バゼルノアス王国とレイナール
部屋に入ると国王達が待っている
『リベリアの英雄様、歓迎します』
国王が緊張したように言い、マルス達も挨拶をして、ヒストリアが親書を渡して、国王が読んでいる
『レイナールとクセリオの件は了解しました・・・返事はすぐに用意します。 交易も護衛を用意しますので、自由にしてください・・・レイナールとクセリオには、苦労をかけているな・・・』
国王が親書を読み終わり、考え込んでいる
『お祖父様、苦労はしてません』
レイナールが笑顔で言う
『え! ・・・レイナールなのか? 何故? 大きくなったな!!』
国王が驚きながら叫ぶ
『魔法学院卒業しましたから、本当に楽しい3年間でした』
レイナールが笑顔で言う
『何故ここに・・・人質が里帰りなんて・・・それも前触れ無しに』
国王がまだ信じられない様にレイナールを見ている
『元から監視もされてません・・・クライドルト王国国王陛下から、今後の事を話し合って来るようにと、送り出してくれました』
レイナールが笑顔で説明をすると、クセリオも説明している
『大国の余裕なのか? 信じられない』
国王が考え込んでいる
『そうですか? レセナ様とサトメル様とアリシア様の結婚式にも参加しました。 海で遊んだり、船旅もさせて貰いましたけど・・・クレシア様のお茶会にも沢山参加させて貰いました』
レイナールが思い出を笑顔で話していると、国王が驚きの余り目を見開いている
(は? 人質が国外や船旅をさせたのか? 信じられない・・・レイナール・・・本当に綺麗になったな)
『レイナール様、家族会議しておいてね、町中を散歩してくるから』
マルスが笑顔で言う
『はい! マルス様、楽しんできて下さい』
レイナールが笑顔で言うと、マルス達がキャス号に戻っていく。国王達がマルス達が出ていった扉を見ている
『レイナール!! 本当に無事で良かったわ』
レイナールの母親が満面の笑顔でレイナールに近付く
『はい、お母様、魔法学院に通えて本当に感謝しています』
レイナールが笑顔で言うと、母親が涙を流しながらレイナールに抱き付いている
『レイナール、本当に不自由な生活をさせて・・・』
『不自由な? 最初は友達が居なかったのですが、マルス様から大賢者研究会を研究する会に誘って貰い、多くの先輩と後輩達と楽しい学院生活でした。 卒業したら何をして良いか・・・相談に帰ってきました』
レイナールが笑顔で言うと、クセリオが説明をしている
『は? 人質だから・・・幽閉しか無いだろう』
国王が考えている
『自由に町中を散歩も出来ます。 宮廷魔術師の先輩達と魔法練習も、魔法学院の書庫で魔導書も読ませて貰えます』
レイナールが笑顔で言う
『は? 本当に本当なのか? 連れ戻して反乱を起こす可能性を考えないのか?』
国王が考えながら言う
『戦争したら、すぐに殲滅されます・・・クライドルト王国の宮廷魔術師は、マルス様を尊敬する賢者ですから・・・クライドルト王国の騎士も凄く強いです』
レイナールが笑顔で説明している
『しかし、いくら強くでも多勢に無勢なら』
『不可能です。 2年前クライドルト王国王都に魔族が襲いましたが、リベリアの英雄様無しで魔族もレッサーデーモンもヴァンパイアも倒していました。騎士学院と魔法学院でもヴァンパイアとレッサーデーモンを多数倒せましたから・・・あの時はみんな本気で魔法を放ち、初めての実戦でも、優秀な先輩達のお陰で余裕で倒せました』
レイナールが笑顔で説明をしている。国王達が信じられない事を聞いている様に考え込んでいる
『は? 本当なのか? 報告は来ていたが・・・』
国王が青ざめている
『エリカ先輩の指示も的確で、ソリナ様とシーリスちゃんが救援に来てくれて、本当に心強かったです。 楽しい思い出になりました』
レイナールが笑顔で言うと、全員顔が引き攣っている
『国王陛下、魔法の威力を見て貰えれば、納得出来ると思います。 先輩達の足元にも及びませんが、それでもAランクの魔法使いになれました』
クセリオが笑顔で言う
『Aランクの魔法使い? 何の事だ?』
国王が考え込んでいる
『クライドルト王国の魔法使いランクです』
レイナールが笑顔で細かく説明していると、宮廷魔術師達が慌てて否定している
『魔法使いランクか? 宮廷魔術師ならばBランクぐらいは必要だな』
国王が考えながら呟く
『Bランクですか? クライドルト王国でも3年前に卒業した人達ぐらいしか居ませんけど』
レイナールが考えながら言う
『そうなのか? クライドルト王国の実力もたいした事無いのか?』
国王が考えながら言うと、宮廷魔術師達が笑っている
『早速、裏の練習場を消し飛ばしますね』
レイナールが微笑みながら言う
『レイナール様、消し飛ばしたら、建て替えが面倒です。訓練場を焼き払いましょう』
クセリオが苦笑いしている
『早速、魔法練習したいです』
レイナールが嬉しそうに言う
『急がなくても、良いだろう・・・少しはゆっくりしても良いだろう・・・久し振りなのだからゆっくり休むのも必要だろう』
国王が苦笑いしている
『え! 何を呑気な・・・バゼルノアス王国は完全に各国から遅れていますけど・・・魔法学院に多くの国から留学生がやってきて、既に今年各国に戻り宮廷魔術師に就任したのも知らないのですか?・・・世界一の魔法学院と各国の留学生達も言ってます』
レイナールが少し驚きながら説明する
『お世辞だろう・・・魔法王国やオルフェスタ・ガゼルド王国が魔法の発展の中心だからな』
『え! まだそんな事を・・・マルス様が世界一です! オルセント王国も毎年宮廷魔術師候補を送り込んでいますけど』
レイナールが苦笑いしていると、クセリオが詳しく説明している