ヒストリア騎士隊の任務
翌朝、マルスはルメイルを連れて、ギレリムの鍛冶屋に出掛けようとする
『マルス、出掛けるならライオの散歩に付き合って欲しい』
キスカがライオを抱っこしてやってくる
『ギレリムの鍛冶屋に用が有るだけだけど』
『ライオもお願いしなさいね』
『にぃ・・・』
ライオがマルスを見てからキスカを見ている
『ライオ、マルスお兄ちゃん散歩に行きたい、でしょ』
キスカが微笑みながらライオを見ている
『マルチュおにちゃん散歩に行き・・・』
ライオが考えながらマルスを見ている
『ギレリムの鍛冶屋に行くから、行こうか?』
マルスが笑顔でライオを見ている
『うん!! マルチュにぃに』
ライオが笑顔で言う
『にぃに?』
『にぃに』
ライオが笑顔でマルスを見ている
『レティナが教えてましたよ』
キスカが笑いながら説明している
ギレリムの鍛冶屋に近付くと、ギレリムの鍛冶屋の前で貴族がレイナに何か怒鳴っている
『又か・・・何でギレリムの鍛冶屋に貴族がやって来るかな』
マルスが貴族を見ながら呟く
『待ちますか?』
キスカがライオを抱っこしながらマルスを見ている
『近付くのも面倒だから・・・裏口から行くか』
マルスが考えて、ドワーフの店に入る
『いらっしゃいませ・・・マルス様!! 御用でしょうか?』
プライゼナスがマルスを見て驚きながら見ている
『庭に用が有るだけだよ』
マルスが笑顔で言うと、プライゼナスがライオを見て微笑み、中庭に通してくれる
『あ!! マルス様』
ドワーフの子供達がマルスを見付けて声を上げる
『元気だったかな? ちょっとライオを連れてきたから・・・少し面倒を見てくれるかな?』
マルスが笑顔で言う
『はい! 任せて下さい!! ギムちゃんもすぐに来ます』
ドワーフの子供達が笑顔で言うと、ライオに何して遊ぶか、聞いている
『マルス、今日は何か用ですか?』
カセティがギムと建物から出てくる
『ギレリムに用が有ったけど、貴族がね』
『そうですね・・・毎日飽きないですね・・・断っても断っても、やって来て・・・安い価格で依頼を受けろと煩いですね』
カセティが苦笑いしている
『メトリシア連れてくれば良かったかな?』
『連行しても、後が煩いですから』
カセティが笑いながら言う
『兵士でも立たせるかな? レイナが可哀想だから』
マルスが考えながら笑みを浮かべている
『レイナが居てくれて、本当に助かってます・・・レイナの為にも誰か用意した方が良いでしょうかね』
『ルメイル、誰か用意する? 厳つい顔の怖い目線の人居ないかな?』
マルスがルメイルを見て言うと、カセティが思い浮かべながら笑っている
『警備隊の隊員に居ませんので・・・騎士が何人か来ていますので、頼んできます』
ルメイルが考えてから笑みを浮かべている
ルメイルが出ていくと、騎士2人連れて戻ってくる
『御用でしょうか?英雄様』
騎士が笑顔でマルスを見ている
『ルメイルから聞いた?』
『それとなく・・・貴族を追っ払うなら手を貸します。 面倒な愚か者が来ない用にします・・・前回の貴族は牢屋に送り込み、メリア様の不敬罪と窃盗と脅迫で家も取り潰していました・・・裏の罪状は、ロイド様の調査結果より、教会に便宜を計り賄賂をかなり貰っていたようです』
騎士が笑顔で説明している
『それって言って良いの?』
『国王陛下より、英雄殿に近い人なら良いと許可されています』
騎士が笑顔で説明していると、カセティが苦笑いして聞いている
『面倒だから貴族追っ払っておいてね』
マルスが笑顔で言うと、騎士が表に回り、レイナの元に向かう
『レイナさん、何かお困りのようですね』
騎士がレイナに近付き笑顔で言うと、貴族の男が騎士を見て驚いている
『断っているのですが・・・』
レイナが騎士を見て慌てて説明する
『仕事の依頼を!!』
貴族の男が慌てて言う
『さっきから断られているようですが? 完全な営業妨害に見えますが?』
『依頼をしているだけだ』
貴族の男が慌てて説明している
『レイナさん、最低でどのぐらいの費用が必要ですか?』
騎士が笑顔で聞く
『え! えーと、この内容ですと・・・金貨20枚から30枚と思います・・・完全なオーダーメイドですので』
レイナが考えながら説明している
『価格が合わないので、お引き取りを』
騎士が笑顔で貴族の男を見ている
『依頼を受けろ!! 受けないとただで済まさないぞ!!』
貴族の男が慌てて怒鳴る
『脅迫ですね、ちょっと王都で事情を伺います』
騎士が笑顔で言うと、貴族の男が騎士を見て驚いている
『騎士が何を!!』
『レイナさんはクレシア様のお友達です。 脅迫するなら容赦しません!!』
騎士が睨み男に近付く
『え! クレシア様の!! えーと・・・きゅきゅきゅ急用が!!』
貴族の男が慌てて後退りしている
『王都でじっくり聞きましょうか? すぐに移送の手続きをします』
騎士が睨みながら言うと、男が慌てた様に走って逃げていき、レイナが驚きながら立ち尽くしている
(え! 後で仕返しが・・・大丈夫なのでしょうか? 騎士様がこんな事をしてしまって・・・)
『あんな方法が・・・』
カセティが苦笑いして店から出てくる
『その勢いで他の貴族も追っ払ってね』
マルスが笑顔で言う
『頼んだぞ』
ギレリムが爆笑しながら出てくる
『マルス様!! こんな事をして良いのでしょうか?』
レイナが驚きながらマルスを見ている
『嘘は言ってません・・・クレシア様からの小言は言われますから』
騎士が笑いながら言う
『騎士がやったことだから良いよね! 後でメトリシアから文句言って貰うから』
『王族警護の任ですから良いです』
騎士が笑いながら言う
『メトリシア警護なら・・・ん? そんな任務だったのか』
マルスが騎士を見ている
『え! えーと・・・剣姫の元で修行です!! 表向きですが・・・』
騎士が苦笑いしている
『メトリシアにバラさないから、時々レイナの様子も見に来てね』
マルスが考えながら言うと、騎士が笑顔で頷いている
(マルス様なら小言で済むか? 報告はしておかないと・・・)