神聖王国の異変
シルフィード号の改造を終わらせる
『マルス次は何しますか?』
リリシャが微笑みながら聞く
『どうしようかな? 改造するもの無くなったから、帰ろうか』
マルスが考えながら言う
『じゃあ帰りましょう』
リリシャが微笑みながら言う
『我が主様!! オルセントが助けを求めている!!』
シリウス大声で言う
『え!オルセントが? 何が起きたの?』
『巨大な黒い悪魔が現れたと言っていた』
シリウスが言うと、リリシャが驚いている
『ヴェルダンディー、神の試練か?』
『歪みは確認してません・・・過去に封印されていたら、見付けられません』
ヴェルダンディーの声がする
『オルセントが助けを求めるなら、非常事態だから向かうよ』
マルスが考えながら言うと、リリシャがシルフィード号に乗り込んでいく
魔工王国の南の大国、神聖王国の王城に多くの神官が集まっている
『各国がこんな早く文句を・・・何故だ』
『最高神官様、リベリアの英雄の仕業です。アーメリア様の加護を蔑ろにしているのは!!』
『例の件は? 進んでいるのか?』
『もう少しで完成です。軽い不測の事態を起こして、討伐準備と魔導砲などの兵器も準備できています』
神官が頭を下げながら、説明をしている。王冠を頭に乗せている男が聴きながら頷いている
『失敗はないな』
『我らが守り神です。失敗はあり得ません』
神官が笑顔で言う
『決行しろ!! 何としても神聖王国の名誉を回復させろ』
王冠を頭に乗せている人が笑顔で言うと、神官達が出ていく
『これで神聖王国の名誉と叡知が称えられるだろう』
王冠を頭に乗せている男が笑みを浮かべている
巨大な神殿の地下室で儀式が行われている。その様子を1人の少女が見ている
『こんな事をして、本当に良いのだろうか? もし伝承通りなら、手に追えない可能性も』
少女が呟きながら見ている
『止めるように伝えましたが、国王陛下の考えを変えられませんでした・・・もしもの時の為に避難をしてください』
白髪の男が頭を下げながら言う
『魔導兵器でも倒せないなら、国が・・・世界が終わります・・・避難しても意味は有りませんが・・・』
『姫にもしもの時が有ったら・・・全力で守りますので、避難を・・・ケルニーナ様』
白髪の男が必死に説得をしている
翌朝、ケルニーナと白髪の男が乗る馬車が大きな町を出て北に向かっている。物凄い地響きと共に大きな町から黒い閃光が上がり、下半身は4本の足が有り、両腕はドラゴンの腕のように大きな爪が有る、全体的に黒い鱗に覆われている姿が現れる。頭に2つの角に1つ目の巨大な目をしている
『なんて禍々しい気配・・・倒せるの? やっぱり止めた方が良かった・・・』
少女が馬車から外を見て呟く
『あれが・・・伝承の黒き魔神・・・人の手で封印できるのか? 人は滅亡するのか?』
白髪の男が涙目になっている
『人々を救わないと』
『ケルニーナ様!! すぐに魔工王国へ!! それに魔法王国の飛空艇の力を借りましょう!!』
『しかし民が!!』
ケルニーナが泣きそうになりながら叫ぶと、黒い魔神に向かって光の筋が次々と当たり、爆発している
土煙の中から黒いオーラのような光が漏れていると、閃光になって放たれ、魔導砲を消し飛ばしながら、閃光が進み、地平線まで一直線に地面が抉れている。魔神は暴れ始めて、町を破壊を始めている
ケルニーナは、魔工王国王都に到着して、国王に謁見に向かう
『神聖王国からの使者か?』
重臣が少女と白髪の男を見て聞く
『どうか、至急魔法王国に使者を! 魔神が復活して、神聖王国で暴れています』
ケルニーナが必死に説明をしている
『神聖王国がどうなろうと、知った事でない! 貴国の嘘についての詫びは無いのか?』
重臣が怪訝な顔をして言う
『何でしょう? 詫び?』
ケルニーナが驚いている
『知らない振りか? 出直してくると良い』
重臣がため息をして言う
『無礼だろう!! ここまでわざわざ出向いたのに! 門前払いとは!!』
白髪の男が慌てて叫ぶ
『無礼? 敵国に挨拶に来て、無礼も何も無いだろう!! 貴国の約束破りは重大な事だ』
重臣が睨みながら怒鳴り、ケルニーナが驚いている
『何故だ!! 約定を忘れたのか!!』
『反乱計画に国王暗殺計画・・・国家乗っ取り計画まで進めておいて言うことか? 黙るのは貴様らだ!!』
重臣が睨みながら怒鳴り、ケルニーナが目を見開いて驚いている
『何を言う!! 我らばそんな事をしない!!何故言われ無き事を言われないといけない!!』
白髪の男と言い合いを始めると、ケルニーナがキョロキョロしている
『何も知らないのか・・・愚かな・・・面倒だから説明しよう』
重臣が苦笑いすると、出来事と証拠を突き付け、調べた内容を説明を始める
『愚かな・・・これで抗議がきてもしょうがない・・・これで世界が滅ぶのか・・・』
白髪の男が涙目で呟く
『それで禁忌に・・・』
ケルニーナが泣き始めている
『頼む!! こちらの事情も説明する!! 頼むから何とか!!』
白髪の男が必死に説明をしている。重臣達が驚き考え込んでいる
『それが本当であれば・・・オルセント王国でも不可能だろう・・・リベリアの英雄様に助けを求めないと・・・』
重臣が苦笑いしながら呟く
『リベリアの英雄様に? 人よりも魔導兵器で無いと不可能です』
『何も知らないのか? 魔導兵器を簡単に無力化して、1人でドラゴンを叩き潰す人がリベリアの英雄様だ!! もしリベリアの英雄様が負けたら、世界は終わる』
重臣が必死に説明をしている。ケルニーナが聞きながら考え込んでいる
『人は人です。人の手に余ります』
白髪の男が考えながら言う