ブーツの付与魔法
家に着くとラーザが門を開けてくれる
『キリシア様、お帰りなさい』
『ただいま、ラーザ』
玄関に行くと
『お兄ちゃん』
レティナが抱きついてくる
『ただいま、レティナ』
頭を撫でると満足そうに笑う
『みなさん、工房にいます』
イリアが言うと
『あ!昨日の付与魔法しないと』
マルスはそう言って工房に向かうと
『あ・・・』
レティナがつまらなそうな顔になる
『レティナちゃん一緒に遊びましょう』
クレスタが言うと
『うん』
レティナは笑顔になるとクレスタと一緒に家に入っていく
工房の2階に上がるとリリシャが
『あ!お帰りなさい』
『リリシャ、ただいま』
『ブーツの準備は終わったよ。凄く魔力の通りが良くて、早く準備出来たよ。マルスも確認して』
『わかった』
マルスは魔力視を使いながら魔力を通していくと、準備は終わっていた
『付与魔法使えるね』
『革と糸が良いと本当にやり易いね』
リリシャは微笑みながら言うと、マルスはブーツを全部確認して
『付与魔法の最後の1つは何にしようか?』
『あ!何が良いかな?』
『腕輪や防具でほとんど足りているから』
『あ!そうだよね・・・防水防汚防火構造強化だから防御系で良いの見付からないね』
『光属性でも付けようかな?』
『属性防御よりも只の属性の方が良いかも!』
マルスは魔方陣を起動して、同じ大きさの魔石に魔方陣を書き込むとリリシャに確認して貰う
『完璧だよね』
『じゃあ書き込んでいくね』
マルスは魔方陣を発動して魔石に魔方陣を書き込むと、リリシャに渡して魔力を通して確認して貰う
『完成したね』
『全部付与魔法しようか?』
『やりましょう』
リリシャは微笑みながら言うと、マルスは次々と付与魔法する。そして全部終わらせる
『これで全部だね。あ!エミールの分も作ってあげたかったね』
『あ!そうだね。エミール元気にしているかな?』
『楽しくしていれば良いよね』
マルスが言うとリリシャは微笑んで頷いている。馬具の魔力の通りを確認しながら準備を進めていくと、全部の準備が終わり
『終わったから書き込みしようか?』
『そうだね』
リリシャは微笑みながら言うと、マルスは魔方陣を発動して、次々と魔石に魔方陣を書き込んでいく。そしてリリシャは魔力を通して魔道具の完成を確認していく
『全部完了したね』
『マルス、疲れていない?』
『大丈夫だよ』
『みんなにブーツを履いて貰って状態を確認する?』
『あっ!そうだね』
リリシャとマルスはブーツを持って降りると
『付与魔法終わったようですね』
『フローネ先生、終わりました』
フローネはブーツを確認して
『光属性ですね』
『そうです。付与するものが無かったので属性を付けました』
『付加内容を考える方が難しくなったようですね』
『防具で全部付加してあるから、属性位しか無かったです』
マルスが苦笑いすると
『本当に贅沢な悩みですね』
フローネは笑い出すとリリシャも笑う
『ミリアとアニーの分はこれだね』
『あ!はい!師匠』
外に出るとキリシアとルメイルが剣の訓練をしている
『キリシア、出来たから履いてみて』
『ん?わかった』
キリシアとルメイルも履いてみて
『どうかな?』
『ちょっと動いてみるね』
キリシアとルメイルは訓練をしながら状態を確認している
『違和感は無いよ』
キリシアが言うとルメイルも微笑んで頷いている
『大丈夫そうだね』
リリシャが言うと
『良かったー』
『時間余ったね』
『リリシャの付与魔法の練習しようか?』
『そうだね』
リリシャは笑顔で言うと工房の2階に向かい、付与魔法の練習を始める
『小魔石に魔力増幅書いてみようか?』
『いきなり難易度高いよ』
リリシャは魔方陣を発動して魔石に書き込み始めるが、途中で「ピキッ」亀裂が入って砕け散る。何回やっても砕け散る
『やっぱりまだダメだった』
『どうしてだろう?』
『小さくしてサイズは大丈夫だとは思うけど』
『もう一度書いてみて、じっくり見ているから』
マルスは魔力視でじっくり見ている中、リリシャは魔石に魔方陣を書き始めると、途中で文字が消えかかり、そして魔方陣が崩れ始め、魔石が砕け散っていた
『ここの文字だけ書いてみて!』
『え?これで良いの?』
『次はこの二文字書いてみて』
『え?これで良いの?』
『見えるかな?ここの部分見えるかな?』
『え?』
リリシャはじっくり見て
『あ!これが原因?』
『こうならないようにもう一度書いてみようか?』
リリシャは魔方陣を発動して注意深く書き込んでいくと書き込みが終わる
『あ!出来た・・・これだけの問題だったんだ』
『一文字ずつ気を付けないといけないね。文字を書き込む練習が必要だね』
『細かくなると本当にちょっとした事でダメなんだね』
リリシャは嬉しそうに笑いながら言うと
『先生に見て貰おう』
マルスが言うと、リリシャはフローネの所にいく
『フローネ先生、見て貰えますか?』
『え?・・・・書き込めましたか・・・とうとうマルスに近づきましたね』
フローネは苦笑いしながら言うと
『師匠、私も見せて貰っても良いですか?』
リシリアが言うと
『リシリア。これを見ても誰にも言ってはダメですよ、あなたの目標の書き込みですから』
フローネは微笑みながら言うと魔石を渡す
『え?そんな・・・魔力増幅!でも小魔石に・・・こんなことあり得ないです』
リシリアは手を震わせながら言うと
『この意味、解りますか?』
『・・・・小魔石で魔道具作成が可能です・・・・』
リシリアは少し呆然として言うと
『そう言うことです。しかしマルスとリリシャしか出来ませんが』
『・・・・・・・これは凄すぎます』
『これでリリシャにもランプの書き込みが出来るようになったと言うことかしら?』
『まだ練習が必要です。自分の癖が書き込めなかった原因でしたから』
リリシャが言うと
『癖ですか?どう言うことですか?』
『これを見てください』
フローネは魔石の文字を見比べて
『まさかこの小さいハネで失敗していたのですか・・・・』
『え?こんな所・・・・・あり得ないです』
リシリアはフローネを見ていうと
『そうです。本当に細かく書くと、これだけで失敗していました』
マルスが言うとフローネは苦笑いして
『これでは・・・何故失敗したか解りませんね』
『マルス以外に不可能です』
リリシャが笑いながら言う
『私も一文字ずつ見直す必要がありますね』
フローネは言うと
『基本に忠実に書くことが必要です』
マルスが言うと
『基本が一番大事ということですね』
フローネは微笑みながら言うと
『リシリア、基本のやり直しですね』
『はい!師匠』