オテリオス王国へ
3日後、準備を終わらせて、キャス号に乗り込み始めると、ヘルトがやって来る
『マルス殿、アリシアは?』
ヘルトがキョロキョロして言う
『食堂に居ますが、呼びますか?』
『親書を持っていって貰わないと』
ヘルトが言うと、オリスが呼びに向かうと、レイナールとクセリオがやって来る
『ヘルト殿下、お会いできて光栄です』
クセリオとレイナールが挨拶をしている
『元気そうで良かったが、魔法学院卒業後、帰るのか?』
ヘルトが考えながら聞く
『え? 人質ですから、帰れません。今回の様に他国の結婚式に参加させて貰えるなんて非常に嬉しく思います』
レイナールが驚きながら言う
『人質・・・忘れていた・・・』
ヘルトが苦笑いしている
『ヘルト何の用ですの? 交代はしませんの』
アリシアが笑顔で言うと、メトリシアが笑っている
『親書を持って行ってくれ・・・忘れていたのか? それに王族の見送りは必要だろう』
ヘルトが苦笑いして言う
『みんな仲良しですの』
『仲良しか? アーセル師監視をお願いします』
ヘルトがアーセルを見ている
『監視? アーセルさんに何を頼むのですか!!』
メトリシアが大声で言うと、レイナールとクセリオが驚いている
『リベリアの英雄殿はどこかにすぐに出掛けるから! エレストリアクレイス王国に迎えに行ったら、王妃様まで連れて帰ってくる』
『え! エレストリアクレイス王国の王妃様!!』
レイナールが驚いている
『レイナール様、挨拶をしてなかったですか? そう言えば、王都に到着してから会ってません』
メトリシアが考えている
『クレシアと御母様とお茶会で1日中一緒に話していたぞ』
『聞いてませんでしたのーー 御一緒した方が良かったのですの』
『マルス殿の屋敷も5か国からの王女が集まり大変だっただろう』
『毎日楽しく遊んでいました。町中も出歩きました』
メトリシアが笑顔で言う
『何で呼んで貰えないのでしょうか?』
レイナールが寂しそうに呟く
『え! えーと、マルス師匠が呼ばないからです』
メトリシアが慌てて言う
『レイナール様、今度はクリス様達から誘って貰うようにします』
マルスが考えながら言うと、エレストリアクレイス王国王妃達がやって来る
『クライドルト王国に訪問できて安心できました。レセナの事も良くして貰えて嬉しく思います』
王妃が微笑みながら言う
『説明しても信じてなかったと、今更思いました』
王太子が苦笑いしている
『こちらは、レイナール様とクセリオ様です』
マルスがレイナールとクセリオを見て言う
『レイナール・バゼルノアスです』
レイナールが丁寧に挨拶をすると、クセリオも丁寧に挨拶をしている
『バゼルノアスの? 滞在していて不都合は?』
『え? 何も・・・魔法学院で学ばせて貰いました』
『え! 魔法学院で? 良いのでしょうか? 人質が自由にしていて』
王妃が驚きながらレイナールを見ている
『今回も御一緒にレセナ様の式に参加させて貰います』
『え! 何故? 人質が国外に? クライドルト王国は何を?』
王妃がヘルトを見ている
『人質? 魔法学院に学びに来ただけだろ?』
ヘルトが苦笑いしている
『ヘルトですのーーー 人質を忘れてますの』
アリシアが笑っている
『御母様、クライドルト王国の余裕です。 軟禁なんて全然してません。レセナなんて、この屋敷に朝から夜まで居着いていましたから、前回来た時は朝に叩き起こされて、ここまで連れてこられましたから・・・監視の騎士も居ません』
王太子が苦笑いしながら言う
『レセナ様は、気が付いたらシルフィード号に乗り込んでいる事もありますから』
マルスが思い出したように言うと、アリシアが羨ましそうに説明している
『こちらの女性は?』
王妃がアリシアを見ている
『あ! アリシア御姉様、挨拶をしてません』
メトリシアが慌ててアリシアを見ている
『アリシア・クライドルト第一王女ですの』
アリシアが慌てて挨拶をする
『は? アリシア王女様までここに?』
王妃が驚いている
『レセナ様の焼き菓子大好きですの』
アリシアが笑顔で言うと、みんな笑っている
全員が乗り込むと、キャス号が上昇していき、北に飛んでいく。オテリオス王国王都が見えてくると、降下して城門に近付く
『英雄様、王城の裏にどうぞ』
騎士が姿勢を正して言うと、キャス号とオルセント号がゆっくり進み、王城の裏に着陸する
マルス達がキャス号から降りていると、レセナとクレオルが出迎えにやって来る
『予定通り到着して良かったです。 実は北の国々からも多くの人が到着しました・・・クライドルト王国からの使者が到着するのを待っています』
クレオルが説明をしていると、アーセルが苦笑いしている
『アーセルさん忙しそうですね』
マルスがアーセルを見ている
『外交担当は陸路で向かってますから、任せます』
アーセルが苦笑いしていると、エレストリアクレイスの王妃が降りてくると、レセナが驚いている
『え! 御母様!! 御兄様に御姉様も何故ここに』
レセナが驚きながら叫んでいる
『娘の式を祝いに来ました。シンリーの事も有りますから』
王妃が微笑みながら言うと、クレオルが慌てて挨拶をしている
王城の部屋に向かい、中に入るとグレゼイトとビレストが待っている
『人が多いが・・・アリシア様まで』
グレゼイトが苦笑いしている
『御紹介します。御母様と御兄様と御兄様の奥様と長女シンリーです』
レセナが紹介をすると、グレゼイトとビレストが慌てて挨拶をしている
『まさか、王妃様が来訪とは・・・迎賓館が全く足らないな』
グレゼイトが苦笑いしている
『キャス号で良いです。 こんな快適な旅は無いですね・・・飲み過ぎて寝込む人も居ますから』
王妃が微笑みながら言うと、王太子が慌てている
『飲み過ぎて? 御兄様?』
レセナが王太子を見ている
『ふふふ、食堂で寝込んで朝まで起きなかったですね』
王妃が微笑みながら王太子を見ている
『あんなに上質のブランデーがあれば飲みます』
王太子が慌てて言う
『ブランデー? リベリアのブランデーですか?』
レセナがマルスを見ている
『試飲して貰ったよ。メリアが積んできているから使ってね』
マルスが笑顔で言う
『カーレストの蒸留酒も持ってきていますよ』
メーレスが微笑みながら言う
『ウイスキーも完成してますので、試飲用に持ってきてます。各国を回り食料も買ってきていますから後で見てくださいね』
メリアが微笑みながら言う
『はい! メリア様、嬉しいです』
レセナが嬉しそうに言うと、メリアとレセナが何を積んであるか話している