アーメルドで暇潰し
翌日、マルス達はキャス号に乗り込み始める
『マルス様、何か忘れてないですか?』
カミラがやってくると、マルスを見ている
『え?何か忘れているのかな?』
『マルス様、今年の卒業生全員カミラさんに預けたままです』
メリアがマルスの横顔を見て言う
『あ! 何も決めてなかったね』
マルスが笑顔で言うと、リリシャがマルスの後ろで微笑んでいる
『どうなさいますか? 連れていきますか?』
『鍛えるなら、良いけど・・・』
マルスが考えている
『エリカちゃんに任せましょうね』
リリシャが微笑みながら言うと、メリアがリリシャを見ている
『エリカも鍛錬させないと、いけないけど・・・』
マルスが考えている
『1月で教育は終わらせてあります。王都の2人は、ミーヤに面倒を見させてます。10人は明日、アーメルドに向かわせますか?』
カミラが微笑みながら言う
『メリア任せた』
マルスがメリアを見て言う
『はい、マルス様、言われると思ってましたので、手配してあります。騎士達と一緒に向かわせます』
メリアが微笑みながら言う
『メリアさんですね、最初からマルスの言う事が解ってますね』
リリシャが微笑みながら言う
『はい、マルス様だからです』
メリアが微笑みながら言う
アーメルドの港町が見えてくると、門に向かって降下していく
『英雄様、造船所にどうぞ』
門番達が笑顔で言うと、ゆっくり造船所に向かって飛んで行く
ブロイスとゼオンとレスリアとオルファンとホセが集まってくる
『出港準備をしておいてね』
マルスがゼオンを見て言う
『畏まりました。既に保存出来る交易品は、積込終わってます』
ゼオンが笑顔で言う
『準備と食料と人員が集まったら、出港するよ』
マルスが笑顔で言うと、リリシャがマルスの後ろで笑っている
マルスは、廃材置き場の木材をマテリアルコンバージョンで魔力の通る木材の塊にすると、リリシャ達が次々と船の骨組みを作り始めている
『凄い・・・どんどん出来てる』
ルシアナがエリカとリリシャ達の作業を見ている
『ルシアナちゃんはいつも1人で見ていたの?』
『フローネ様と一緒に居るか、アニーお姉ちゃんと待っていました』
ルシアナが笑顔で言い、エリカと組上がる船を見ている
馬車が到着すると、アルクオドールとルキアとリーネが降りてくる
『やっぱり作ってます』
ルキアが笑顔で言う
『マルス様なら作ると思っていたけど・・・どんどん早く作っているような』
アルクオドールが考えながら言う
『マルス様に不可能は有りません。1日で船が出来ても驚きません』
ルキアがアルクオドールを見て言うと、マルス達の方に歩いていく
『あ! アルクオドール様、ルキア様、リーネ様』
ルシアナが笑顔で言う
『ルシアナちゃんは、エリカお姉ちゃんと見ていたのですか?』
ルキアが微笑みながら言う
『はい! どんどん形になって面白いです』
ルシアナが満面の笑顔で言う
『キリシア様は相変わらず魔導バイクですね・・・それにウンディーネ号には、ヒストリアさんですか?』
ルキアが海を見て言う
『鍛錬すると言ってました。レティナお姉ちゃん達も一緒です』
ルシアナがウンディーネ号を見て言う
マルスが気が付いて歩いてくる
『アルクオドール様、ルキア様、リーネ、準備が終わったら、ヘルゼレス王国まで行ってきます』
マルスが笑顔で言う
『マルス様、楽しんできて下さい』
『船出来たらどうする?』
マルスが笑顔で言う
『海軍と相談します』
アルクオドールが笑顔で言うと、マルスと少し話し込んでいる
1隻目を海に浮かべると、すぐに2隻目を作り始め、6日後、3隻の帆船が海に浮かんでいる
『マルス、次は何しますか?』
リリシャが微笑みながら言う
『そう言えば、馬具はどうしたのですか?』
エミールが思い出したように言う
『馬具? 』
マルスが考えている
『倉庫見てきます』
ミリアが笑顔で言うと、倉庫からミリアが戻ってくる
『箱に保管されています』
ミリアが笑顔で言う
『作りますよ』
リリシャが嬉しそうに歩いていく
『魔導具争奪戦です』
エミールがマルスの腕を引っ張って行く
ブロイスがリベリアと王都から来た人達を連れてくると、帆船を見ている。馬車が到着する
『あれ? 3隻?』
アルクオドールが海を見て呟き、フローネが歩いてくる
(そんなに木材有ったか? それに船も少し大きいような・・・何処から木材を・・・)
『フローネ様、船が多いような』
アルクオドールがフローネを見ている
『あの子達は船造りするために持って来ていましたよ』
フローネが微笑みながら言う
『3隻か・・・海軍も足りないな』
アルクオドールが呟いて考えている
『計画性が無いですから、遊び気分で帆船を作ってますから・・・魔導船を増産しないだけ良いですね』
フローネが微笑みながら言うと、マルスが歩いてくる
『アルクオドール様、海軍は来ているの?』
マルスが笑顔で言う
『海軍の隊長には連絡をしてあります』
『後は任せた! 騎士はヒストリア達の指示にしたがってね。子供達はメリアが戻ってきたら指示に従うように。君達は、エリカの指示にしたがってね』
マルスが笑顔で言う
『はい!』
全員がマルスを見て言う
『すぐに出発しますか?』
アルクオドールが笑顔で聞く
『リリシャ達次第かな? アルクオドール、帆船見てみる?』
マルスが笑顔で聞くと、アルクオドール達を連れて帆船に乗り込み、帆船の構造の説明を始めている