ヒストリアと一騎討ち
翌朝、リリシャとヒストリアがキャス号に戻ってくる
『マルス、おはよう』
リリシャが食堂で食後ゆっくりしているマルスを見付けてやってくると、サーリンがリリシャとヒストリアを見て、朝食の準備を始めている
『リリシャ、ヒストリアおはよう』
マルスがリリシャを見てからヒストリアを見ている
『マルス師匠、おはようございます』
ヒストリアが笑顔でマルスを見ている
『悩みは解消したのかな？』
『え！ 悩み・・・御姉様、マルス師匠も？』
ヒストリアがリリシャを見ている
『レティナちゃんよりマルスが聞いて、マルスが話すよりも良いですから、ヒストリアの事を任せて貰いましたよ』
リリシャが微笑みながらヒストリアを見ている
『マルス師匠、心配を掛けました・・・御姉様に聞いて貰って楽になりました』
ヒストリアが笑顔でマルスを見ていると、サーリンが朝食を運んでくる
『リリシャ様、ヒストリア様御飯です』
サーリンが料理を並べている
『プリエラちゃんの方が良かったなぁ』
ヒストリアがサーリンを睨んで言う
『え！ ヒストリア様・・・』
『王都に帰ったら、覚悟して下さいね』
ヒストリアが睨みながら言うと、サーリンが助けを求める様にマルスを見ている
『余計な事をしなければ、良かったのに・・・娘の後始末は、家族会議だね』
マルスが考えながら言うと、リリシャが笑い始める
『え！ 娘の・・・嬉しいです』
サーリンが笑顔でマルスを見ている
『秘密をバラしたら、誰が怖いかな？ 解るよね』
マルスがサーリンを見て言うと、ヒストリアがマルスを見ている
『え！ 』
サーリンがリリシャを見て驚いている
『ふふふ、サーリンちゃんの一番怖い人も怒りますね、気を付けなさいね』
リリシャが微笑みながらサーリンを見ている。サーリンが青ざめて震えている
（え！リリシャ様も怒っている！！ マルス様も・・・やったらダメな事だったの？ どうしよう？ 子供の世話させて貰えない！！ どうしよう・・・リリシャ様の目が笑ってない！！ ヒストリア様の目も怖い・・・マルス様助け・・・どうしたら良いの）
朝食が終わるまでマルスはヒストリアとリリシャを待っている
『マルス師匠、この後訓練をお願いします』
ヒストリアが笑顔で言うと、リリシャが微笑みながら見ている
『良いけど、少ししたら出発するよ』
『はい！ マルス師匠、１本取らさせて貰います』
ヒストリアが笑顔で言うと、ヒストリアが準備の為に食堂を出ていく
『ヒストリア相手に１本は取られないで下さいね』
リリシャが微笑みながらヒストリアの出て行った方を見ている
キャス号から降りて、訓練の準備をしている
『マルス師匠、１本取れたら・・・子供が欲しいです』
ヒストリアが真っ赤になりながらマルスを見ている
『え！ ヒストリア！ 何を』
マルスが驚いて叫ぶと、リリシャが遠くから微笑みながら見ている
『マルス師匠！！ 勝負です！！』
ヒストリアがマルスを見詰めながら言うと、少し離れて剣を構える
ヒストリア、本気なのか？ リリシャの笑み・・・知っていて・・・だから１本取られないでと・・・
マルスが剣を構えると、ヒストリアが接近して、剣を振り始める。マルスは剣を捌きながら、時々牽制をしている
『マルス師匠、体が温まってきましたか？ そろそろ本気でいきます』
ヒストリアが距離を取って、闘気を纏い始め、マルスも闘気を纏い、剣を構える。ヒストリアが接近しながら、急にステップで横に動き、一気に突進すると、マルスがかわしながら、剣を振り、ヒストリアがサイドステップでかわす。ヒストリアは緩急をつけながら、マルスに向けて次々と剣を振っている
ヒストリアは、マルスの行動を制限するように剣を振り続け、マルスがかわすタイミングで、一気に接近して突きを放ち、マルスはヒストリアの剣に剣を当てて、滑らせるように接近すると、ヒストリアは、ステップでマルスから離れてすぐに接近しながら剣を振る。マルスは、ヒストリアの剣を後ろに下がりながらかわし、ヒストリアに向けて剣を振り、ヒストリアが慌てて飛び退くと、マルスは突きを放ち、ヒストリアの首元で剣先が止まる
『マルス師匠、次は必ず１本取ります』
ヒストリアがマルスを見ながら言うと、メトリシア達が拍手している
『マルス、ヒストリア強くなった？ 凄い気合いだった！ 動きも凄く良い！！』
キリシアが笑顔でマルスを見ている
『そうだね、今までで一番良かったかな？ いつもよりもがむしゃらに剣を振っていたからね』
マルスがキリシアを見て言う
『はい！マルス師匠、もっと考えてマルス師匠から１本取ります』
ヒストリアが満面の笑顔で言うと、リリシャ達が近付いてくる
『ヒストリア惜しかったですね、もう少しで１本取れたかな？』
リリシャが微笑みながら言うと、みんなヒストリアを見ている
『はい、御姉様、次は１本取れるように頑張ります』
ヒストリアが満面の笑顔でリリシャを見ている
『え？ ヒストリアがリリシャ師匠を御姉様と言った・・・』
メトリシアが驚いている
『はい！ 第４夫人ですから、御姉様です』
ヒストリアが満面の笑顔で言う
『ヒストリア！！ 第４夫人と宣言したーーー許しません！！』
メトリシアが驚いて叫び、みんなヒストリアを見ている
『はい！メトリシア様、もう悩みません！！ マルス師匠の夫人として頑張ります！』
『えーーーーーーー！ケニス！ ヒストリアが！！』
メトリシアが慌てた様にケニスを見ている
『心構えが代わったから、自分の剣を・・・ヒストリア一気に成長しましたね・・・手が掛からなくて良いですね』
ケニスが微笑みながら言う
『ケニス様、例えメトリシア相手でも、マルス師匠は譲りません』
ヒストリアが満面の笑顔で言うと、エミールとミリアが驚いている
（え！ヒストリアが最大のライバルになりそう・・・どうしたら？ 今日の一騎討ち一気に変わったのは気になりますが・・・リリシャ師匠１日でどうしたらそんなに一気に変えられるのですか？ それも御姉様と呼び始めました・・・まさか、ヒストリアと浮気？ 気になります）
王妃と王太子夫妻とシンリーがマルスとヒストリアの一騎討ちを見て呆然としている
『あの動きが人の・・・』
『英雄殿だからでも・・・前よりも早くなったないか？ ヒストリア殿もあんなに強かったのか？』
王太子と王妃が苦笑いしている
