トリエスト子爵家に寄り道 後編
エレストリアクレイス王国王妃と王太子夫妻が微笑みながら見ている
『トリエスト子爵家がリリシャ様の御実家とは知りませんでした。今後も友好的関係をして欲しいですね』
王妃が微笑みながら言うと、王太子が苦笑いする
『こちらこそ、よろしくお願いします・・・』
子爵が王妃を見ながらメーレスに助けを求める様に見ていると、両親もメーレスを見ている
『紹介してませんでした。エレストリアクレイス王国王妃様と王太子夫妻様とシンリー王女様です』
メーレスが微笑みながら紹介をする
『失礼しました!!! おおおおお王妃様の御来訪感謝申し上げます!! おうたいち様御来訪感謝いたちます!!』
子爵が慌てて頭を下げて震えている。リリシャの両親とクレセとリアクラナが慌てて頭を下げている
(隣国の王妃様!! 無礼が有ったら大変な事に!! 歓迎の宴所でないぞ!! リリシャーーーーなんて人を連れてくるんだ!! 王女様も何人連れてきている!!)
『御息女が生まれましたら、是非お知らせください。リリシャ様の縁戚になれるなら嬉しく思います。ふふふ、他国に知られるよりも先に手を打たせて貰います』
王妃が嬉しそうに微笑んでいると、子爵が慌てている
(は? イキナリ王家から誘い? どうすれば!!)
『あ!! その手が・・・リアクラナさん、早く子供を頼みます・・・メーレス御姉様、この子の許嫁楽しみにしてます』
サトメルが微笑みながら言う
『あ! 帰ったらすぐに御兄様に伝えておきます・・・赤ちゃん・・・マルス様と一緒に赤ちゃんを抱いて散歩・・・ふふふ、天気の良い日にマーマと・・・』
セクラが笑顔で言いながら妄想を始めている。ルーセントが頭を抱えている
『争奪戦になりますね・・・アリシア様』
メーレスが満足そうに笑みを浮かべている
『あ! そうですのーーークレセの娘なら欲しいですのーーーメーレス様の子供の方が良いですのーーマルス様の子供が一番ですのーーー』
アリシアが笑顔で言う
『ふふふ、楽しみになります。アリシア御姉様・・・子供同士許嫁になったら・・・私の子供もエヘヘ』
メーレシアが笑みを浮かべている
『セクラ様もメーレシア様もアリシア御姉様も私のマルス師匠で妄想しないでーーー!』
メトリシアが大声をあげている
『メトリシア様よりも先に欲しいです』
メリアが笑みを浮かべている
『え!メリアまで!! 負けません』
メトリシアがメリアを見て叫ぶ
『メトリシアのマルス師匠ではないですよ』
エミールが微笑みながらメトリシアを見ている
『ふふふ、楽しいですね。メーレス様、他国に知られない様にしてくださいね・・・優位に交渉したいですから・・・候補が沢山居てくれて嬉しいですね・・・レセナに感謝ですね、ふふふ』
王妃が微笑みながら言うと、メーレスを中心に話し合っている。話を聞きながらクレセとリアクラナが顔を見合わせて引き攣っている
(これは・・・早くと圧力が・・・生まれたら大変な事になりそうだが・・・早く欲しいが・・・生まれたら大変な事になりそう・・・ん? メーレス様の子供でも良いのでは? そもそも隣国に嫁げないと思うが・・・油断したら知らない間に話が進んでいる事も有る・・・リリシャ何とかしてくれーーーー)
挨拶が終わると、マルス達は少し町中を散策して、子爵は歓迎の為の食事を用意してくれている。その間にメリア達は商人と交易をしている
『リリシャ、結婚したら王都に住むのか? 式もあの式場か?』
クレセがリリシャを見ている
『マルスが作ると言ってますから、楽しみにしていて下さいね・・・みんなの力作になりますから』
リリシャが笑みを浮かべている
『それの方が大変な事になりそうだが・・・考えない方が良いな・・・』
クレセが想像して頭を抱えている
『リリシャ、あのクレセの領地の件だが、そろそろ金貨必要か?』
子爵がリリシャとマルスを見ている
『まだ必要で無いです』
『しかし、これだけの人を招いて式を挙げるなら相当な費用も掛かるだろう』
『費用が掛かる? マルス、迷宮で本気で資金集めしますか?』
リリシャが笑顔でマルスを見ている
『屋敷の魔石先に売る?』
マルスが倉庫を思い浮かべている
『魔石を全部魔導具にしましょう。魔法のランプの外装沢山作らせないと』
リリシャが笑みを浮かべている
『マルス様、その前に交易の利益も貰って下さいね、ウイスキーとブランデーの利益が莫大過ぎますから』
メリアが微笑みながら言う
『働いてくれている人達に還元して良いよ』
『マルス様、働いている人達の要求は、長く働かせて欲しいとの事です。服を買う以外使う事が無いですから、未だに廊下に寝具を移動して寝てますから』
メリアが笑いながら言う
『え! 何故? もっと良い部屋を用意して挙げないと・・・リリシャどうする?』
『マルス、帰ったら増築してあげましょう・・・屋上庭園なんてどうですか?』
リリシャが笑顔で言う
『水魔石を使った水路も試してみるかな? 面倒だから魔導炉も取り付けるかな・・・』
マルスがブツブツ呟きだすと、リリシャも嬉しそうに聞いている
『資金の事を言ったらダメなのか? リリシャ、今後領地はどうするつもりなのか? 子供に継がせるのか?』
子爵が考えながら言葉を選んでいる
『領地なんて要らないです。面倒ですから。マルス欲しいですか?』
リリシャが笑顔で言う
『え? 何?』
『マルス、領地欲しいですか?』
『要らないよ。面倒だから誰か欲しい人にあげるよ』
マルスが笑顔で言う
『クレセが継いだら、誰に統治させるか・・・』
『クレセ御兄様が多くの子供を作ってくれれば良いだけですね』
リリシャが笑顔でクレセを見ている
『領地運営の勉強するにも、それまで誰に預けるか・・・』
子爵が苦笑いしている
『クレセ御兄様の手腕次第ですね』
リリシャが笑顔で言う
『メリクトリに苦労させるか・・・』
クレセが苦笑いしている
『メリクトリ? ・・・あ! 居ましたね。沢山苦労させてあげて下さいね。マルスが雇う前にクレセ御兄様に奪われたのですから・・・』
『は? もしかして、八つ当たりか?』
『領主飽きたらマルスが雇いますよ』
『メリクトリさんなら、各国に飛び回って来て貰うかな? メリア』
『良いですね。各国王家と話し合いに行って貰いましょう。マルス様、リリシャ様、早く雇えるように、苦労させてあげて下さい』
メリアが笑いながら言う
『メリクトリに注意させておくか・・・因みに魔法使い2人は今後も雇っていて良いのか?』
クレセが苦笑いしている
『アーセル、聞いているよ』
マルスがアーセルを見ている
『クライドルト王国の東の要です。本人達が嫌なら別の人を送り込みます。マルス様の奥様の実家なら人選はいくらでも出来ます』
アーセルが笑顔で言う
『本人達は良いが・・・近隣の領地の人が・・・』
クレセが苦笑いしている
『文句が有るなら、宮廷魔術師長ハルドに直接文句を言いに来なさいと伝えて下さいね』
アーセルが笑顔で言う
『国の重鎮に文句を言える度胸は無いだろうけど・・・兵士も育てないと・・・』
クレセが苦笑いしている
『クレセ御兄様、兵士を育てるのですか?』
『鍛えているが、中々上達しない』
『リベリアに何人か送って下さいね。子供達と一緒に鍛練して貰います』
リリシャが嬉しそうに微笑んでいると、クレセが頷いている
『クレセさん、兵士と少し鍛練する?』
マルスが笑顔で言う
『師匠勝負です!!』
ヒストリアが笑顔で言う
『食後の軽い運動しようか?』
『はい! 師匠! 今度こそ1本取ります』
ヒストリアが満面の笑顔で言うと、リリシャが笑っている
食事後、マルスとヒストリアが本気の勝負をして、それを見学した子爵達は呆然と立ち尽くしている
『クレセ、人を送り込んだら、逆に大変な事にならないか?』
子爵が呟く
『リリシャの前で何も欲しいと言わない様に気を付けます・・・忘れてくれる事を祈ります』
クレセが青ざめながら呟く
『クレセ、リリシャと話す時は気を付けてくれ・・・近隣の領主からの妬みが更に大きくなるから・・・妬まれるだけなら良いが・・・リリシャに文句でも言ったら、それこそ怖そうだが・・・』
子爵が苦笑いしている
(リリシャに文句を言ったら、王家から呼び出しか? その前に何ヵ国から抗議か・・・横に隣国の王妃様がいる時点ですぐに呼び出されそうだな・・・考えただけで恐怖しか無い・・・)