リオンド・ベラクード王国に寄り道
リオンド・ベラクードの王都が見えてくると、降下して、城門に近付く
『英雄様、王城にどうぞ』
門番が姿勢を正して言うと、キャス号がゆっくり進み、王城の裏に着陸する。
マルス達がキャス号から降りていくと、イーケルとサトメルとアーゼラストリアが出迎えに出てくる
『英雄様来訪感謝します』
イーケルが笑顔で言うと、オルセント号からセクラ達も歩いてくる
『サトメル様迎えに来ました』
メトリシアが笑顔で言う
『レセナ御姉様の結婚式楽しみにしてました。メトリシア様、メーレシア御姉様も来訪歓迎します』
サトメルが嬉しそうに微笑んでいる
『サトメルは、この頃早く到着しないか、いつも空を見ていました』
イーケルが微笑みながら言う
『え! イーケル様!!』
サトメルが慌てた様にイーケルを見ていると、アーゼラストリアが笑っている
『サトメル様、こちらですが、結婚祝いの品になってます』
セクラが笑顔で言うと、オルセントの紋章の入った箱を騎士が運んで来て、中を見せている
『セクラ様、感謝いたします』
イーケルが笑顔で言う
『英雄様・・・実は・・・先に報告しておきます・・・赤ちゃんが出来ました』
サトメルが照れながら言うと、イーケルも照れている
『え! おめでとうございます』
リリシャが嬉しそうに言うと、全員が次々と祝いの言葉を送っている
『ちょっとキャス号に乗って貰っても良いかな?』
マルスが考えてから言うと、イーケルとサトメルとアーゼラストリアを案内して、食堂に向かう
『イーケル様、サトメル様、紹介します。エレストリアクレイス王国王妃様と王太子夫妻とシンリー様です』
マルスが王妃達を見て紹介すると、イーケル達が驚いている
『御来訪歓迎します』
イーケルが笑顔で言う
『イーケル国王陛下急な来訪申し訳ないと思います』
王妃が微笑みながら言うと、話し合いを始めている
イーケル達がキャス号から降りて、王城に戻っていくと王太子も話し合いの為に一緒に出掛けていく
『若いですが、優秀な国王なのですね』
王妃が呟く
『王族や貴族もほとんど残ってませんでしたから、アーゼラストリア将軍が必死に支えて復興しています。リベリアの英雄様が居なければ、滅んでいました』
アーセルが微笑みながら出来事を説明している
『噂は聞いてましたが・・・そんな大変な事に・・・遠くの国の情報が疎かになってますね』
王妃が考え込んでいる
『隣国ぐらいしか、外交関係が有りませんから・・・リベリアの英雄様以外はほとんど不可能です』
アーセルが色々説明をしている
『クライドルト王都で話し合いは絶対に必要ですね・・・アーセル師、シンリーは人質としてクライドルト王国に滞在を希望しています・・・レセナに負担を掛けすぎました』
王妃がアーセルを見詰めている
『え! 何故でしょうか?』
アーセルが驚いている
『救って頂いた対価の支払いが終わってません・・・それに我が王家として、クライドルト王国以外に頼れる王国は有りません、血筋は安全な国に滞在が必要です。 シンリーには伝えています』
王妃が淡々と説明をしている
『その為に同行ですか?』
アーセルが困ったように聞くと、王妃が同意している
メリアは、交易品の交換を依頼して、集まった交易品をシルフィード号に積み込みの準備をしている
『メリア交易品の集まりが早いね』
マルスが運ばれてくる荷物を見ている
『サトメル様が用意してくれていました。 この国で手に入らない交易品ですので、担当の人が喜んでいました』
メリアが笑顔で説明をしていると、シルフィード号が現れて着陸すると、騎士達が驚きシルフィード号を見ている
シルフィード号にオルガー達が荷物を積み込み始めると、イーケル達が慌てて戻ってくる
『マルス様、シルフィード号はどこに居たのですか?』
サトメルがマルスの元にくる
『隠れていたよ、みんなも来ているよ』
マルスが笑顔で言う
『え! 隠れて・・・』
サトメルが空をキョロキョロ見ていると、イーケルと王太子も空を見ている
『見付けられないよ、ミラージュで見えないから』
マルスが笑顔で言う
『見えないと、侵入されても気が付きません』
イーケルが慌てて言う
『勝手に侵入はしないよ、後が面倒だから・・・城門で許可を取ってから近付くからね・・・あ!内緒にしてね』
マルスが笑顔で言うと、イーケルとサトメルが顔を見合せている
(マルス様が言われるなら、仕方無いか・・・何時でも国なんて滅ぼせるのだから)
『解りました、秘密にします。 どこに他の飛空艇が居ますか?』
サトメルがマルスを見て聞くと、マルスがベアーズ号とクーレセス号に姿を現す様に伝える。クーレセス号とベアーズ号が町外れの空に現れると、イーケルとサトメルが驚いている
『本当に・・・奇襲ならいくらでも出来るのか?』
王太子が呆然と見ている
『英雄様の飛空艇ですから、何でもありです・・・5隻も飛空艇が揃うと、圧巻です』
イーケルが笑顔でクーレセス号を見ていると、王太子が苦笑いしている
(奇襲し放題だろ・・・奇襲されたら終わりだぞ・・・英雄殿が怒ったら、抵抗も出来ないから、奇襲なんて考えるだけ無駄か・・・万の兵を2人で戦闘不能に出来るのだから・・・国なんていくらでも滅ぼせるのだから・・・シンリー仲良くなってくれるか? 国の命運もシンリー次第になりそうだな・・・レセナのお陰で国が救われているのだから)