだけど、替わりに次に作る時買いやすいから良いかな』
『商人にもなれますね』
エビリアは嬉しそうに言う
帰り道、人の気配に路地を見ると、男に囲まれた女を見つける
『あ!襲われている?』
『あ!見つかりましたね』
クレスタが呟くと男達がニヤニヤしながらやってくる
『丁度良いところに小僧と中々上玉の女だ。覚悟しな!』
『あのー早く逃げた方が身の為ですよ』
エビリアが言うと男達は笑い出す
『今晩は楽しみだ』
男達は笑いながらナイフをマルス達に向ける
『これって面倒だけど叩き潰しても良いよね』
マルスが苦笑いしながらクレスタに言うと
『後で警備隊隊員呼んできますので、好きにしてください』
クレスタが言うとマルスはナイフを持っている腕を掴み、腕を殴り折ると、男を壁に投げつける。他の男達も次々と殴り、壁に吹き飛ばす
『動くな近付いたらこの女殺すぞ!!』
男は女を盾にして逃げようとするが、女が動かないのでマルスから目を離した一瞬で、マルスは男の腕を掴み投げ飛ばす
『これで終わりかな?』
マルスは周りを見てから男の足を掴んで路地の外に投げ飛ばす
『クレスタ、警備隊隊員を呼んで』
『はい』
クレスタは笛を吹くと男2人が逃げ出すが、マルスが回り込んで
『逃げたらダメでしょ』
マルスは言うと一人目を殴り、股間を蹴りあげる。そして2人目を殴り、腕を持って地面に叩きつけてから、男達目掛けて投げ飛ばす
『ヒィーーー!』
男達は怯えて悲鳴を上げるが、悶絶している男も地面に叩きつけてからグルグル回して投げ飛ばす
『たた助けてくれ化物だーーー!』
男達は怯えながら固まっている
『クレスタ、こいつ死にそうだから、回復魔法で回復してね』
マルスが言うとクレスタが
『・・・・・・ヒール』
男を回復させてから、マルスがまたボコボコに叩きのめして腕を折る
『次はこいつ』
マルスが微笑みながら言うと
『・・・・・・ヒール』
クレスタが回復させてから
『永遠に続くから覚悟してください』
一言言うと男達は怯えて震えながら泣き出すと警備隊隊員が走ってくる
『え?マルス殿、エビリアさん、クレスタさん、こいつらは?』
隊員が言うと
『まだ路地に襲われていた人が・・・』
エビリアが路地に視線を向けると女が2人座り込んでいる
『大丈夫ですか?』
警備隊隊員が近付き声をかけると
『え?あ!大丈夫です』
女が言う
『通りかかり、路地を見たら男達が出てきて、上玉だとか、今晩が楽しみだとか言ってナイフを出して襲ってきたから返り討ちにしただけ』
マルスが言うとクレスタとエビリアが頷く
『マルス殿を襲うなんて馬鹿だ・・・・』
警備隊隊員は苦笑いしてから男達に
『捕まえて欲しければ余罪を全て話す事だ!話さないとマルス殿が続きを楽しむことになるぞ!』
警備隊隊員が言うと
『女を捕まえて楽しんだ後で奴隷として売り飛ばしている・・・街道で人を殺した・・・この辺りで盗みをした・・・・』
男達は次々と言っているが、警備隊隊員は怒りに睨み付けている
『後で詰所で続きしようか?キリシア達も連れて!多分リリシャが一番怒ってやると思うけど』
マルスが笑顔で言うと
『良いですね隊長に言っておきます。リリシャ殿の弟子に手を出したら、どうなるかは知っていますので』
隊員は笑い出して男達を連行する
『あの、ありがとうございました』
女性がそう言うと
『大丈夫?怪我はしてないかな?』
『大丈夫です』
『クレスタ、念のために回復魔法で回復してあげて』
マルスが言うと
『・・・・・・ヒール』
クレスタが回復魔法で回復させる
『え?ありがとうございます。痛みが無くなりました』
『事が事なので、詰所まで一緒に行きましょう』
『はい、解りました』
詰所まで歩きながら話を聞くと、踊り子兼伴奏を仕事にしていて、レイリアとナディアは、昨日この町に来たと言う事だった
詰所に着いて隊員が詳しく余罪を聞いていると
『またマルスを襲った馬鹿がいたとは余程の馬鹿だな!』
ガシリオが笑いながら言う
『え?ロイド叔父さん?』
レイリアが驚きながら言うと
『え?何故ここに?レイリア!』
ロイドは驚いている
『ロイド知り合い?』
マルスが言うと
『あ!私の妻の姉の娘のレイリアです』
ロイドが言う
『ロイド叔父さんどうしてここに?騎士団辞めたの?』
『団長命令でリベリアの警備隊の訓練を体験中だ』
ロイドが言うと
『じゃあリベリアを案内してね』
レイリアが笑顔で言う
『どうして警備隊詰所に?』
『襲われた所、この人達に助けられたの』
『は!賊が襲っていたのはレイリアだったのか!!許せん!』
ロイドが怒り、言うと男達の方に行こうとする
『ロイド!怒りを押さえろ!マルス殿がボコボコにした後だぞ!』
『あ!そうだな・・・すまん』
『マルスさんは、凄く強かった』
レイリアが言うと
『当たり前だ!王国最強の冒険者だ!』
ロイドが言う
『え?そんなに強いの?凄い』
『騎士団団長より強い!』
『え?それって王国最強?』
『間違いなく最強だ!』
ロイドが断言する
『ロイド、色々言って大丈夫なのかなー』
マルスが言うと
『あ!申し訳ありません・・・聞かなかった事で』
ロイドが苦笑いしている
『じゃあ帰るね』
マルスがそう言って帰ろうとすると
『何かお礼出来ることは有りませんか?』
ナディアが申し訳なさそうに言う
『今は無いかな、リベリアで楽しんでね』
マルスがそう言って帰ることにする
『叔父さん、何だか普通の子供に見えるけど、そんなに凄いの?』
『凄すぎる。それしか言えないぐらい凄いぞ』
ロイドが笑いながら言うとガシリオも頷いている