孤島の黒い怪物
マルス達がキャス号に戻ると、リリシャとキリシアにルシアナが説明をしている
『ルシアナちゃん、調べに行きましょうね』
リリシャが微笑みながら言う
『厄災? 面白そう・・・黒い奴なら! 怪物か?』
キリシアが満面の笑顔で言う
『シルフィード号で向かうかな?』
マルスが笑顔で言う
『留守番は嫌だよ』
レティナが不満そうに言う
『安全な距離で見ていてね』
マルスが笑顔で言うと、マルス達はシルフィード号に乗り込み、フローネとオルガー達にキャス号を任せて飛んでいく
『主様ーーー凄い嫌な魔力を感じます』
エスカが現れて、マルスを見ている
『あの島か・・・岩山に囲まれているけど』
マルスが島を見ながら呟くと、周囲を高い岩山に囲まれた島の中央に遺跡が見えている
『こんな所に遺跡が・・・』
リリシャが見ながら呟く
『先に少し調査しないとね』
マルスが笑顔で言う
『小型飛行艇で行きますか?誰を連れていきますか?』
エミールが微笑みながら言うと、全員がマルスを見ている
『マルス行くよ』
キリシアがマルスを引っ張っていく
『キリシア待ちなさい』
リリシャが慌てて追いかけていく
『エミール、ルシアナも連れてきて』
マルスが慌てて言うと、エミールが笑顔でルシアナを抱き抱えて、追いかけていく
『え? あーーーー エミール御姉様ーーーズルい』
メトリシアがエミールの後ろ姿を見て叫ぶ
『油断しました』
エビリアとクレスタがエミールの後ろ姿を見て呟く
『どうしよう?』
ミリアが慌てたようにキョロキョロしている
キリシア達が小型飛行艇に乗り込むと、島に向かって飛んでいく
『リリシャ御姉様、近付くと危ないから・・・早く逃げろーーーって言ってます』
ルシアナがキョロキョロしながら言う
『ルシアナちゃん、黒い悪魔は遺跡の中なのですか? 聞けますか?』
リリシャが微笑みながら聞く
『あのね、黒い悪魔はどんな奴? どこにいるの?』
ルシアナが大声で言う
(もう押さえられない!! 早く逃げなさいーーー 言葉が解るなら、早く逃げてーーー 精霊王様ももう封印しきれないーーー)
『精霊王様?でも封印しきれないの? どんな力を持っているの?』
(黒の悪魔ーーー 闇の精霊を吸収した、悪い奴!! 人間では勝てない!! 早く逃げてーーー 他の精霊王様も集まってくれれば、少しは封印出来ても、もう無理ーーーーー)
『リリシャ御姉様、闇の精霊を吸収した悪い奴だって!! 他の精霊王様が集まっても、もう無理だって・・・そう言ってます』
ルシアナがリリシャの顔を見て言う
キリシア先頭に遺跡に近付くと、黒い靄が溢れ出始めている
『嫌な感じ・・・マルス』
キリシアが振り返る
『ホーリー』
マルスが魔法を放ち、黒い靄を消し飛ばす
『エミール、ルシアナを守ってね』
マルスがエミールを見てから、ルシアナを見ている
『はい、マルス師匠』
エミールが手を繋いでいるルシアナの顔を見ている
遺跡の中に入ると、黒い大きな両腕を持ち、2つの大きな角と赤い目の化物がいる
『こいつ、何だろう?』
キリシアが黒い怪物を見て聞く
『獣の顔の人形なのかな?』
リリシャが微笑みながら見ていると、パリッと甲高い音が響き渡り、黒い怪物が両腕をあげ、キリシアを睨んでいる
『かかってこい!!』
キリシアが怒鳴り、闘気をまとっている。マルスは魔力視で周囲を見ていると、魔力の塊がマルス達の周囲をくるくる飛んでいる
(もう持たないーーー早く逃げてーーー)
黒い怪物が腕を振り、闘気の塊がキリシアに向けて飛んでいくと、キリシアが闘気をまとった槍で弾く。衝撃波が周囲に広がり、遺跡に亀裂が走っている
『グォォォォーーーーーーーー』
黒い怪物が咆哮をあげると、ルシアナが恐怖に震えている
『エミール、ルシアナを連れて外に』
マルスが周囲を見ながら闘気をまとい、リリシャも魔力を溜めている。エミールがルシアナを抱き抱えて遺跡の外に出ていく
黒い怪物が次々とキリシア目掛けて闘気の塊を放っていると、キリシアが次々と弾き飛ばして遺跡の壁に当たっている
『キリシア、遊んでないで!! 遺跡が崩壊するでしょ』
リリシャが大声で叫ぶ
『こいつ強い!! 遊んでいられない!!』
キリシアが大声で怒鳴り、槍を振っている。黒い怪物が顔の前に黒い玉を作る
『キリシア、アレ!!』
マルスが叫ぶと、キリシアが一気に接近して槍を振りあげる。槍は怪物の顎に当たり、黒い玉から放たれた閃光が遺跡の屋根を貫き、衝撃で遺跡の天井が吹き飛んでいる
『こらーーーー!! もう少しで当たっただろーーー! 少しは考えろーーーー』
ヴェルダンディーの怒鳴り声が聞こえる
『凄い威力・・・ふふふ、やっぱり本気で放ちましょう』
リリシャが微笑みながら言うと、黒い怪物がキリシア目掛けて腕を振るが、キリシアは避けて槍を振り抜き、黒い怪物を弾き飛ばしている
『グォォォォーーーー』
黒い怪物がキリシアに突進して腕を振りながら黒い玉を作り、閃光を放つが、キリシアは避けて閃光は遺跡の壁を吹き飛ばしている
『キリシア、余り避けていると、岩山が全部無くなりそう・・・町の方に飛ばさないでよ』
マルスが閃光の放たれた方を見て言う
『怪物!! その玉は反則ーーー マルス何とかしろーーーー』
キリシアが大声で叫ぶ
『もう、一騎討ち終わりで良いのかな?』
マルスが笑顔でキリシアを見ている
『マルス手伝えーーー』
キリシアが大声で怒鳴る




