クレゼオルド・リオンドの町 前編
3日間リオンド・ベラクード王国でゆっくりして、出発準備をしていると、王妃と前国王とイーケルとサトメルが話しながらキャス号にやってくる
『マルス殿待たせたな、良い話し合いができたぞ』
前国王が笑顔で言う
『どの国もリベリアの英雄様が関わっていますから、野心を抱かなくて良いですね』
王妃が微笑みながら言う
『面倒な事を持ち込まれなければ良いです』
マルスが笑顔で言うと、メリアが微笑みながら王妃を見ている
『マルス様、結婚式には必ず参加します』
サトメルが笑顔で言うと、イーケルが頷いている
『ミーレス号で迎えに来て貰います』
マルスが笑顔で言うと、王妃が笑っている
『ミーレス号?』
『客船型の帆船です』
『楽しみにしています』
サトメルが笑顔で言うと、マルス達がキャス号に乗り込んで上昇して北に向かって飛んでいく
クレゼオルド・リオンドの町が見えてくる
『え! あの高い場所に見えるのが、結婚式場ですか!!』
フローネが驚きながら叫ぶ
『完全な城ですね』
王妃が苦笑いしている
『マルス師匠達の結婚式場の付属品です』
メトリシアが笑いながら説明していると、キャス号が港付近で降下している
マルス達が降りると、王妃達も降りて周囲を見渡している
『マルス、港も完全に作りましたか?』
フローネが桟橋を見ている
『魔導船で接岸できるように作りました。 ここも埋め立てて作ったので、あの先の橋を通らないと町中に入れません』
マルスが先に見える門を見て言う
『完全に港まで作るなんて・・・監視してませんでしたね』
フローネが後悔したように呟く
『あの建物は何ですか?』
王妃が興味津々に見ている
『倉庫です。 港町なら商館と倉庫が必要ですから・・・密航もさせる気は無いですから』
マルスが笑顔で言うと、メリアが笑顔で説明して、建物の方に歩いていき、商館と倉庫の中を見ている
プライゼナスとプリエナがミーレスとレーゼンと一緒に歩いてくる
『マルス師匠、この港凄いです』
ミーレスがキョロキョロしながら言う
『ミーレスの町だからね、魔導船で遊びに来た時、接岸できるようにしてあるよ、後でミーレスの家も案内するね』
マルスが笑顔で説明していると、プライゼナスとプリエナが顔を見合わせている
(家? あの城なのか?・・・聞いていた話と違うように思うが・・・若くて賢い領主様だが・・・)
『マルス殿港は解りましたが・・・結婚式場までどのように移動しますか?』
王妃達が戻ってくる
『え! 遠いか・・・キャス号で行きましょう・・・降りなくて良かったかな?』
マルスが苦笑いしている
『あ!!マルス師匠が失敗しました!! いつも飛んでミーレスちゃんの屋敷まで飛んでいたから』
メトリシアが笑顔で言う
『騎士と海兵達は歩いていたかな?』
マルスがメリアを見ている
『走らせています。 運動不足になりますから』
メリアが笑いながら言うと、海兵達が苦笑いしている
キャス号に乗り込むと、上昇して町の城壁から広い町の全貌を見てから、屋敷の裏に着陸する
『城ではなかったか・・・町を作っていたか』
前国王が苦笑いしている
『建物を作ってないので、まだまだ移民は無理かな?』
マルスが考えながら言う
『十分移民は可能ですね・・・魔物が入れないなら、すぐに移民を進めて、畑などを作らせた方が良いですね・・・水の問題も無いなら尚更です』
王妃が微笑みながら言う
『御母様、水路も苦労しました! 川からアースコントロールで水路を作り、町を囲いましたから!! 下水道も汚水処理設備も全部作ってあります。 井戸も何ヵ所か作り終わってますから、いつでも住めます』
メトリシアが嬉しそうに説明していると、屋敷に向かって歩いていき、屋敷に入ると、それぞれ別れて案内を始めている
屋敷の案内が終わると、外に出て結婚式場に歩いていき、王妃達が中を確認して回ってから、会場に戻ってくる
『この広さなら問題無いですね・・・このホールなら1000人は入りますね・・・』
王妃が高い天井の大きなホールを見て考えている
(大きすぎるような気もしますが・・・ダンスパーティーも出来そうですね)
『天井はガラスと魔法のランプか?』
前国王が天井を見ている。視界の先には天井の壁画をじっくり見てから、シャンデリアの魔導具と上部の大きな窓を見ている
(天空の城と女神達か? 魔法のランプだけでなく、上部の窓から夜空も見えるのか?)
『凄いですの・・・王都なら毎日パーティーできますの』
アリシアがキョロキョロしながら言う
(羨ましいですわ)
『マルス様、厨房も2つに別けているのは何故ですか?』
レセナが嬉しそうに聞く
『メインとデザートやパン等を別けてあります。アニーの提案です』
マルスが笑顔で言うと、レセナが嬉しそうにアニーに詳しく聞いていると、クレオルがレセナを見て微笑んでいる
レーゼンとミーレスとプライゼナスとプリエナが青ざめて屋敷から結婚式場に入ってくる
『マルス師匠、凄すぎます・・・屋敷を大きくしたような屋敷なんて・・・どうしたら良いか解りません』
ミーレスが青ざめながらマルスを見ている
『ミーレス様、プライゼナスさんに任せようね』
マルスが笑顔で言うと、みんな微笑みながらミーレス達を見ていると、プライゼナスが青ざめている
(執事と聞いていたが・・・執事で有ってますか? プリエナも侍女だったはずだが・・・)
『完全に魔導具だらけです。 この魔導具の価値も・・・マルス様が住んで欲しいです』
『ん? 迷宮が無いから住まないよ! たまに遊びに来るけど』
マルスが笑顔で言うと、みんな笑っている
『え! 迷宮が無いから住まない・・・』
ミーレスが驚いていると、レーゼンが苦笑いしている
『マルス様、こんな豪華な屋敷と町を作ったのですの?』
アリシアがマルス達を見ていると、全員の視線がマルスに集まる
『ん? 遊びだよ』
マルスが笑顔で言うと、フローネが頭を押さえている
(遊びと宣言しましたね・・・マルスに自重すると言う概念を教えて下さい)
『遊びですか? 遊びで町を作ったのですか』
王妃が慌ててマルスを観て聞き返す
『ミーレスの町だからね・・・ミーレスが快適に住める様にしたかっただけだよ! 凄く楽しかったよ』
マルスが笑顔で言うと、ミーレスが呆然とマルスを見ている
『遊びで済まされるのか?』
前国王が苦笑いしてメトリシアを見ている
『遊びです! 作るのが好きなだけですから』
メトリシアが笑顔で言うと、全員がマルス達を見てため息をしている
『何を言っても無駄だな・・・このパーティー会場だけで世界一の建物だからな・・・ミーレス殿頑張ってくれ』
前国王が諦めた様に言う