商会と貴族達
一方、商会では一人の男が
『魔法のランプを売れないだと!!』
『現在、売り物はありません』
店員が言うと
『ふざけるな!!!』
男は店員に掴みかかり怒鳴る
『売り物は無いのでお引き取りを』
『必要だから来ているんだろ!!直ぐに何とかしろ!!』
『店主が戻ってから話し合いをしてください』
『直ぐに用意しろ!貴様!』
『無いものは無いです』
『この!!許さん!!!出せ!』
男は激高して詰め寄るが店員は断り続けると騒ぎに警備隊隊員が入り口で見ている。そこにランプを持った人が魔力の補充を依頼にくると
『寄越せ!!』
男はランプを奪い、店を飛び出していく
『泥棒!!』
店員が叫ぶと直ぐに警備隊隊員が取り押さえる
『何を貴様、伯爵家を愚弄するつもりか!!!』
『泥棒を取り押さえただけだ!!』
警備隊隊員が言うと
『伯爵家を敵に回してただでは済まぬぞ!!』
男が叫ぶと
『話は詰め所でじっくり聞いてやる』
警備隊隊員がそう言って連行しようとすると
『離せ!!お前達、こいつを何とかしろ!』
男が叫ぶと、馬車から護衛が降りてきて警備隊隊員を殴り、男を馬車に誘導するが
『そこまでだ!』
ガシリオとロイドが男を止める
『ふざけるな!!伯爵を敵に回してただで済むか!』
男は叫び、ロイドを殴ると、ロイドはニヤリと笑って男を投げ飛ばす
『こいつを牢屋にぶちこめ!』
ロイドが言うと
『伯爵家を愚弄したな!許されると思うなよ』
『王都で伯爵家からの聴取をする!王国騎士を殴ってただで済むのか?』
ロイドが言うと男は青ざめて座り込み、詰め所に護衛共々連行される
『これが今の貴族の現状?』
『エビリア、私たちも家を追放されてなかったら、こうなっていたのかな?』
エビリアとクレスタは店から顔を出して言うと中に戻り、魔力補充を進める
『こちらでランプは販売していますか?』
『申し訳ありませんが、販売はしていません』
店員が言うと
『貸し出しは出来ますか?』
『現在、店主がいませんので出来ません』
『そうですか・・・』
男は残念そうに帰っていく
『今の人、貴族の使いだよね』
エビリアが言うと
『結構紳士だね』
『感じの良い執事だね』
『店主はいるか?』
男が入ってきて言うと
『留守にしています』
『はぁー!いないのか!』
『はい、留守にしています』
『どのぐらいで帰る?』
『数日は帰りません』
『はぁ!!なんだと!数日だと!ふざけるな!!!』
男が怒りながら言うと
『どこに行っている!』
『王城に行っています』
店員が微笑みながら言う
『おお王城・・・陛下からの呼び出しか?』
『依頼品の納品です』
『そうか・・・』
男は出ていく
『今の人、王城って言われて文句言えなかったね』
『貴族でも王様を敵に回せないからね』
クレスタが微笑みながら言う
『貴族が増えたよね』
『店に来れば買えると思い込んでいるのかな?』
『そうだね・・・買えないのにね』
『このランプはどこの物か解りますか?』
門番と警備隊隊員がやってくる
『ちょっと待っていてください』
店員は名簿を持ってきて照らし合わせて
『このランプの番号は領主の館の分ですね』
『え?領主の館ですか!』
門番は驚き、警備隊隊員と見合わせる
『どうかなさいましたか?』
『町から持ち出そうとしたので、確認に来ただけです。ありがとうございます』
門番と警備隊隊員は急いで出ていく
『今のは持ち出そうとして見つけたのかな?』
『あれだと、捕らえて聴取だね』
『領主の館からだと、領主も激昂するね』
エビリアが言うと
『何だかこの頃増えたよね』
『知名度が上がったからかな?』
『便利だからだよね』
警備隊隊員が入ってくる
『エビリアさん、クレスタさん、そろそろ終わりですか?』
『あっ!もうそんな時間ですか?』
エビリアとクレスタは、全部のランプの魔力補充が終わっているのを確認してから店員に任せて帰ることにする。警備隊隊員は帰り道が同じだからと言って送ってくれる
家に着いて
『ラーザさん、ただいま』
『お帰りなさい』
ラーザは門を開けて迎え入れると警備隊隊員は帰っていく
『ただいま帰りました、師匠』
『お帰りなさい、エビリア、クレスタ』
リリシャは微笑みながら言う
『今日も貴族が3人来ていました』
『ミドルがいないと面倒にならない?』
『一人は、別の客のランプを奪って逃げようとして取り押さえられていました』
『また盗難だね』
『ロイドさんを殴って捕まえられていました』
『ロイド、わざと殴らせたね』
キリシアは笑うと
『その前から伯爵家を敵に回してとか言っていたから、ロイドさんは王国騎士を殴ってただで済むのかと逆に言っていました』
『完全に確信犯だね。多分イラッとしたんだね』
キリシアが笑いながら言う
『そうだと思います』
クレスタが言うと
『更に何か対策した方が良いのかな?』
マルスが言うと
『盗難が増えていますね』
リリシャが微笑みながら言う
『何か考えよう』
マルスは考え始めると
『ランプの構造変えちゃおうか?』
『え?構造を変えるどうやって?』
リリシャが驚いて言うと
『魔石を完全に組み込んでボムかゴーレムの鉱石で作っちゃうのはどうかな?これと同じように』
マルスは卓上型を指差す
『え?これもランプなのですか?』
クレスタは驚きランプを見ている
『書物やテーブルの上を照らすのに良いでしょ』
マルスが微笑みながら言う
『ギレリムが苦労するね』
リリシャが微笑むと
『あ!そう言えばこないだの魔方陣が書いてあった本に、魔力に反応する魔方陣無かった?』
『有ったような・・・・』
リリシャが考え始めると
『有りました!』
ミリアが思い出して言うと、本を取りにいくと急いで戻ってくる「ドンッ」
『あっ!し、師匠、ごめんなさい』
持っていた本がマルスに命中していた。キリシアは大笑いして、みんな笑い出すとマルスは苦笑いしている。ミリアは顔を赤くして恥ずかしそうにしている
『あ!これだよ!これ!!』
マルスが苦笑いしながら本を見て言うと
『あ!特定の属性に反応出来るね』
『これで何が出来るのでしょうか?』
クレスタが疑問に思い言うと
『光属性に反応するように出来れば、門番は調べやすくなるから持ち出せなくなる』
『あ!直ぐに捕まるから逃げれない』
キリシアが言う
『盗賊対策だね』
リリシャが微笑みながら言うと
『だからちょっと考えるね』
マルスは微笑みながら考え始める