ライラの宿屋へ
翌朝、マルスがリビングでゆっくりしている
『主様、朝食です』
ファナがパンや鍋を運んでくる
『ファナありがとう、何か困ったこと無いかな?』
『快適すぎるぐらいです。主様が出掛けても、侍女達は働き者です。料理もみんな作るのが楽しいみたいで良い屋敷です』
『魔力や魔導具は足りているかな?』
『不都合は・・・思い付きません・・・ティーニス達が摘まみ食いするぐらいです』
ファナが考えながら言う
『ファナーーーー摘まみ食いを言わないでよ!!』
ティーニスが厨房から出てきて大声で叫ぶ
『いつも摘まみ食いしてますから・・・さっきも果実を切り分けてと言って、摘まみ食いしてましたから』
『ティーニスだから仕方無いかな? 元々自然の中で育ったからね』
マルスが笑顔でティーニスを見ている
『マルス様良く解っている』
ティーニスが満面の笑顔でマルスを見ている
『長老に伝えたらなんて言われるだろうかな?』
『え!! それは止めて下さい!! 怒られます』
ティーニスが凄く慌てて叫ぶと、厨房からプクト達が笑いながら見ている
『妖精の森に帰った方が良いのかな?』
『えーーーーーー!! 嫌ーーーー』
『少しファナの手伝いもしてね』
マルスが笑顔で言うと、ファナが笑っている
(妖精族を脅しています。追い出されたくないから、言うことを聞くのですね)
『マルス様、ギレリムさんが来ました』
クレカが笑顔で呼びに来ると、マルスがギレリムの所に向かう
『マルス、リリシャから要望のライオス達の鎧や剣だ』
ギレリムが馬車の中を見て言う
『リリシャ達が喜ぶね』
『ルメイルとマルスの鎧の材料を取りに来た』
ギレリムが笑いながら言うと、リリシャ達がやって来て、鎧を浮かせて持っていく
『マルス師匠、取り分は?』
エミールが笑顔で言うと、ミリアが後ろで見ている
『用意してないな』
『ルメイルさんの分貰います』
『仕方無いかな? 』
『え!! 才能の欠片も無いから・・・やらさせてくれないのですね・・・』
ミリアが残念そうにマルスを見ている
『ミリアの分・・・どうしよう?』
マルスが苦笑いしている
『マルス師匠、何か用意してあげてくださいね』
エミールが笑いながら言う
『そうだな・・・あ!! クレカとメリカの外套でも作ろうか? 仕立て屋に行こうか?』
マルスが笑顔で言う
『え! クレカちゃんとメリカちゃんの? 嬉しいです!! 頑張ります』
ミリアが満面の笑顔でマルスを見ている
マルスは倉庫からミスリルとホワイトミスリルを持ってきて、ギレリムの馬車に乗せていく
『ついでに銅も持っていく?』
『銅か? 喜ぶぞ!! 彫金の練習も出来るからな』
ギレリムが笑顔で言うと、マルスが銅の棒を次々と浮かせて持ってくる
『マルス、ライラが鍋の貸出しをして欲しいと言っていたぞ』
『え! ライラさんが? 渡してなかったかな?』
『大きい鍋でスープは作っているが、煮込む用の鍋が所望だ!!』
『解った! 倉庫にまだ残っていたから、ミリア届けに行くよ! メリアにも伝えておいてね』
『はい!マルス師匠!! ライラさんと話すのも久し振りです』
ミリアが嬉しそうにしている
『ついでに乗っていくか?』
『メリカとクレカも連れていくから、散歩かな?』
『はい! マルス師匠!!』
ミリアが嬉しそうにしている
クレカとメリカがやって来ると、エミールとエレーヌが袋を持ってくる
『マルス様、散歩とは?』
クレカとメリカが驚きながら聞く
『ちょっと仕立て屋に行くよ!』
『え? 何故でしょうか? メイド服は足りていますが・・・』
『ミリアの取り分が無いから、外套を作って貰うよ』
マルスが笑顔で言うと、エミールが笑っている
『え! 取り分・・・えーーーーーー! まさか!! 必要有りません!!』
メリカとクレカが慌てて叫んでいる
(怖い!! 絶対に普通の服で無いです!! 絶対に着たくない服になります!! どうしよう? ステラさん助けて下さい!! フローネ様に相談したら止めてくれますか? どうしよう!!)
『行きますよ』
ミリアが満面の笑顔で言う
『ミリア、鍋は?』
『え! あーーーー! すぐに持ってきます』
ミリアが慌てて倉庫に向かい、銅の鍋を持ってくる
『ミリア様持ちましょうか?』
クレカが鍋を見て驚いている
『手伝って下さい』
ミリアが笑顔で言うと、クレカとメリカの2人で鍋を持って、出掛けて商会に入る
『マルス様、何か用ですか?』
セリアトアがマルスを見て歩いてくる
『セリアトアさん、メリアは?』
『あ! マルス様、何か有りましたか?』
マルスがセリアトアを見て言うと、メリアが奥から出てくる
『メリア、あの鍋をライラさんに貸したいだけど』
『鍋をですか? ビゼロを連れていって下さい』
メリアが笑顔で言うと、ビゼロがメリアに何か言われて出てくる
『交渉は任せて下さい』
ビゼロが笑顔で言う
『ビゼロ行くよ』
マルスが笑顔で言うと、商会を出ていく。メリアとセリアトアがマルス達を見送っている
『クレカとメリカが一緒に? 何故でしょうか?』
メリアが呟く
『鍋を運ぶためで無いでしょうけど・・・エミールさんの袋・・・布か革でしょうか?』
『まさか・・・何か作らせるため? 魔導具にするのでしょうか? 担当者達の服もそうですけど』
『マルス様ならやりそうですが・・・下女に服を・・・良い待遇ですね』
『誰も止めないので、人が増えるだけです』
メリアが笑顔で言うと、魔力補充している人達を見ている
『そうですね・・・人が増えましたね』
セリアトアが苦笑いしている
『鍋を貸し出すなら、人が足りなくなりそう』
『また、収入が増えるのですか? 金庫が・・・』
セリアトアが苦笑いしてメリアを見ると、メリアが笑っている
(増えるだけで、減らないですから・・・まだまだアーメルドよりは良いですけど、王都も数倍の収入ですからいつか使いきれますか? 交易の利益も莫大になってます・・・あ!! この間の利益どうしたら?)