クレゼオルド・リオンドの町 中編
『マルス、遊びで町は作らないでくださいね・・・城ぐらいなら許しますが・・・』
フローネが苦笑いしてマルスを見ていると、王妃と前国王が驚いている
(フローネ師、城を作られても困ります。フローネ師も過激な事を・・・)
『魔物が入ったら大変ですから・・・ミーレスが困るの見たくないですから』
マルスが笑顔で言い、フローネを見てからミーレスを見ている
『マルス師匠!! 逆に豪華過ぎて困ってます! 何故住まない町を作ったのですか!! この町どうしたら良いのですか!! マルス師匠が住んで下さい!!』
ミーレスが慌てて叫ぶと、みんな顔を見合わせて爆笑している。王妃と前国王がミーレスを見ている
(ミーレスちゃんが怒りましたね・・・もっと言って下さい・・・町を1つ作るなんて誰も考えてませんから)
『楽しかったよ、そのうち必要だよね』
マルスが笑顔で言う
『過剰です! この城王都よりも豪華ですから』
『王都が古いだけだよ』
『古くても、こんな豪華な町、色々面倒な貴族が集まります』
『プライゼナスさんに任せれば良いよ! 許可が無かったら、入れないからね』
マルスが笑顔で言う
『ミーレスちゃん諦めましょうね、マルス様ですから、作るのだけ好きですから・・・住める様に作っておいて、帰ると言うのはいつもの事です』
メリアが微笑みながらミーレスと話し始める
『マルスですから・・・いつかはやると思ってましたが・・・町はもう作らないでくださいね』
フローネが呆れぎみに呟く
『リベリアの英雄殿だから仕方無いの』
前国王が諦めた様に呟く
『マルス殿は作り終わって、最後の言葉は何ですか?』
王妃が考えながら聞くと、みんなメトリシアを見ている
『宿屋作り忘れたです。来賓や移民する人が泊まるところを忘れたと言ってました』
メインメトリシアが笑顔で説明する
『は? 宿屋・・・マルスですね・・・大工に任せなさい』
フローネが呆れて言うと王妃が苦笑いしている
(想定外な答え・・・宿屋の心配の前に警備の心配をしてあげて下さい・・・外は壁が有りますから、侵入出来ないのですか? そもそもここを攻める人がいませんね・・・遊びのスケールが大きくなりすぎですね)
日が暮れる頃、キャス号に戻ると、アニー達が食事の準備を始めて、料理が次々と食堂に並び、みんな美味しそうに食べている
『マルス様、出発ですが、予定通りなら数日以内に船が到着しますので、到着後に出発にしたいと思ってます』
アーセルがマルス達を見て言う
『じゃあ少し作ってますね』
マルスが笑顔で言う
『マルス師匠、これ以上作らないでください』
ミーレスが慌てて叫ぶ
『キリシアの依頼の修練場を作るだけだよ』
マルスが笑顔で言う
『絶対必要!! マルス早く作れ!!』
キリシアが笑顔で言う
『あ! マルス師匠、後で設計図見せます』
ミリアが笑顔で言うと、みんなミリアを見ている
『どこに作ろうかな?』
マルスが笑みを浮かべながら考えている
『マルス、魔法練習場はどうするのですか?』
リリシャが笑顔で言うと、みんなリリシャを見ている
『魔法練習場? 商会の裏に作る? 横が良いかな?』
『マルス、横で良いですね・・・詰所の近くですから治安も良いですね』
リリシャが微笑みながらマルスを見ている
『鍛練場は!!』
キリシアがマルスを睨んでいる
『設計図次第かな?』
『本気で戦える広さで用意しなさい!!』
キリシアが笑顔で言うと、王妃達が顔を見合わせている
(キリシア殿が本気で戦える広さ? 大きな建物になりそうですが・・・マルス殿の所為で建物が建つのでは無いのですか? リリシャ殿とキリシア殿が建てさせているのですか?)
『マルス様、ついでに商会の宿舎とパンの店も作ってくださいね』
メリアが微笑みながら言う
『職員用に作った方が良いかな? エミールは?』
マルスが笑顔でエミールを見ている
『兵士用の宿舎と来賓用の宿舎は作った方が後々良いと思います』
エミールが笑顔で言う
『詰所の横に作れば、警備問題も大丈夫かな?』
マルスが考えながら言う
『あの設計図で作りましょう』
ミリアが笑顔で言う
『楽しく作りましょう』
リリシャが笑顔で言う
『少しは自重して下さいね・・・マルスの所為で建物は建たないのですね・・・みんな欲しいものを作っているのですね』
フローネが呆れながら呟く
『マルス師匠・・・これ以上大きな建物は作らないでください・・・維持が大変になります・・・煩そうな貴族も・・・』
ミーレスが不安そうにしている
『ミーレスちゃん大丈夫です! 御母様が貴族を全部消しますから』
メトリシアが笑顔で言うと、王妃と前国王が苦笑いしている
『メトリシア、消しませんよ・・・少しは口に気をつけなさい』
王妃が呆れたように言う
『町が大きくなるのは・・・リベリアの英雄達の所為と言わないといけないか・・・建物を建てている所を見学させて貰うぞ』
前国王が笑顔で言う
『全力で最速で建てます』
メトリシアが笑顔で言う
『私の分も欲しいですわ』
アリシアが少し羨ましそうに言う
『アリシア様の?』
『そうですのーーー マルス様が守ってくれるような部屋が欲しいですの』
『部屋ですか? どんな部屋が良いだろう?』
『美味しい食べ物が食べれれば良いですのーー 風呂も欲しいですの』
アリシアが笑顔でマルスを見ながら話している
『アリシア御姉様、太りますよ』
メーレシアがアリシアを見て言う
『痩せますの! 運動もしますの!!』
『運動する為の鍛練場も?』
マルスがアリシアを見ながら考えている
『鍛練場はいりませんの!』
『どうやって、運動するのですか?』
『城の周りを散歩しますの』
アリシアが笑顔で考えながら説明している
『アリシア、贅沢な考えですね・・・お茶会する相手も居ないのを忘れてないですか?』
王妃が微笑みながらアリシアを見ている
『え! メーレシアが・・・いませんの・・・一人ですの・・・寂しいですの・・・』
アリシアが落ち込んだ様に呟く
『マルス殿の屋敷に籠っているから仕方無いですね・・・もう少し友達を連れて行けるように、社交性が欲しかったですね』
王妃がアリシアを見て言う
『御母様酷いですの!! 友達はここに沢山いますわ!!』
アリシアが周囲を見て慌てて言う
『アリシア御姉様、誰もウルシナ公国に行きませんけど』
メトリシアがアリシアを見ている
『うっ!! 寂しいですの・・・メーレシア一緒に遊んで欲しいですの・・・』
アリシアが涙目になってメーレシアを見ていると、王妃が笑っている
(アリシア、家出をしすぎましたね・・・レオナルオ様がどこまで相手をしてくれますか? 何ヵ月で根をあげて戻ってきますか? 楽しみですね)