バロンド号改修
数日後、マルス達はキャス号に荷物を乗せている
『マルス様、昨日ですが、商会に盗賊がやって来ました』
メリアが笑顔で言う
『盗賊が? 盗賊のお仕置きをしてから出掛けるかな?』
マルスが考え込んでいる
『護衛が商会を出た所で滅多打ちしておきましたので、今頃王都へ移送されています』
『王都に?』
『この間の貴族風の男達です。20人の兵士を連れてきていましたが、窃盗の現行犯でその場で取り押さえました。 ついでにビゼロ達が少し魔法の練習もしていました』
メリアが微笑みながら説明すると、リリシャが笑っている
『国王陛下に任せる』
マルスが興味無さそうに言う
『手紙を書いておきましたので、王妃様のストレス解消になると思います』
メリアが笑いながら言う
キャス号が飛んで行き、飛空艇工房に近付き、マルス達が中に入っていく
『マルス、材料は全部降ろしますか?』
リリシャが微笑みながらマルスを見ている
『先にバロンド号の骨格から作り直すよ』
マルスが笑顔で言う
『どんな風に改造するのですか?』
『龍装魔導兵を乗せれるようにかな?』
『え! それは面白そうですが・・・ 旅に連れていくのですか?』
『もしもの時、輸送出来た方が良いよね』
マルスが笑顔で言うと、バロンド号に乗り込み、艦橋に向かう
『バロンド、起きているかな?』
『我が主様、改造ですか?』
バロンドが現れてマルスを見ている
『本格的に改造するからね、まずは浮いておいてね』
マルスが笑顔で言うと、バロンドが浮き上がり、マルス達は外装を外していき、骨格もばらしている
6日後、マルス達は外装を取り付けて、紋様魔法と紋章魔法を書き込んでいる
『マルス師匠終わりですか?』
エミールがやって来て聞く
『終わったーー 次はシルフィード号を改造しよう』
マルスが笑顔で言うと、エミールが笑っている
『マルス師匠です!!』
『バロンド号は浮いていて貰おう』
マルスが笑顔で言うと、バロンドを探している
『バロンドちゃんなら、顔も見たくないと言っていたよ』
エスカが笑いながら飛んでいる
『折角直したのに』
『早く起こしましょう』
エスカがマルスの周囲を飛びながら言うと、艦橋に向かい、バロンドを呼び起こす
『怖い・・・船をばらすなんて』
バロンドがマルスを見て言う
『我が主様の怖さ解ったか!!』
シリウスが大声で笑っている。バロンドは反応しないようにしている
『下側を完成させるから、浮いておいてね』
『え! 言うこと聞きたくない』
『バロンドちゃんーーーー 浮いていてね』
エスカが笑いながら飛んでいる
『何されるかわからない!! 説明を要求する』
『下側の外装の取り付けと、紋様魔法と紋章魔法で強化するよ』
『本当に? もうばらさない?』
『ばらさないよ・・・たぶん』
マルスが笑顔で言う
『え! 約束できない? どうしたら?』
バロンドが警戒しながら言う
『バロンドちゃん早く浮いた方が良いよーーー主様ならきっと自分で浮かせて、作業始めるから!!』
エスカが笑いながら飛んでいると、バロンド号が浮き上がり、リリシャ達が外装を取り付け始める
マルスが紋様魔法と紋章魔法を書き込んでいると、バロンドが見詰めている
『これで完成かな? バロンド試し飛行するよ』
マルスが笑顔で言う
『・・・何をしていたのですか?』
バロンドが引き攣る顔で見ている
『外装を何重かしておいたよ』
『壊せるのですか?』
『壊す? キリシアとリリシャに試して貰うね』
マルスが笑顔で言うと、エスカが爆笑している
『は? 試す? 何を?』
『強度を』
マルスが笑顔で言い、キリシアを探している
『マルス何か用?』
キリシアがマルスを見て聞く
『全力の一撃をバロンド号に放って』
マルスが笑顔で言う
『え! 壊せないでしょ!! 本気で壊すからね!!』
キリシアが大声で言うと、バロンドが驚いている
キリシアが闘気をまとい、槍にハンマーの様に闘気をまとわせている
『あ! いつもと違う』
メトリシアが驚いている
『斬るのは止めたのですね、本気で壊すつもりですね』
ケニスが微笑みながら言うと、キリシアが突進して、槍を振り抜き、バロンド号に当たると、バロンド号が壁に当たり、衝撃波が周囲に伝わっている
『壊れなかったね』
マルスが槍の当たった辺りを確認しながら呟く
『は? 壊すつもりでいたのですか?』
バロンドが怯えながら言う
『解ったか!! 我が主様の怖さが!!』
シリウスが大声で言うと、バロンドがシリウスを一瞥してマルスを見ている
『次は魔法だね、ここだと建物が壊れるから、外で試すよ』
マルスが笑顔で言う
『え! 魔法? 何かするのですか?』
バロンドが怯えながら言う
『バロンドちゃん、主様は面白いからね』
エスカが笑いながら飛んでいる
『面白い? 恐怖しか無いですが・・・』
『解ったか? 我が主様の恐ろしさが!!』
シリウスが愉快そうに言うと、バロンドは、反応しないようにしている
『シリウス、無視されているのだから、1人で煩いよ』
マルスがシリウスを見ている
『無視!! バロンド!! この牛が!!!』
シリウスが大きな声で叫び、バロンドが反応しないようにしている
『シリウスちゃん嫌われています!!』
エスカが愉快そうに笑いながら飛んでいる
試して飛行を終わらせて、バロンド号から降りる
『ファイヤーテンペスト』
リリシャが魔法を放つと、バロンド号に次々と当たっている。炎が収まると、バロンドが破損を調べている
『無傷』
バロンドが現れて言う
『完成だね! 楽しかった』
マルスが笑顔で言う
『次は?』
リリシャが微笑みながら聞く
『シルフィード号の改造するよ』
マルスが笑顔で言うと、バロンド号が外に出ていき、シルフィード号が飛空艇工房に入ってくる
『バロンド、ミラージュ使っておいてね』
マルスが大声で言うと、バロンドの姿が見えなくなる
『マルス師匠完璧です』
エミールが笑顔で言うと、マルス達は工房に入っていき、シルフィード号の改造を始めている