冒険者ギルドの依頼 中編
冒険者ギルドを出ると、男達が集まっている
『貴様らよくも恥をかかせたな!! 落とし前つけてやる!!』
男が怒鳴り、レティナ達を睨んでいる
『何ですか? 頭が悪そうな人?』
レティナが笑顔で言う
『偉そうにしている人?』
イリアが男達を見て呟く
『弱そうな人が威張ってます』
シーリスが男達を見て言う
『本当の事を言ったらダメですよ』
ナディアが微笑みながら言うと、男がナディア達を睨んでいる
『アイアンクラスの冒険者に向かって弱いだ!! 許さないぞ!! お前達思い知らせてやれ!!』
男が怒鳴ると、レティナ達を男達が取り囲みながらニヤニヤしている
『ナディア先生、アイアンクラスで威張っている人が居ます!! 弱いのに威張れるのかな?』
レティナがナディアを見ている
『アイアンクラス? 頭が悪いのですか?』
イリアがナディアを見ている
『アイアンクラス? 威張っても意味ないの解らないの?』
シーリスがナディアを見て言う
『ダメですよ本当の事を言ったら、怒るだけです。強いと思い込んで数を便りにしているだけですから』
ナディアが微笑みながら言うと、ラーザが男の方に近付く
『この女!! 思い知らせてやれ!』
男が怒鳴ると、ラーザを見た男達が後退りしている
『誰から掛かってきますか? 面倒だから全員で掛かってきますか? 続きなので腕は砕かせて貰います』
ラーザが笑顔で言うと、男達が顔を見合わせている。騎士達が集まり、苦笑いして見ている
『何している!! 早くヤレーーー』
男が怒鳴ると、男達が道を開けるように、ラーザと怒鳴っている男の間を開けている
『あれ? 何故掛かってこないの? 馬鹿じゃないの?』
レティナが男達を見ている
『あれ? もしかして・・・腕折られたくないの?』
イリアが周囲を見ながら言う
『お仕置きする?』
シーリスがナディアを見てから、エリカを見ている
ラーザが周囲を見ると、男達が目線を合わせないようにうつ向いている
『おい!! お前達早くヤレーーー!! 何している!!』
男が怒鳴り、近くの男を睨む
『勝てない・・・痛いの嫌なので・・・殺されます』
男が言葉を選びながら涙目になっている
『化物相手にこの人数でも無理!! 早く逃げたい!! アイアンクラスの実力を見せて下さい』
男が真っ青になって怒鳴っている男を見ている
『貴様!! 何を言うか!!』
『無理ーーーーー 化物相手に戦うなんて愚か者がする事だ!!』
『貴様ーーーー くそ若造!! 覚悟しろ!!』
男が大声で怒鳴り、ラーザ目掛けて接近すると、ラーザが軽くかわして、腕を掴まえると、膝でへし折っている
『ギァーーーーーーーー』
男が叫び、座り込もうとすると、ラーザがすぐに反対側の腕を掴まえて、へし折っている
『全員が掛かってこい!!』
ラーザが大声で怒鳴ると、男達が顔を見合せて
『化物だ!!』
男達が怯えた様に叫び、一目散に逃げようとする。集まっていた騎士が男達の前に立ち塞がる
『喧嘩とはいえ、お前達覚悟しろ!! 続きは詰所で聞く!!』
騎士が男達を睨んでいると、数人の金属の棒を持った騎士が逃げようとする男達を殴り飛ばしている
『あれ? 騎士が殴り飛ばしている?』
レティナが男達を見ながら呟く
『待ち伏せ? ナディア先生ーーー横取りされました』
イリアがナディアを見て言う
『お仕置きしたい』
シーリスがナディアを見て言う
『横取りなんて・・・返り討ちじゃないので、お仕置き出来ないですね』
ナディアが困ったように言う
『返り討ちにするから!! 掛かってきなさい!!』
レティナが大声で叫ぶと、騎士達が苦笑いしている
騎士が全員縄で縛り終わる
『英雄様、屋敷まで護衛します』
騎士が笑顔で言う
『こいつらどうするの?』
『余罪を調べておきます』
『キリシア達が喜んでお仕置きに行くから、そのつもりで』
『え! えーと、隊長不在なので・・・帰ってからで良いでしょうか?』
騎士がマルスを見て苦笑いしている
『隊長? デストラ? まだ帰ってないのか・・・遅いって言っておいてね』
マルスが笑顔で騎士達を見ている
『ギルドカードを確認する』
オイゲルが出てきて男達を見てから言うと、職員が一人づつギルドカードを確認している
『え? ブロンズクラス上? アイアンクラスと威張ってませんでしたか?』
職員が腕を折られた男を見ている
『え!・・・』
男が痛みに耐えながら、顔を背けている
『嘘か・・・アイアンクラスなら全員知っているからな・・・子分達は知らなかったようだな』
オイゲルが苦笑いして言うと、男達が腕を折られた男を睨んでいる
『お兄ちゃん、詰所で暇潰しにお仕置きして良いかな?』
レティナが笑顔でマルスを見ていると、騎士が慌てている
『騎士さんどうする?』
『え! お仕置きは・・・隊長の許可を取りたいです。売られた喧嘩なので、このまま屋敷に帰って下さい』
騎士が苦笑いして言う
『つまらない』
レティナが騎士を睨んでいる
『依頼の準備をしないとね』
マルスがレティナを見ている
『レティナちゃん、屋敷で準備しましょうね、賊なんて次に捕らえたら沢山しましょうね』
ナディアが微笑みながら言う
『はーーい、帰って準備します』
レティナが笑顔で言うと、みんな屋敷に向かって歩いていく
ギルド職員がオイゲルの横にくる
『ギルドマスター、返して良かったのですか?』
職員が苦笑いしてオイゲルを見ている
『依頼を受けてくれる方が問題だな・・・怒って山を消し飛ばされたら・・・考えないようにしないと・・・騎士団に任せるしかない』
オイゲルが嫌な想像をして苦笑いしている
『リベリア襲撃とは?』
『王都でもレッサーデーモンやヴァンパイアが攻めてきた時、リベリアでも襲われた・・・それをリベリア警備隊と、彼女達が殲滅したのは事実だ! リベリアの英雄達の弟子の集まりだから・・・本気で魔法を放たないで欲しい』
オイゲルが職員に説明していると、職員が驚いてレティナ達の後ろ姿を見ている
(え! そんなに強いのですか? あの証全部本当なら・・・討伐の依頼を受けさせて良かったのですか?本気で戦ったらどうなるのでしょう?)