お風呂
家に帰る。ラーザが門を開けてくれて
『キリシア様、お帰りなさい』
『ラーザ、ただいま』
玄関に向かうと
『お兄ちゃん、お帰りなさい』
レディナが出てきてマルスに抱きつく
『レティナ、ただいま』
マルスはレティナの頭を撫でながら言う。リリシャとキリシアは微笑んでいる
『シュルトさんと大工の親方が待っています』
イリアが言う
『待たせちゃったかな?』
キリシアはリビングに向かうと
『お帰りなさい』
フローネが笑顔で向かえてくれる
『フローネ先生、ただいま』
リリシャが笑顔で言うと
『キリシア様、リリシャ様、マルス様、お帰りなさい』
『シュルト、トラブルが有ったから帰ってくるの遅くなってごめんね』
『何か有ったのですか?』
『逃亡騎士に喧嘩売られただけ』
『え?逃亡騎士ですか!』
シュルトが驚くが
『又完膚なきまでに叩き潰して警備隊行きですか?』
フローネは呆れながら言うと
『宮廷魔術師が魔法で家の壁を燃やした』
『はーーー!魔法使いがいたのですか!?』
フローネが驚きながら言う
『咄嗟に避けちゃったから壁に被害が出ちゃった』
キリシアが苦笑いしながら言うと
『宮廷魔術師の実力が解りましたか?』
フローネが言うと
『アニーより下なのかな?』
マルスが呟くと
『もう、そうですね・・・あれが常識です。覚えておいてください』
フローネが苦笑いしながら言うとシュルトが笑い出す
『用件ですが何を作れば良いのですか?』
『風呂を作って!』
『え?風呂ですか?かなり高額になりますよ』
『お湯は魔道具で作るから大丈夫です』
リリシャが言うとアニーが桶と魔石を持ってきてお湯を作ると
『素晴らしい・・・・・これなら湯船だけで良いですね』
『お湯を沸かすエリアと人が入るエリアに別けないと火傷するかも知れないからお願いね』
『面白い!是非作らせてくれ!』
大工の親方が桶のお湯を触りながら笑顔で言うと、作る場所と大きさ等を相談する
『材料と図を作ったら、又相談に来るぞ!』
大工は笑顔で帰っていく
『キリシア殿には驚かされます。まさか風呂とは』
シュルトが言うと
『スープも飲んでいく?』
キリシアが笑顔で言うとアニーが笑顔で鍋を持ってくる
『これは?』
『魔道具ですよシュルト。またマルスがとんでもない物を作りました』
フローネが笑いながら言うと目の前でスープが暖まるのを見て
『素晴らしいです・・・欲しいですね』
シュルトは笑顔でスープを見ている
『じゃあ飲んでみて』
キリシアがそう言うとアニーがよそってくれる
『これは良いですね。この家に来るといつも驚かされます』
『マルスがいるからです』
フローネが笑いながら言うと
『マルスだからですね』
シュルトも笑顔で言う
『キリシア様、難民のテント等の必需品の余りのお金です』
シュルトが袋を置くと
『あー!内緒でしょ』
キリシアが言うと
『難民の必需品?まさか・・・・』
フローネがキリシアを見つめるとリリシャとマルスもキリシアを見ている
『え?えーと聞かなかったことで』
キリシアが言う
『シュルト、袋の中身を出して説明をしてくださいね』
フローネが微笑みながら言うと
『え?まさか知らなかったのですか?』
シュルトが冷や汗をかき始める
『聞いていませんよ、ミドルも同じような事を言ってましたが』
リリシャが言うと
『ちょっと可哀想だから手助けしただけ・・・』
『ちょっとですか?』
『テントの貸し出しと町中の商店で余った食材の寄付と古着屋で買った服の寄付です、ミドルの方で食材を定期的に配達しています』
シュルトが言うと
『はぁーーキリシアさん、その仕事は領主の仕事です』
フローネがキリシアを見ながら言うと
『えーとマルスとリリシャが準備で忙しかったから相談しないでごめんね』
キリシアが言うと
『キリシア凄いね。そこまでしているなんて思わなかったよ』
マルスが言うとリリシャは微笑んでいる
『有名になるからやめてくださいね』
フローネが微笑みながら言うと
『実は匿名でやられているので誰の施しか解らないようにしています』
シュルトが微笑みながら言うと
『だから有名にならないから大丈夫です』
キリシアが笑顔になって言う
『まさか本当に名前は明かさないつもりなのですね』
フローネは驚きながら言う
『流石キリシアだね』
リリシャが笑いながら言うと
『だって面倒は嫌だから、領主がやったことにすれば良い』
『ギルドでも冒険者に村の復興の手伝いを頼んでいたしね』
『はぁーー!そんなことまで!』
『え?だって困っているから』
『キリシアさん、その仕事は国王と領主の仕事ですよ・・・本当にやるから領主が喜ぶでしょうけど後で大変ですよ』
『名前が出ないから大丈夫です。ギルドが自主的にやったことで良いと言ってあるしね』
『この子達は、何でもありですね。驚くより呆れると言う方が良いですね』
フローネが苦笑いしながら言う