アーメルドの造船と精霊王 後編
マルス達が王妃達の方に来る
『リベリアの英雄殿、先程の出来事は』
王妃がマルス達を見ている
『水の精霊王様が挨拶に来てくれました』
マルスが笑顔で言う
『精霊王様・・・何故?』
『ルシアナちゃんに挨拶です。それ以外は解りませんけど、精霊王様の力は凄いです』
マルスが笑顔で説明すると、前国王が考え込んでいる
『秘密にします・・・ルシアナちゃんに護衛を付けましょう、もしも利用する為に近付く者が現れたら教えて下さいね』
王妃が微笑みながら言う
『もし何か有れば、クライドルト王国として全力で守る事を誓おう』
前国王が考えながら言う
『え! 何故? そんな大事に?』
マルスが驚いている
『精霊様の加護を失えば、大地は荒廃して人が住めなくなります。精霊王様の機嫌を損ねる事は国の一大事になる』
前国王が淡々と説明している
『リベリアの英雄殿の保護下なら問題は有りません。偉大なる精霊の巫女様の誕生を嬉しく思います』
王妃も微笑みながら頭を下げる
『え? 何故?』
ルシアナが驚いている
『精霊の巫女・・・伝承が有りましたね、まさに精霊の巫女ですね』
フローネが思い出したように説明を始めると、全員頷いている
『伝説の再現をこの目で見れた事が非常に嬉しく思うぞ』
前国王が満足そうに言う
『帰ったら、リベリアの屋敷を守る為に騎士を派遣させましょう』
王妃が微笑みながら言う
『目立ちたく無いな』
マルスが嫌そうに言う
『元から騎士達が護衛をしてますから、ついでに鍛えて下さいね、キリシア様』
王妃が微笑みながら言う
『仕方無いな、根性叩き潰す』
キリシアが豪快に笑っている
『ルシアナちゃん養女に成りませんか?』
王妃が微笑みながら言う
『え! 養女? リリシャお母さん・・・あ! 御姉様』
ルシアナがリリシャを見ながら言うと、慌てた様にしている
『ふふふ、可愛いですね、リリシャ様の娘なら問題ないですね』
王妃が微笑みながらルシアナを見ている
『みんな家族ですから』
リリシャが微笑みながらルシアナを見ていると、みんな微笑んでいるルシアナを見ている
帆船の中を案内して回り、食堂に集まる
『凄い帆船ですね、まさか食堂まで用意しているなんて・・・それも完全な客船の帆船なんて初めてですね』
王妃が嬉しそうに言う
『ミーレスが出掛ける時、困らないようにね』
『こんな快適なら、欲しがる人が多く出そうですね』
王妃が考えている
『大丈夫です。艦長は海兵の子供ですから、簡単に奪われません! レーゼン君が新しい兵士を鍛えてくれたら、守りも出来ます』
メリアが微笑みながら言う
『しばらくは魔法団と、ヒストリア騎士隊から護衛を付けましょう、誰もこんな任務断らないでしょう』
王妃が微笑みながら言う
『帆に紋章を書き込んでいるのは良い事だな』
前国王が笑顔で言う
『奪われても、どこの船か解りますから、転売も出来ません。それに目立ちますから、探したらすぐに見付けられます』
マルスが笑顔で言う
『これで海賊も心配は無いな』
前国王が嬉しそうに言う
海軍の海兵と魔法団の人達をエリカ達が案内と使い方を説明して、艦長達の紹介を済ませるとマルス達は準備をしている
『マルス様、オルクス様が来ました』
ヒストリアが笑顔で言うと、オルクスが造船場にやってくる
『マルス様、メリア様からの依頼の礼服の方が完成しました』
オルクスが笑顔で言うと、馬車の箱をマルスが確認している
『誰の分だろう』
マルスが考えている
『テシウスさんとレーゼン君とミーレスちゃんの分です』
ヒストリアが笑顔で言う
『あ! そうだった! すぐに準備をするね』
マルスが笑顔で言う
『初めて紋章無しの人の礼服作れて安心しました』
オルクスが笑顔で言う
『え? そうだった?』
『テシウス様だけ紋章が無かったです』
オルクスが笑顔で言う
『そうだった? みんな持っていたからね』
マルスが考えている
『アルクオドール様以外で初めて同じ紋章の夫婦の礼服でしたから、嬉しかったです・・・どちらの領主様なのですか?』
オルクスが考えながら聞く
『内緒だよ、まだ結婚してないから・・・それにまだ再興してないし・・・クレゼオルド・リオンド公爵家だよ』
マルスが笑顔で言う
『クレゼオルド・リオンド公爵家? どちらの国なのでしょうか?』
『国内だよ』
『国内!! 知りませんでした』
オルクスが驚きながら考えている
『リオンド・ベラクード王国から編入した地域ですから、まだ発表されてません。アーメルドからしたら、交易相手になります』
ヒストリアが笑顔で説明していると、オルクスが驚いている
マルスが箱を浮かせて持っていくと、オルクスが帰っていき、マルスが準備をして付与魔法をしている
『誰の分ですか?』
リリシャが微笑みながら入ってくる
『ミーレスとレーゼンの分とテシウス君の分だよ』
『テシウス君の? レティナちゃんとお揃いにしているのですか?』
リリシャが考えながら言う
『え! 良く考えたら、お揃いになっているね・・・メリアが仕組んだかな?』
マルスが苦笑いしている
『レティナちゃんとテシウス君仲が良いから良いですね、テシウス君も弟です』
リリシャが微笑みながら言うと、リリシャも手伝い始める
完成すると、マルスとリリシャが持ってキャス号に向かい、ミーレスとレーゼンとテシウスを探しに向かう
『ミーレス様、レーゼン、テシウス君、礼服完成したから着てみてね』
マルスが笑顔で言うと、リリシャが手渡している
『え!凄い魔力・・・』
ミーレスが驚いていると、レーゼンも手が震えている
『あ!テシウス君お揃い』
レティナが嬉しそうに言う
『礼服だから滅多に着ないけど、式には着てね』
マルスが笑顔で言う
『マルス様・・・解りました、怖いぐらいの価値でも着させて貰います』
レーゼンが考えながら言う
『鑑定したく無いので、鑑定しないで使うようにします』
ミーレスが考えながら言う
『あ! ミーレスちゃんがリーベル様と同じことを言った!!』
レティナが嬉しそうに言うと、みんな笑っている
『本気で付与魔法したなら、伝説級ですから・・・鑑定はしたくないです』
ミーレスが慌てて言う
『マルスに自重と言う言葉を教えられませんから・・・暗殺対策しか考えてませんよね?』
フローネが微笑みながら言う
『当たり前です。アルクオドールも怪我しなかったですから』
マルスが笑顔で言うと、みんな思い出して笑っている