交易と神官
翌朝、マルスとレティナとシーリスとイリアとラーザとナディアとオルガーとオリスとイースは、最短距離で25層から殲滅して進み、30層の大部屋まで到着する
『大きいのは居ません』
オルガーが中を覗いて言う
『せいの!! セイントファイヤーストーム!!!!』
ナディアとレティナとイリアとシーリスが魔法を放ち、白い炎の柱になって、ビックツリーウッドを飲み込んで行くと、ツリーウッドが枝を振り風が巻き起こる
『あ! 焼けてない』
レティナが笑顔で叫ぶ
『セイントファイヤーテンペスト』
マルスが魔法を放ち、白い炎の玉が次々と出来上がり、爆発していき、ビックツリーウッドが次々と黒い霧になっている
『お兄ちゃん、魔法教えて』
レティナがマルスを見て言う
『次に潜る時に教えるね』
マルスが笑顔で言うと、一人ずつ魔力と闘気を確認している
『ウッドは面倒ですね』
ナディアが考え込んでいる
『魔法を使うからね・・・最初は強敵だったよ』
『昨日は殲滅したのですよね?』
『50層で殲滅したよ』
『少しでも近付きたいですね』
ナディアが微笑みながらレティナ達を見ている
『ナディアにレティナ達を任せすぎたかな?』
『マルス様、レティナちゃん達と一緒にいるのは、楽しいですから感謝しています』
ナディアが笑顔で言う
『今回は集中的に鍛えるね』
マルスが笑顔で言うと、レティナ達が笑っている
14層まで戻ると、エミールとエレーヌとゼオン達が待っている
『マルス師匠、全員終わりました・・・ちょっと越えた人も居ます』
エミールが微笑みながら言うと、マルスが全員の闘気と魔力を確認している
『このぐらいなら大丈夫だね・・・ナリス以外はギリギリ過ぎたかな?』
マルスが笑顔で言う
『交代で見るにしても、明日は誰に任せますか?』
『オルガー達に任せるよ、魔法使いは、エリカに任せるけど』
マルスが笑顔で言う
『11層から14層なら安全ですけど』
エミールが笑顔で言うと、騎士達が苦笑いしている
(安全? 迷宮だぞーー 王都でも潜らせてくれないのに!!)
『エリスナも居るから大丈夫だね』
マルスが思い出したように言うと、エミール達が頷いている
迷宮出口に向かい、外に出て迎えの馬車に向かう
『マルス殿、ちょっと相談が有る』
セレスバインがマルス達を見て言う
『どうかしましたか?』
『本日ギルドマスターから輝石を受け取った・・・本当に大きくて、国宝級だが・・・あの数は』
セレスバインが苦笑いしている
『ヴァルファーの祝いの為にあげたよ』
マルスが笑顔で言う
『そうか・・・ヴァルファーも青ざめていたぞ』
『あの程度で?』
『あの程度か? 因みに何層まで行けるのか?』
『今は58層まで行きましたよ』
マルスが笑顔で言うと、セレスバインが苦笑いする
(ちょっと待て!! 58層!! ヴァルファーがギリギリで21層だぞ!! 差が歴然だ!! 輝石必要なのか? 全部買い取りも不可能だ!!)
『あ! 数日後、交易品の買い取りを商人に頼みたいな』
マルスが思い出したように言う
『交易品か? 前の商会で良いのか?』
『はい! 伝えておいてください、全員の休息日で良いですけど・・・信用が出来るなら、他の商人も集めても良いですよ』
マルスが笑顔で言う
『わかった・・・時間が有るなら、王城に訪ねてきて欲しい』
セレスバインが言うと、馬車に乗って帰っていく
10日後、マルス達は商人を港に集めている。セレスバインが馬車から商人達の様子を見ている。海兵と騎士達が荷物を次々と港に集めている
『マルス様、準備が出来ました』
メリアが微笑みながら商人を見ている
『キリシアは?』
『もう少しで来ます』
メリアが微笑みながら言うと、商人達が商品を品定めしている
『キリシア、頼んだ』
マルスがキリシアが到着するのを見て言う
『商品欲しいか!!』
キリシアが大声で言う
『欲しい!! 早く交渉してくれ!!』
『交渉面倒!! 信用するから帰ったら売れる商品をもってこい!!』
『え! 持ってこい?』
商人達が驚いている
『商品は欲しいか!!』
『欲しい!!』
『商人の意地を見せろ!!』
『わかったーーー!!』
『暴利を得たいか!!』
『暴利を・・・は? えーと』
商人達が顔を見合わせていると、セレスバインが爆笑している
『良い商品が欲しいか!!』
『欲しい!!』
『信用するから早く商品を持ってこい!! 物々交換だ!!』
キリシアが大声で怒鳴ると、商人達が顔を見合わせている
『この商品とヘルゼレス産の生地でどのぐらい交換できる』
商人が騎士の元に走っていき、交渉を始めている
『言い値です。 頑張ってください』
騎士が笑顔で言う
『200反とこれとこれをそうだな・・・この数で』
商人が考えながら言うと、騎士が商品を集めてきて積み上げている。商人も倉庫から荷物を運んできている。他の商人達も慌てて走って倉庫に向かっている
商人達が次々と商品を物々交換始めている
『お前が責任者か?』
神官服を着た男がやって来て睨んでいる
『何か用ですか?』
マルスが微笑みながら聞く
『神殿が魔導船を没収する!! 抵抗するならアーメリア様の天罰が下ると思え!!』
神官がマルスを睨んで言う
『は? 何?』
マルスが苦笑いをしている
『貴様が邪教の使いだと知っているぞ!! アーメリア様からの天罰が下る前に懺悔せよ』
『マルス師匠どうしたのですか?』
メトリシアが笑顔で聞くと、ケニスとヒストリアが神官を睨んでいる
『良く解らない事を言っているよ』
『何ですか?』
メトリシアが神官を見ている
『貴様ら!! アーメリア様の天罰を下すぞ!! 邪教の使徒めーーー!!』
神官が怒鳴り、武器を持った人達が取り囲み始める
『邪教? 何言っているのですか? 意味不明ですけど』
メトリシアが苦笑いしている
『捕らえて審問裁判にかける!! 捕らえよ!! 抵抗するなら殺しても構わん』
神官が怒鳴り、メトリシア目掛けて武器を向けて近付いてくると、ケニスとヒストリアが立ち塞がる
『無礼者が!! 武器を収めなさい!! このような事は許されません!!』
ケニスが男達を睨んで怒鳴ると、男がケニス目掛けて武器を振り、ケニスがかわしながら、男を殴り飛ばしている