ミーレスとレーゼンの事情 後編
『メトリシアが用なんて珍しいな』
ヘルトがメトリシア達を見ている
『結婚式場と言う、城が完成したのか?』
前国王が笑顔で聞く
『結婚式場は完成しましたけど、人が居ません』
メトリシアが笑顔で言う
『見に行くのは、結婚式の日にしますね』
クレシアが微笑んでいる
『クレシア御姉様、マルス師匠が宿屋を作り忘れたと言うですよ』
『宿屋を作り忘れた? 結婚式なら多くの人が来訪しますから用意は必要ですね』
クレシアが考えながら言う
『港近くなら魔導船や帆船に停まらせたら良いのでは無いか?』
ヘルトが考えながら言う
『そっか・・・帆船に・・・引き取る子供達の移動用に帆船も作った方が良いかな? 荷運び用よりも客船を』
マルスが笑みを浮かべている
『マルス師匠が悪巧み始めています』
メトリシアが振り返りマルスを見て叫び
『帆船を? 多く作って貰いましたので、海軍の強化になりますね』
クレシアが微笑んでいる
『ミーレスの就任祝いに作ろう』
マルスが笑顔で言う
『マルスですね、気合い入れますよ』
リリシャが嬉しそうに言う
『旗艦を作ります』
ミリアが満面の笑顔で言う
『え! まさか・・・余計な事を言ったか?』
ヘルトが苦笑いしていると、王妃と国王が笑っている
『マルス殿、サトメルの結婚式に参列しますから、出発はいつにしますか?』
王妃が微笑みながら言う
『お母様も行くのですか?』
メトリシアが驚いている
『ヘルトとクレシアがお留守番です。 サトメルは養女ですから、当たり前ですよ』
『お母様、楽しみにしてましたか?』
『楽しみですね・・・ふふふ』
王妃が笑みを浮かべている
『あ! その為に養女に?』
『メトリシア、それ以上は言うなよ』
ヘルトが頭を押さえながら言うと、国王が爆笑している
『勿論レセナ様も迎えに行きますよね?』
王妃が笑顔で言う
『楽しみだのう』
前国王が笑顔でメトリシアを見ている
『いつも通りですね』
リリシャが微笑んでいると、みんな顔を見合わせて笑っている
『何故レーゼン君が居るのですか?』
クレシアがレーゼンを見ている
『クレシア、ミーレス殿の将来を誓ったそうですよ、これで公爵家も安泰ですわ』
王妃が笑顔で言う
『ミーレスちゃんと? 派遣している騎士達にレーゼン君の傘下に入るように指示を出しましょう』
クレシアが笑顔で言う
『命令書を書いておこう』
国王が笑顔で言うと、レーゼンが驚いて、助けを求めるようにマルスを見ている
『町の復興を待つだけだのう』
前国王が笑顔で言う
『住む場所が出来ているなら、すぐに移民を進めた方が良さそうだな』
ヘルトが笑顔で言う
『海軍の船団に物資輸送と人の輸送を始めて貰おうか』
国王が笑顔で言う
『大工が必要です。建物を建てて貰わないと』
『棟梁なら数人用意させているぞ! 町の復興だから王家として支援をする』
ヘルトが笑顔でマルスを見ている
『え!ヘルト御兄様が用意するなんて珍しいです』
メトリシアが驚いてヘルトを見ている
『用意しなかったら、食事抜きと言ってありますから』
クレシアが笑顔で言うと、みんな爆笑している
『クレシア、内緒にしてくれ』
ヘルトが慌ててクレシアを見ている
『クレシア御姉様、もっとヘルト御兄様を躾て下さい』
メトリシアが笑いながら言う
『クレシアが本気ですから、安心しなさいね、ミーレス殿』
王妃がミーレスとレーゼンを見ている
『え! はい、早く復興出来るように頑張ります』
ミーレスが慌てて言う
『レーゼン君も頑張ってミーレス殿を支えて下さいね』
『はい・・・』
レーゼンが返事をしながらマルスに助けを求めるように見ている
『どうかしましたか? レーゼン君』
クレシアがレーゼンの様子を見ている
『クレシア様・・・復興とか・・・ミーレスちゃんが貴族としか聞いてないので・・・』
レーゼンが申し訳なさそうに言う
『え! クレゼオルド・リオンド公爵家は解りますか?』
クレシアが驚きながらレーゼンを見ている
『えーと、知らないです』
レーゼンが申し訳なさそうに言う
『リオンド・ベラクード王国が、放棄した地方でクライドルト王国に編入されている領土になる。結構広大な領地だが住民は現在居ない為、廃墟になっている』
ヘルトが考えながら説明している
『ミーレスちゃんは、その公爵家の最後の生き残りで、現在クレゼオルド・リオンド公爵です。魔法学院卒業後正式に赴任して統治になります』
クレシアが微笑みながら説明する
『レーゼン頑張ってね』
マルスが笑顔で言う
『レーゼン君大丈夫?』
ミーレスがレーゼンを見ている
『予想外だけど、ミーレスの支えるよ』
レーゼンが慌てて言う
『ふふふ、可愛いですね』
王妃が嬉しそうに微笑んでいる
『ミーレスちゃんが1人で困らなくて良かったです』
クレシアが微笑んでいる
『マルス様ですから、既に護衛を3人準備が終わってます。 商会担当と魔力補充要員に今年卒業した人達から4人送り込みますから、緊急事態なら戦力になってくれます』
メリアが笑顔で言う
『流石ですね、すぐに公表しますか?』
クレシアが微笑んでいる
『良いと思います。 プライゼナスさんを連れてきていますので、赴任まで領地把握と書類を作ってくれます。』
メリアが笑顔で説明している
『ミーレス・クレゼオルド・リオンド公爵復興を任せるぞ、任命状だ』
国王が執事を呼び出して書類を持ってきて貰うと、すぐに手渡している
『はい、拝命します』
ミーレスが受け取る
『クレゼオルド・リオンド公爵家の家宝等は、ヘルゼレス王国からも委譲されている。後程海軍に運ばせよう』
国王が笑顔で言う
『え! 家宝?』
ミーレスが驚いている
『リベリアの英雄殿達が奪還した後、回収してある。王都陥落後、ヘルゼレス王国が回収した分も海軍が保管している。 全部はリベリアの英雄殿が何も受け取らないから、残っていたがな・・・領地復興に使うように』
国王が笑顔で説明する
『マルス様、頂いても良いのでしょうか?』
ミーレスが驚きながらマルスを見ている
『宝物庫にしまえば、取られないから大丈夫』
マルスが笑顔で言う
『え! 受け取るか受け取らないかなのですが・・・』
ミーレスが苦笑いする
『マルス師匠だから興味無いです。 結婚式場作ってから、住むか聞いたら、迷宮が無いから帰るよの一言でしたから』
メトリシアが笑顔で言うと、みんな笑っている
『え! 迷宮が無いから・・・本当に結婚式場なのですか?』
ミーレスが驚きながらマルスを見ている
『結婚式場を作ったよ』
マルスが笑顔で言うと、王妃が笑っている
(結婚式場と言う城はどんな感じでしょうか?楽しみですね)