獲物と肉屋
村人たちは、ボアを馬車に乗せて何往復かしている
『キリシア、ビッグボア馬車に乗せちゃう?』
『そうだね』
キリシアは答えると、闘気を纏うルメイルと、マルスも闘気を纏い、ビッグボアを3人で持ち上げて馬車に乗せる
『さささ3人でビッグボアを持ち上げた!!』
見ていた村人は尻餅を付いて驚いている
『グリズリーを乗せたら壊れそうだね』
『大きすぎた』
キリシアは笑いながら言う
『馬車、あと二台必要だね』
『師匠達が調子に乗って狩るからです』
ミリアも笑顔で言うと
『美味しいお肉食べれるね』
レティナが笑顔でマルスに言うと
『アニーがきっと最高の料理を作ってくれるよ』
マルスがレティナに言うと
『頑張らせて頂きます』
アニーは苦笑いしながら言う
『私たちも手伝います』
クレスタが言うとエビリアも頷いている
『2人はビッグボア見るのは初めてかな?』
『はい!初めてです。大きくて驚きました』
『新鮮なお肉を食べられるなんてあまり無いよね』
『楽しみです』
クレスタが笑顔で言う
『あ!村人が帰ってきたから、グリズリーを載せて村に帰りましょう』
リリシャが言うとみんなで馬車に載せてから村に戻ることにする
村に戻ると既に1頭目の解体を始めていた
『冒険者様どんな料理が良いですか?』
村長が聞いてくると
『美味しいものを片っ端から作って!』
キリシアが笑顔で言うと
『その様に伝えます』
村長は笑顔で言うと村人達に伝え、村人たちは笑顔で解体を続ける
『あのー申し訳ありませんが、依頼料が決まっていないのでどうしたら良いのでしょうか?』
村長が心配そうに言うと
『冒険者ギルドと相談してー』
キリシアは笑いながら言う
『解りました。明日、送り届けた後に相談させます。ビッグボアとグリズリーとボア五頭の輸送で宜しいですか?』
村長は心配そうに言う
『ボアは四頭で良いよ。1頭は村で食べてね。畑があれじゃ、干し肉にして食べないと村は大変だろうしね』
『え?本当によろしいのですか?』
村長は涙目になって言うと
『運ぶのも大変だから良いよ』
キリシアは笑顔で言う
『あああ・・・ありがとうございます』
村長は泣きながら言う
『子供達には沢山食べて貰ってね』
キリシアは解体を見ている子供達を見ながら言うと
『この村では、肉などほとんど食べられませんので本当に有り難いです』
『え?この村には狩りをできる人いないの?』
『はい、もういません・・・』
『じゃあボアが増えたらどうするの?』
『それは・・・冒険者ギルドに依頼するしかありません』
村長はうつむきながら言う
『町からこの距離なら時々狩りに来ようかな・・・肉欲しいし。あ!訓練代わりに狩るのも良いかな・・・実戦も必要だよね』
キリシアは笑顔で呟いている
『え?何か言われましたか?』
『いえ、独り言です』
キリシアは笑顔で言うと解体された肉を見に行く
料理が始まるとアニーは気になった料理をメモを取りながら作り方を聞いている。そして料理が完成すると村人達と一緒に食べる事にする
翌朝、村を出てリベリアの町に帰ることにする
『狩りから帰られたのですね』
門番が笑顔で言うと
『後ろの馬車に載っているから確認してね』
キリシアが笑顔で言うと門番は見に行く
『ビッグボア!!デカイ!!』
門番が大声を上げると他の門番と門番の隊長が見に来る
『そんな大声上げたらダメだろ!!』
門番の隊長が言うと
『この大きさは・・・』
門番が門番の隊長に言うと
『デカイ!!』
門番の隊長も大声を上げてしまう
『これは驚くな・・・』
門番の隊長は苦笑いしている
『後ろはなんだ?え?ぐぐグリズリー!』
門番が言うと門番の隊長は苦笑いしている
『その後ろはボア四頭か・・・』
門番が言うと
『こんなに簡単に狩って帰ってくるとは・・・』
門番の隊長が言うと
『噂は本当ですね・・・・』
門番は苦笑いしている
『ん?噂?何?』
『何でも無いです。通って良し!』
門番の隊長は苦笑いしながら言う。門を通り、冒険者ギルドに向かうと途中で町の人々が驚いて見ている
『あ!キリシア殿、後ろの馬車は獲物ですか?』
警備隊隊員がそう言うと馬車を覗き込んで笑顔になる
『そうだよーちょっと狩りに行ってきたよ』
『流石はキリシア殿です』
警備隊隊員は笑顔で見送ってくれる
冒険者ギルドに到着して、前に馬車を止めると冒険者達が騒ぎだす。キリシアとリリシャとマルスがギルドに入って行くと、みんな道を開けてくれる
『ヘザーネ、ただいま』
『キリシアさん、リリシャさん、マルス君、お帰りなさい』
『ヘザーネ、狩ってきたから確認してね。後、解体出来る肉屋紹介して』
キリシアが笑顔で言うと、ヘザーネは笑顔で外の馬車を見て
『え?ビッグボアデカイですね・・・グリズリーも大きいですね・・ボアも狩ったのですか?』
『丁度、村の畑を荒らしていたから、全部倒しておいた』
キリシアが笑顔で言うと
『村を代表して送り届けに来ました。本当にあのままだったら村は壊滅していたかもしれません。ありがとうございました』
村人の代表が頭を下げながら言うと
『丁寧にありがとうございます。ギルドマスターを呼んできます』
ヘザーネはそう言って奥に行くと、バイルを連れてくる。バイルは馬車を見て苦笑いする
『お久しぶりです。まさか、帰ってきたら、こんな大物を見せられるとは思いませんでした。まさか留守の間に緊急依頼並の魔物が暴れているとは・・・・本当にありがとうございます。少し話をしたいのですが、このままでは落ち着きませんので、市場の肉屋に解体を依頼した方が良いと思います』
バイルは苦笑いしながら言うと
『今回の依頼の報酬が決まっていませんので、相談に来ました』
村人の代表が言う
『キリシア殿どうしますか?』
『ん?この肉と輸送してくれたから別に良いかな?』
キリシアが笑いながら言うと、みんなを見てみんなが頷くのを確認する
『そう言う事なので依頼の報酬は受け取らないそうですので、村長に村の再建に使う様に言ってください』
バイルは笑いながら言う
『え?良いのですか?』
村の代表は驚きながら言うと
『早く解体をお願いに行こう』
キリシアは笑顔で市場に向かうように言う
『感謝と、いつか恩を返せるように再建を頑張ってください』
バイルはそう言って奥に戻っていく
『一緒に行って、肉屋に紹介します』
ヘザーネは笑顔で言うと馬車に一緒に乗り、市場に向かう
肉屋に着いてヘザーネと一緒に入ると
『ヘザーネか、どうした?』
『昨日話していた解体をお願いします』
ヘザーネが笑顔で言うと
『おう!わかった。ちょっと位の大物じゃあ驚かないからな!』
主人は笑いながら表の馬車を見て
『はぁーーー!ビビビビックボア!デカイだろ!』
主人は驚き固まっている
『後ろもだよ』
『へ?ググググリズリー!大物だな!』
『後ろのボアもね』
キリシアが笑いながら言うと
『ボア4匹・・・・何日で狩った?』
主人は驚いて苦笑いしている
『どのぐらいだろう?村に着いて野営の準備をしていたら畑を襲っていたからすぐに倒したよ。グリズリーもボアを狙って襲ってきたから倒したし』
キリシア笑いながら言う
『え?もしかして到着してすぐに殲滅したのですか?』
ヘザーネも驚いている
『はい、もし来て頂いてなければ、今頃村は壊滅していました。それだけでなく、ボアを一匹、村に当面の食料にしてと寄付して頂きました』
村人が言うと
『え?もしかしてボアは5匹だったのですか?』
『6匹だよ!一匹はみんなで食べたよ』
キリシアが笑顔で言うと
『後で記録しておきます』
ヘザーネは笑いながら言う
『済まん・・・この数は解体しきれない』
主人が困った顔になっている
『え?無理なのですか?』
『ヘザーネ、いくら俺でもこの大きさをこれだけ持ち込まれると無理だ!』
主人が言うと
『だから準備はしっかりしておいてくださいと言っておいたのに、予想外な事が起きるからと・・・』
ヘザーネが笑いながら言うと
『予想外すぎだ!前のグリズリー2匹も大変だったんだぞ!解体しても置いておく場所が足りなくて、大物を沢山持ち込む冒険者なんて普通いないだろ!』
『グリズリー2匹?あの時のグリズリー?』
キリシアがヘザーネに言うと
『そうです』
『はぁー!あのグリズリーもこの人達の獲物なのか!』
主人は苦笑いしながらキリシアを見る
『襲ってくる方が悪い!!』
キリシアは笑顔で言うと
『ワハハハ!襲って返り討ちか!』
主人は笑い出す
『キリシア殿!町中で噂になっているから見にきたぞ!』
隊長とガシリオが笑顔で言うと
『噂?』
『とんでもない大物を馬車で運んでいるとな!』
『襲ってきた方が悪い!!』
キリシアが笑いながら言うと
『確かに、襲う前にキリシア殿達か確認してから襲わないとこうなるな!!』
隊長は大笑いする
『え?そんなに強いのですか?』
肉屋の主人が驚く
『当たり前だろ、この大物ですら一撃で仕留められているだろ』
ガシリオが肉屋に言うと
『あ!頭を一突き!!』
肉屋が驚きながら言う
『だから、襲う方が悪いんだ』
ガシリオが笑う
『はぁー!これだけ良い肉なのにこの量は・・・』
肉屋が言うと
『解体出来ないのか?』
『量が多すぎますから』
『じゃあ隊員にやらせようか?練習台になるからな』
隊長が笑いながら言うとガシリオも笑う
『え?良いの?』
キリシアが言うと
『後ろのボアぐらいなら良いぞ!』
ガシリオが笑いながら言うと隊長も笑っている
『じゃあお願い』
『良し!わかったぞ!』
隊長は笑いながら言う
『はぁーー!助かった・・・』
肉屋が苦笑いしながら言う
『警備隊に助けられましたね』
ヘザーネが言うと
『これからはこの人達か先に言ってくれ』
『解りました。ギルドマスターに伝えておきます』
ヘザーネが言うと肉屋の主人が苦笑いしている
ビッグボアとグリズリーを下ろして、借りた馬車を返してから隊長とガシリオと警備隊詰所に向かい
『隊長、どうかしましたか?』
『解体の訓練だ!みんなでやるように!』
隊長が言うと
『は!了解しました!』
隊員達は笑顔でボアを吊るして解体の準備を始める
『解体できるんだね』
『普段から訓練したくても、中々獲物がいないからな』
ガシリオが言うと隊長も頷いている
『じゃあ、今度襲われたら持ってくるね』
『わかった。だが大きいのはやめてくれ』
ガシリオは大笑いして言う
『あの大きさは無理だ!肉屋が断りたいと言う顔になるのも同意したくなるからな』
隊長が笑いながら言う
『あの大きさが襲ってこないように祈っておいてください』
リリシャが言うと
『襲った大物が悪い、だな』
『そうだな!』
ガシリオと隊長は言うと大笑いする