オルトレス・ガゼラス 前編
翌朝、交代で町中を散策する事にする。キリシアは、騎士と兵士と鍛練を始めている
『お兄ちゃん、行ってきます』
レティナが笑顔で言うと、ラーザとイリアとクリスとリリアとミーレスとシーリスとナディアとフローネとリシリアが騎士達の護衛を連れて出掛けていき、マルスが心配そうに見送っている
『マルス、寂しいのですか?』
リリシャが腕に抱き付きながら聞く
『少し心配かな? 初めての町だから』
『フローネ先生が居ますから、大丈夫です』
リリシャが微笑みながら言う
『エスカとコテツが監視もしているから・・・余程の事が無ければ大丈夫だけど』
マルスが呟くと、リリシャが笑っている
マルスとリリシャとエミールとエレーヌは、書庫で魔導書を読んでいる
『マルス、良い魔導書無いですね』
リリシャが魔導書を読みながら言う
『魔法が発展してなかったみたいだね』
『残念ですね、魔導具も良いのが何も残ってませんでしたから・・・』
リリシャが考え込んでいる
『明日、町中を散策しましょうマルス師匠』
エミールが笑顔で言う
『前は占領して間もなかったからね・・・どう変化したか調べよう』
マルスが考えながらエミールを見ている
『レティナちゃん達は何か見付けたのでしょうか?』
リリシャが微笑みながら言う
『何を買って帰ってくるかな?』
『食べ物だと思います』
エミールが考えて言う
『食べ物以外に無いでしょうけど、大きな肉買ってきそうな・・・キリシアにお土産とか』
リリシャが考えながら言うと、エミールとマルスが笑っている
レティナ達が帰ってきて、マルス達を探している
『お兄ちゃん、ただいま』
レティナが笑顔で書庫に入ってくる
『レティナお帰り』
マルスが笑顔で言う
『あのね、上級魔法薬の薬草買ってきました』
レティナが笑顔で言う
『え!! 上級の薬草!!』
リリシャが驚きながら嬉しそうに立ち上がる
『予想してなかった・・・リリシャ師匠が一番喜ぶ物を・・・レティナちゃん凄いです』
エミールが笑顔で言う
『喜んでくれた! リリシャお姉ちゃん』
レティナが嬉しそうに呟き、リリシャの手を引っ張って、兵士が運んでいる荷車の所に案内してくれる
『良い薬草ですね』
リリシャが微笑みながら薬草を見ている
『この地方は薬草の産地も』
マルスが薬草を見ながら呟く
『シーリスちゃんの提案ですか?』
リリシャが微笑みながら、フローネを見ている
『シーリスちゃんが見たいと言うと、みんなで見始めて、リシリアまで一緒になってましたね』
フローネが微笑みながらレティナを見ている
『明日もっと買いましょう』
リリシャが笑みを浮かべて言う
『リリシャ師匠、ポーション作りは手伝います』
エミールが微笑みながら言う
『明日の買い物が決まったか』
マルスが呟く
『お兄ちゃん』
レティナが笑顔で町中での出来事を、楽しそうに話している
翌朝、マルス達は出掛ける準備をしている
『マルス師匠、薬草は全て明日の朝に持ってきて貰います』
メトリシアが笑顔で言う
『買い占めさせるの?』
『中々手に入りませんから。それに調べて貰ったら、全然売れないで、交易品にしているそうです』
『全部貰いましょう』
リリシャが笑顔で言う
『今日の買い物は・・・』
マルスがアニーを見ている
『調味料なら料理人に頼みました。他の食材も沢山買いました』
アニーが微笑みながら言うと、みんな笑っている
『散歩だね』
マルスが笑顔で言う
『散歩しましょう』
リリシャがマルスの腕に抱き付くと、エミールが反対側の腕に抱き付いている
『あ! 出遅れた』
ミリアが羨ましそうに言う
『エミール御姉様、早すぎます』
メトリシアが羨ましそうに呟いて、マルスを見ている
店を覗いたりしながら歩いていく
『活気が無いですね・・・』
リリシャが店を見ながら言う
『騎士団が統治しているかな?』
『マルス師匠、産業が乏しいと思います』
エミールが店の種類を見て言う
『貴族が居ないから・・・高級品も少ないですね・・・孤児も多いですね』
リリシャが店の商品を見て、路地裏を見ている
『孤児が多いか・・・孤児院でも覗くかな?』
マルスが考えながら呟く
『マルス師匠が買うものが無いから、人を買いに行こうとしてます』
メトリシアがマルスを睨んで言う
『ミーレスちゃんの為ですか? それとも』
エミールが微笑みながら聞く
『マルスですから、才能がある人を探していますね』
リリシャが微笑みながらマルスの横顔を見ている
孤児院に入る
『院長様に用が有るのですが』
マルスが職員に聞く
『どのような御用ですか?』
職員が怪しむように聞く
『少し話を聞きたいです。それに良い子供が居たら引き取りたいと思ってます』
マルスが笑顔で言うと、職員の案内で院長の部屋に通される
『孤児院の院長ですが、どのような用件ですか?』
怪しむようにマルス達を見ている
『この町の孤児院は足りてますか?』
『全く足りてません! 戦後、クライドルド王国は助力してくれていますが・・・子供を養えない人が捨てていきます・・・戦争でかなりの人が死んだのが原因ですが・・・』
院長が少し暗い顔をして言う
『そうですか・・・孤児がここを出て行って、仕事はどうなってますか?』
『え! それは・・・商家も余裕無いので・・・冒険者になっても、迷宮が無いので・・・かなり厳しいと・・・』
院長が考えながら説明してくれると、リリシャが睨んでいる
『取り敢えず子供を見せて欲しいです。侍女や護衛や門番や馬の世話など出来る子供です』
マルスが考えながら言うと、職員の案内で見て回る
子供達は必死にマルス達に自己紹介している
『マルス、凄い必死でしたね』
リリシャが苦笑いしている
『そうだね・・・これじゃあ可哀想になるけど・・・何か』
マルスが考えている
『ふふふ、マルス、それ以上は国がする事ですよ』
リリシャが腕に抱き付きながらマルスの顔を見ている
『そうだね・・・キリシアなら資金を置いて誰かに運用させてくれるけど』
マルスがキリシアを見ている
『やりそう』
リリシャが笑みを浮かべてキリシアを見ている