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オルクスと礼服

日が傾いてくると、メリアがオルクスを連れてくる

『マルス様、リリシャ様、オルクスさんを連れてきました』

メリアがマルスを呼ぶと、みんなオルクスを見てから、歩いてくる

『マルス様、御依頼の礼服揃えておきました』

オルクスが笑顔で説明をしていると、リリシャ達が箱から出して笑みを浮かべている

『オルクスさん、こちらの箱は？』

エミールが顔を見ながら聞く

『そちらは、マルス様とリリシャ様の為に用意したものです。サイズの確認をお願いします』

オルクスが満面の笑顔で言うと、リリシャが箱を開けて、驚いている

『え！綺麗な白いドレス・・・』

エミールが見とれている

『ドラゴンの鱗の繊維と水龍の鱗の繊維を編み込んだ、ドレスです。魔石だけはまだ取り付けてません』

オルクスが笑顔で説明をしている

リリシャとマルスが試着すると、オルクスが満足そうに頷いている

『マルス師匠とリリシャ師匠の式までまだ余裕が有るのに』

エビリアが呟く

『準備は早いに越した事は有りません！！こんな良い生地使える服は他に有りません』

オルクスが笑顔で言う

『マルス師匠達以外でこの生地を使うと、金貨数百枚の価格になります』

メリアが微笑みながらマルスを見ている

『魔石をどうするか・・・赤いと目立ちます』

エミールが考えている

『エミール、魔石か・・・あれを使えば良いよ』

マルスが笑顔で言う

『あれ？何ですか？』

『魔法球作った時に出来る、透明な結晶だよ、あれも魔導具に出来るからね』

マルスが笑顔で説明を始めると、オルクスがキョロキョロしている

『ランプ作った時に使ってましたよね？』

エミールが思い出したように聞く

『あれなら・・・削って・・・面をいくつか作って貰えば・・・宝石に見えます』

クレスタが微笑みながら言う

『宝石か・・・ランドレールに聞いてみるかな？』

マルスが笑みを浮かべている

『マルス師匠が企んでいます』

メトリシアが満面の笑顔で言うと、みんな笑っている

『先にレティナ達の礼服を完成させるよ』

マルスが笑顔で言うと、リリシャが微笑みながらマルスを見ている

『マルス様、セクラ様とメーレシア様の分は？』

メリアが礼服の数を数えながら聞く

『ん？オルクス、追加頼んだ！！』

マルスが笑顔で言うと、みんなオルクスを見ている

『余裕が有りますので、すぐにサイズ直しをします。セクラ様とメーレシア様はどちらに？』

オルクスが笑顔で言うと、メリアが呼びに向かい、レセナとメーレシアとセクラを連れてくる

『マルス様、御用ですか？』

メーレシアが微笑みながら聞くと、マルスとリリシャの服を見ている

『レセナ様の式に着る、メーレシア様とセクラ様の礼服もついでに作ります』

マルスが笑顔で言うと、セクラとメーレシアが顔を見合わせている

『マルス様、用意はしてますけど・・・ウルシナ生地ですね』

メーレシアが微笑みながら箱の礼服を見ている

『こちらは？誰の分ですか？』

セクラが礼服を見ている

『レティナの分です』

『レティナちゃんの？お揃いにするのですか？妹とお揃い・・・うれしい・・・一緒にマルスお兄ちゃんと呼んで・・・抱き付いて・・・』

セクラが妄想を始めている

『セクラ様、声に出ています！！もぅ！！妄想禁止です』

メトリシアが大声で言うと、みんな笑っている

『オルクス頼んだよ』

マルスが笑顔で言うと、着替えに向かい、リリシャも着替えに向かう

オルクスがウンディーネ号に向かい、セクラとメーレシアの寸法を計って、紋章を見せて貰う

『この紋章・・・』

オルクスが青ざめている

『オルクス様どうかしましたか？』

メーレシアが微笑みながら聞く

『この紋章は・・・ウルシナ公国の紋章に・・・こちらは、何処かで』

『ウルシナ公国と魔法王国オルセントの紋章です』

メーレシアが微笑みながら言うと、オルクスが震え出す

『まさか・・・御無礼申し訳ありません』

オルクスが慌てて頭を下げる

『マルス様の第９夫人ですから』

メーレシアが微笑みながら言う

『マルス様の第１０夫人になります』

セクラが満面の笑顔で言う

『え！夫人・・・』

オルクスが固まって呆然としている

『大丈夫ですか？』

メーレシアが微笑みながらオルクスを見ている

『え！申し訳ありません、全力で仕立直します』

オルクスが慌てて言うと、部屋を出ていく

（ウルシナ公国の公女様とオルセントの王女様！！気合いを入れないと！！夫人とはどういう事なのか？今更聞けない・・・王族の服を作るなんて・・・一生で何回しか・・・あ！！メトリシア様も居たか・・・リベリアの英雄様の依頼はどんどん大きな事に・・・）

オルクスがウンディーネ号を降りてくると、メリアとフローネが待っている

『オルクスさん大丈夫ですか？』

フローネが心配そうに見ている

『まさか・・・王族の仕立とは』

オルクスが苦笑いする

『そうですね・・・何気に王族が多いですから・・・頑張って下さいね』

フローネが苦笑いしている

『第９夫人と第１０夫人とは？』

『レティナちゃんが決めた、マルスの夫人と側室ですね・・・マルスでも拒否権が無いのですから』

フローネが苦笑いしてメリアを見ている

『メトリシア様以外は全員認めています。メトリシア様はヒストリアさんとソリナさんとカミラさんが上位に居るのが気に入らない様です』

メリアが微笑みながら説明をしている

『マルス様も拒否権が無いのなら、最高権力は、レティナ様ですね』

オルクスが苦笑いしながら言う

『レティナちゃんですからね・・・何気にお友達が王族だらけになってますね・・・常識も吹き飛んでぃすから』

フローネが心配そうに呟く

『フローネお義母様も心配し過ぎです』

メリアが微笑みながらフローネを見ている

『お義母様？』

オルクスが驚いている

『はい、ヒリア御姉様の義理のお義母様ですから』

メリアが微笑みながら言う

『ヒリア御姉様の？』

オルクスが苦笑いしてフローネを見ている

『オルクスさん、何気に多く王族が居ますから、内密にお願いしますね』

フローネが微笑みながらオルクスに言うと、オルクスが頷いている

（メリア様の御姉様と言うと、ガベラス王国の王女様・・・フローネ様の娘に・・・何気に王族が多いよりも、王族が嫁いでいるだけでは・・・リベリアの英雄様からの依頼は気合い入れないと、王族ばかり関わってくる）