カーレスト諸島で休憩
カーレスト諸島が見えてくると、ウンディーネ号は海軍の指示で港近くに停泊して、リリシャ達が小型魔導船で港に向かう
『帰ってきたか』
ジエルがリリシャ達を見て笑顔で言う
『ジエル御兄様、視察に来ましたよ』
『視察か・・・別荘でゆっくりすると良い』
ジエルが苦笑いして言う
『もちろん、メーレス様と遊びます』
リリシャが笑顔で言う
『やっぱりその為に寄ったのか? 最初から遊びに来たと言って欲しい』
ジエルが呟く
『視察です』
リリシャが満面の笑顔で言う
翌朝、ウンディーネ号は別荘の島に向かう
『マルス師匠、どうですか?』
ミリアが水着に着替えてきて笑顔でマルスを見ている
『似合っているよ』
マルスが笑顔で言う
『あ! ミリア先に!!』
メトリシアがミリアとマルスを見付けて慌てて走ってくると、メトリシアが豪快に転ぶ
『うぅー・・・』
メトリシアが顔をあげてマルスを見ている
『メトリシア様、慌てるからですよ』
ケニスが呆れたように歩いてくる
『だって、ミリアが先にマルス師匠に水着を見せてるから!!』
メトリシアが起き上がりながらケニスを見て言う
『メトリシア様、大胆すぎますね』
ケニスが呆れたようにメトリシアを見ていると、ヒストリアが慌てて走ってくる
『メトリシア、水着』
マルスが顔を背けて言う
『わざと?』
ミリアが笑いながら言う
『え! きゃーーーーーーーー!』
メトリシアが下を見て地面に落ちている水着を見て叫び、踞っている。メリアとエリスナがメトリシアの叫び声を聞いて歩いてくる
『マルス様、メトリシア様は、わざと転んだのですか?』
メリアが笑顔で聞く
『メリアまで・・・ケニスーーー』
メトリシアが泣きそうな声で叫び、耳まで真っ赤になっている
『本当に手が掛かるのですから』
ケニスが微笑みながらメトリシアを見ていると、ヒストリアが羽織れる布を取りに走っている
『マルス師匠、早く海に行きましょう』
エミールとエレーヌがやってきて、マルスの腕を掴み歩いていく
『あ! エミール御姉様、待って下さい』
ミリアが慌てて叫び追いかけようとすると、マルスの反対の腕にメリアが抱き付いて歩いていく
海に入ると、用意してある海に浮く魔導具に乗っている
『もうマルス、先に行くなんて』
リリシャがやって来て笑顔で言うと、エビリアとクレスタとエリカが笑っている
『数足りるかな?』
マルスが残りの魔導具を見て聞く
『レティナちゃん達はもう遊んでいますから・・・数個足りないですね』
リリシャがレティナ達を見てから残りの数を見て呟く
『何を作ろうかな? キリシアとルメイルは、水上バイクだから・・・浮く物だけで良いのかな?』
マルスが周囲を見て呟く
『浮いていれば、丸太でも楽しく遊べますから』
リリシャが笑顔で言うと、ドーナツ状の魔導具に飛び乗って、アクアコントロールでマルスの所に動いていく
『エリカ遊ぶの久しぶりかな?』
マルスがエリカを見て聞く
『え? 遊ぶの・・・はい! 去年の夏も楽しかったです』
エリカが満面の笑顔で言うと、エリカはくるくる回り始める
『え!何ですか!!』
エリカが慌てたように叫び、勢い良く回り、ミリア達も渦に巻き込まれるように回り始める
『リリシャ師匠もう少し速く』
ミリアが笑いながら言う
『え! リリシャ様の悪戯?』
エリカが驚いたように声をあげる
『エビリア、クレスタ、どうしますか?』
リリシャが笑顔でエビリアとクレスタをみている
『こんな感じで』
エビリアがアクアコントロールで水を隆起させて、その上でエリカ達が回っている
『楽しそうですね』
クレスタが笑いながら言うと、遠くでフローネが見ている
『マルス師匠、アクアコントロール教えて下さい』
エリカが笑いながら叫ぶ
『マルス、教えてないのですか?』
リリシャが笑いながらマルスを見ている
『みんなで教えよう』
マルスが笑顔で言うと、渦が止まり、みんなでエリカにアクアコントロールを詳細に伝えている
アニーが料理の準備をしていると、マルスは沖に向かって、海を歩いていき、海に潜る
大きな貝、あれにするかな?
マルスは潜りながら海底の貝に近付き、闘気をまとい、貝を無理矢理岩から剥がして海面に向かって上がっていくと、マルスの後ろからオクトバスが飛び付いてくる。マルスは貝を慌ててオクトバスの間に入れると、オクトバスが貝に足を絡めている
『サンダー』
マルスがオクトバスの足にさわりながら魔法を放ち、オクトバスがビクビクしていると、そのまま海上に向けて上がっていく
『あ!マルス師匠、オクトバスです』
メトリシアがマルスを見付けて大声で言う
『剣を持ってきた方が良いですね』
ケニスが微笑みながら呟く
『あれは唐揚げですか? それに大きな貝も』
エミールが笑顔で言う
『ルメイル、負けていられない!! 何かとってくるよ』
キリシアが海に向かって走っては行っていく
『オクトバスの解体が面倒ですね』
アニーが微笑みながらケニスを見て、ケニスが歩いていく
『襲ってきたから捕まえたよ。前も食べたから、美味しかったよね』
マルスが笑顔で言うと、みんな笑っている
『キリシアが他のオクトバスを探しますね』
リリシャが笑顔で言うと、オクトバスの足が動き始める
『動いていますね。逃げるつもりなら、丸茹でにしますか?』
エミールが微笑みながら言う
『薄切りにして、ステーキで良いですね。キリシア様次第ですが』
アニーが微笑みながらキリシアの後ろ姿を見ている。マルスが地面にオクトバスを置くと、メトリシアがオクトバスに近付き見ている
『キャーーーーーーーー!!』
メトリシアが叫ぶと、オクトバスが墨を吐いてメトリシアに当たり、真っ黒になっている
『あ! メトリシア・・・』
ミリアがメトリシアを見て呟く
『メトリシア、わざと? 早く洗い流さないとダメですよ』
エミールがメトリシアを見て呟くと、リリシャ達は爆笑している。ケニスが剣を持って戻ってくると、メトリシアの姿を見て呆然と見つめている
(真っ黒に・・・不用意に近付いたなんて・・・はぁ・・・本当に手が掛かるのですから)
『わざとじゃないです・・・マルス師匠ーーー』
メトリシアが涙目で叫ぶ
『メトリシアドジなんだから・・・海に入って墨を落としてね。ミリア、一緒に行ってあげてね』
マルスが笑顔で言うと、ミリアがメトリシアを引っ張って海に入っていく




