散歩と騎士学院
翌朝、クリスとミーレスとリリアが魔法学院に登校するのを見送る
『リリシャは今日はどうするの?』
マルスがリリシャを見ている
『上級魔法薬作ってますね』
リリシャが嬉しそうに言うと、キャス号に歩いていく
『マルス師匠は、どうするのですか?』
エミールが笑顔で聞く
『レティナ達と遊んでくるかな?』
マルスが考えながら言うと、レティナ達を探しに行く
『お兄ちゃん、どうしたの?』
書庫に入るとレティナ達がマルスを見ている
『ちょっと遊びに行こうかと』
『どこに行くの?』
『ちょっと散歩だよ』
マルスが笑顔で言うと、レティナ達が準備をして、出掛けようとすると、メトリシアがマルスの元に走ってくる
『マルス師匠、どこに出掛けるのですか!!』
メトリシアが走ってきて大声で言うと、ヒストリアとケニスが追いかけてくる
『ちょっと散歩だけど、メトリシアもしたいの?』
『はい! 一緒します』
メトリシアが嬉しそうに言うと、ミリアが走ってくる
『マルス師匠、一緒に行きます。メトリシアの大声で出掛けるの見付けられました』
ミリアが笑顔で言う
マルス達は町中を歩きながら、店を見て回り、騎士学院の前まで到着する
『騎士学院、テシウス君いるかな?』
レティナが呟く
『ちょっと覗いても良いかな?ヒストリア』
『え! 良いと思いますけど、デストラさんに聞いた方が良いと思います』
ヒストリアが考えながら言う
『メトリシア、視察する?』
マルスがメトリシアを見て言うと、レティナがメトリシアを見ている
『マルス師匠の行くところなら、何処でも良いです』
メトリシアが笑顔で言うと、騎士学院に入っていく
『何の用だ! ここは部外者立ち入り禁止だ』
講師がマルス達を見付けて怒鳴る
『視察です! 文句有りますか?』
メトリシアが笑顔で言う
『視察? 誰だ?』
講師がメトリシアを見ている
『メトリシア王女様に無礼です』
ヒストリアが前に出て言うと、講師が驚いて慌てて頭を下げている
(ヒストリア!! メトリシア王女様なら先に言ってくれ! どうしたら)
『ゼダルは、どこにいるかな? 後2年生の教室も』
マルスが笑顔で聞くと、講師が慌てて説明している
マルス達が騎士学院の教室を覗きながら歩いていく
『あ!! テシウス君』
レティナがテシウスの教室を見付けて声を上げると、生徒が一斉にレティナを見ている
『何か用か? 授業の邪魔だ』
講師が睨み怒鳴る
『あ! ごめんなさい』
レティナが慌てて言う
『何の授業ですか?』
メトリシアが笑顔で聞く
『王国史の授業だが? 何者だ』
講師が睨みながら言う
『一緒に聞きましょう』
メトリシアが笑顔で言うと、教室に入っていく
『講師様、メトリシア様の視察です』
ヒストリアが笑顔で言う
『剣姫!! メトリシア王女様、大変申し訳ありません』
講師が慌てて頭を下げている
講師が慌てて授業を再開すると、レティナ達も興味津々に聞いている。授業が終わると、テシウスがレティナの元にくる
『レティナちゃん、イリアちゃん、ラーザお兄ちゃん、久し振りです』
テシウスが嬉しそうに笑顔で言うと、生徒達が見ている
『次の授業は何かな?』
マルスが笑顔で聞く
『次は槍術と基礎訓練です』
テシウスが笑顔で言う
『着替えもしないといけないのかな?』
『はい、マルス様』
テシウスが笑顔で言う
『レティナ、先に鍛練場に行こうか?』
マルスが笑顔で言うと、ヒストリアの案内で歩いていく
『マルスだったか』
ゼダルが見付けて歩いてくる
『ゼダル、久し振り。しっかり講師しているの?』
『闘気鍛練だから、昼間は結構暇にしているぞ! マルス達は何しに?』
ゼダルが笑いながら言う
『暇潰しと、テシウス君の様子を見に来たよ』
『テシウスか? 騎士学院の剣術大会で優勝したぞ』
ゼダルが笑顔で説明していると、レティナが嬉しそうに聞いている
『講師で教えられるのかな?』
『無理だろう・・・瞬殺しているからな』
ゼダルが笑いながら言うと、テシウス達が講師の指示で準備運動をしている
授業が始まると、マルス達が見ている
『これで鍛練?』
レティナが見て呟く
『この程度準備運動ですよね?』
イリアが呟く
『この程度なら私でも出来ます』
ナセリが呟くと、講師が睨んでいる
『騎士が魔法使いに負けるなんてあり得ないけどね』
マルスがニヤリとして言う
『これが騎士学院の通常の鍛練です。 自習の方が鍛練が出来ました』
ヒストリアが笑顔で言う
『これ以上レベルが上がると、講師が教えられないからかな? 講師が弱すぎるからね』
マルスが笑顔で言う
『小僧!! 弱いだと!! 痛いめ見たいのか!!』
講師が怒鳴り、マルスを睨んでいる
『本当の事ですけど、相手してあげましょうか?』
マルスが笑顔で言うと、みんなマルスを見ている
『小僧覚悟しろ!!』
講師が大声で怒鳴る
マルスと講師が準備をする
『ハンデで素手で良いですよ』
マルスが笑顔で言うと、生徒達が壁際で見ている
『馬鹿にするのも大概にしろ!! 怪我しても文句言うなよ』
講師が睨み怒鳴る。ゼダルの合図で講師が次々と槍で突いたりしているが、マルスは軽くかわしている
『遅すぎます。そろそろ終わりにしますね』
マルスが笑顔で言うと、槍を掴み、そのまま上に持ち上げて、講師を地面に叩き付ける
『イタッタッタ』
講師が痛みに踞っている
『勝てる訳無いだろう。英雄騎士隊を鍛えた本人に』
ゼダルが呆れたように言う
『は? 鍛えた本人!! 先に言え!!』
講師が慌てた様に叫ぶ
『ラーザ、ついでに久しぶりにテシウスと訓練してね』
マルスが笑顔で言う
テシウスとラーザが準備をする
『ラーザお兄さん、よろしくお願いします』
テシウスが笑顔で言う
『テシウス君、槍はあまり使わないから、ゆっくり始めよう』
ラーザが笑顔で言うと、ゼダルの合図で闘気をまとい、打ち合いを始めている
生徒達は、テシウスとラーザの打ち合いを見て、青ざめている
(え! 早すぎる・・・風圧がここまでくるなんて・・・これが達人の鍛練?)
『ラーザそこまで』
マルスが止めると、ラーザとテシウスが間合いを取る
『マルス様、どうかしましたか?』
ラーザが笑顔で聞く
『狭すぎるね。怪我人が出るよ』
マルスが生徒達を見て言う
『狭いですね。外で続きをしましょう』
メトリシアが笑顔で言う
『講師さん、良いですか? それともあの程度以上の鍛練に出来ますか?』
マルスが腰を抜かしている講師を見て言う
『は? 無理だーーー 何故闘気を!! 何者だ』
講師が慌てて言う
『テシウス君に教えたのがラーザだから、テシウス君の先生だよ』
マルスが笑顔で言う
『え! テシウス君の・・・どうぞ、外でゆっくり・・・教えられないから・・・』
講師が慌てて言う
外に向かい、テシウスとラーザの鍛練が始まると、生徒達が見ている