エレストリアクレイス王国の散歩 前編
翌朝、キャス号に乗り込んで上昇すると、東に向けて飛んでいく
『リリシャ、来訪前に連絡が欲しい』
父親が呟く
『元気そうで良いですが・・・結婚するのですね』
母親が呟く
『はぁ・・・そろそろ近隣から使いが来るか・・・面倒だな・・・リリシャの来訪の後が忙しい』
子爵が苦笑いしていると、クレセとリアクラナが頷いている
『リリシャとメーレス御姉様とゆっくり話せて嬉しかったです』
リアクラナが笑顔で空を見ている
エレストリアクレイス王国王都が見えてくると、城門に伝えてから、王城の裏に着陸する
マルス達は王太子の案内で部屋に向かう
『レセナの式はどうだったか?』
国王が微笑んでいる
『各国を訪問しましたが、どの国もリベリアの英雄様を救国の英雄と称えていました。レセナの外交関係がどのぐらい大きいか、初めて実感しています。オテリオス王国もレセナを非常に大事にしています・・・オテリオス王国の重要な国と実感しています』
王妃が微笑みながら言う
『オテリオス王国が? 何故だ?』
国王が驚いている
『北の国々とクライドルト王国の唯一の外交国です。クライドルト王国と外交するなら、オテリオス王国を通る必要が有ります。今回も難所を超えて、ほぼ全ての国の外交担当達が集まっていました。ホルギリス王国のシスティーナ王女様を中心に王族も参加していました』
王太子が笑顔で説明している
『レセナに重要な外交を全部させていたのか・・・苦労掛けているのだな』
国王が考えながら、メーレシア達を見ている
『紹介してませんでしたね。クライドルト王国のアリシア王女様とカーレスト子爵夫人メーレス様とリオンド・ベラクード王国サトメル次期王妃様とレトリアル・クレトリア王国ルメリア王女様とリベリア公爵家クリス様です。セクラ王女様とメーレシア公女様は前回挨拶してますね・・・バゼルノアス王国のレイナール王女様とクセリオ王子様も居ましたね、アーメルド伯爵夫人ルキア様もいます』
王妃が微笑みながら紹介している
『こんなに王族が来訪とは』
国王が驚いている
『西の国々全部の王族が勢揃いしています』
王太子が苦笑いしている
『は? そうなのか?』
『メーレス様はヘルゼレス王国の王女様です。メリア様もガベラス王国の王女様です。クリス様は、レトリアル・クレトリア王国王太子セレメト様の婚約者様です。アリシア王女様は、ウルシナ公国公太子様と婚約中です。 今後も婚儀が続きますから使いは必修です。それ以前にマルス様とリリシャ様の結婚も決まりましたので、絶対に参加は必修です。 初めて知りましたが、リリシャ様の御実家も訪問しましたが、まさか、トリエスト子爵家の出身とは知りませんでした・・・全員がレセナと友達ですから、どれだけの外交関係を作っていたか、王太子の話よりも大きな外交関係を築いていました』
王妃が国王に説明している
マルス達は町中を散策に向かい、ルメリアがクリスと手を繋ぎ楽しそうに話しながら歩いている
『マルス様、他国の町中を散策できるなんて滅多に無いですから、嬉しいです』
ルキアが笑顔でマルスを見ている
『ルキア様も楽しそうですけど、アルクオドール様も連れてきた方が良かったですか?』
『今度は一緒に来たいです』
ルキアが笑顔で言う
『色んな国を歩くのは楽しいですから、マルス、買い食いもしましょうね』
リリシャが微笑みながら言う
『もう買いに行っているよ』
マルスがキリシアの後ろ姿を見ている
『あれ? シンリー様何故一緒に』
マルスがフローネと手を繋いでいるルシアナと手を繋いでいる、シンリーを見ている
『え! これは誘拐になるのでしょうか?』
リリシャが驚いている
『騎士も一緒だから良いのかな? ルシアナちゃんと仲良くしているから、見なかった事にしようか?』
マルスがシンリーを見ている
『マルスですね。子供には甘いのですから』
リリシャが微笑みながらシンリーを見ている
『マルス美味しいよ』
キリシアが串焼きを食べながら戻ってくると、手に何本か持っている
『マルス師匠、全員分買ってきましょう』
エミールが笑顔で言う
『キリシア案内してくださいね』
リリシャがマルスの腕を引っ張って歩いていき、みんな後をついていく
キリシアが串焼きを注文して、焼き上がるのを待っている
『はい、ルシアナちゃん・・・え! シンリー様!』
キリシアがシンリーを見て串焼きを受け取ろうとしたルシアナがキリシアの顔を見ている
『一緒に散歩に連れていく様に頼まれましたよ』
フローネが微笑みながら言う
『勝手に付いてきてないから良いのかな? どうぞ』
キリシアが串焼きを手渡していると、シンリーが受け取ろうか迷っている
『シンリーちゃん、美味しいよ、あーーん』
ルシアナが串焼きをシンリーの口に近付けると、迷いながら1口食べている
『美味しい』
シンリーが恥ずかしそうに呟く
『もっと食べる?』
『怒られるので・・・』
シンリーが思い出したように呟く
『え! 何故ですか?』
ルシアナが驚いている
『立ち食いなんて行儀が悪いと怒られます・・・王女らしく無いと・・・』
『大丈夫です。あそこで美味しそうに食べているメトリシア様が居ますから』
ルシアナがメトリシアを見ていると、メトリシアが串焼きを食べている
『行儀悪くないのですか?』
シンリーがフローネを見ている
『この集まりなら行儀よりも、付き合いですね・・・人に食べさせて貰うよりも1人で食べましょうね。真似する人が出ますから』
フローネがマルスに近付き、マルスを見ているセクラを見ている
『マルス様、あーんして欲しいです』
セクラがマルスの串焼きを見ている
『セクラ様・・・』
マルスが串焼きを差し出すと、セクラが美味しそうに食べている。シンリー達が見て苦笑いしている
『あーーーセクラ様ズルい!!』
メトリシアが気が付いて大声をあげている
『あの真似だけはしないで下さいね』
フローネがシンリーを見ている
『はい、セクラ様は行儀が悪いのですか?』
『行儀・・・悪い手本ですね。良い手本は、あっちですね』
フローネが苦笑いしてから、ルメリアを見ている。ルメリアが食べる時に口を手で隠しながら、ゆっくり食べている
『あ! はい』
シンリーがルメリアの真似をして食べ始めるとキリシアが微笑んでいる
『可愛いですのーーー』
アリシアがシンリーに近付く
『アリシア様、カミラ様に報告します』
ウテリアとステリアが立ち塞がっている
『可愛いから抱き締めたいですの』
『ダメです! 言い付けます』
『うっ・・・少しだけですの』
アリシアとウテリアとステリアが話していると、メリアが笑っている
『捕まらない様に気を付けよう』
ルシアナがシンリーに言うと、全員アリシアを見て笑っている




